熱帯医学ミュージアム

当ミュージアムは熱帯病に関する概説パネルを初めとして、寄生虫、細菌、ウイルス、病原媒介昆虫、危険動物などの標本、 映像資料、書籍、医学史上貴重な資料等を展示・保存している。また、視聴覚コーナーでは、80インチの大画面で、吸血中の蚊の様子ほか、多様なジャンルの動画を見ることができる。蚊の分類と雌雄の分別ができるコーナーも新設し、多くの人が熱帯感染症に対する興味を持ち、また理解が進むことを目指している。
スタッフ
- 館長
- 山本太郎
- 技術職員
- 荒木一生
- 特任研究員
- 内田寛樹
- 技能補佐員
- 大淵美里
令和3年度は、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響を受け、来館者はかなり減少したままであった(約600名でコロナ以前の半数程度)。そのような状況下での当ミュージアムの主な活動は下記のとおりであった。
- 博物館管理運営:熱帯地域で頻繁に興る疾病に関する約100枚の概説パネル、顕微鏡画像、病態映像、病原体媒介動物の標本や模型、高度安全実験(BSL-4)施設の模型、BSL-4防護服などを展示し、国内外の見学者に対して解説している。対応言語は、日本語、英語、中国語である。
通常の博物館運営に加えて下記の活動も行った。
1) COVID-19に対する感染症対策の観点から、従来の来場型による熱研サマースクールに代え、中高生を主たる対象とするオンラインセミナーを「熱研夏塾2021」として前年に引き続き開催した。テーマは「様々な感染症との攻防」とし、4名の若手研究者が発表を行った。当ミュージアムは100名を超える参加者と演者による質疑応答を円滑に進行し好評を得た。
2) 感染症アーカイブス(AIDH)の呼びかけにより目黒寄生虫館、韓国ソウルの寄生虫博物館との共催で日韓共同企画「リンパ系フィラリア症の制圧をめぐる日韓の協働」を開催した。当ミュージアムでは8/17~8/31の期間中、長崎におけるフィラリア症制圧に関する写真や資料の展示を行った。また日韓におけるフィラリア症制圧の歴史に関するメインパネルを新設し、フィラリア症を解説した動画と共に期間中オンラインで公開した。それらの展示資料やメインパネルは開催終了後も継続して常設展示されている。 - IT(Information Technology)環境 維持・管理:サーバ及びネットワーク機器などの更新を伴うIT環境を強化し、高度なセキュリティ維持に努めている。併せて、当研究所ホームページの情報更新等を含む維持管理を行っている。
また、熱帯医学研究所の研究者などから要請される多様なニーズに対応したIT機器の貸し出し体制などの環境整備を図っている。
◎熱帯医学ミュージアム開館時間 平日9時~17時(土日祝日休館)
※館内のパネルは全て日本語表記ですが、タブレット端末による英語及び中国語での閲覧が可能ですので
ご希望の方にはお貸出しします。