小児感染症学分野

小児感染症学分野は様々な感染症、特に5歳未満死亡の主要な原因である肺炎、下痢症、デング熱などの重症小児感染症、また先天感染症と小児発達への影響を研究対象としている。2019年12月中国、武漢にて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のアウトブレイクが発生、世界に広まり2020年3月にはパンデミックとなった。これを受けてCOVID-19へも研究対象を広げている。これらの研究は、主にベトナム、ニャチャン市に設置されたフィールドラボおよび住民基盤コホート研究サイトを用いておこなわれている。
スタッフ
- 教 授
- 吉田レイミント
- 准教授
- 樋泉道子
- 助教(有期)
- Kohen Erik Johannes
- 助教(テニュアトラック)
- 乙丸礼乃
- 客員教授
- 橋爪真弘
- 特任研究員
- 山形優太朗
- 特任研究員
- 河田宗一郎
- 技能補佐員
- 平倉説子
- 事務補佐員
- 岡希望
- 事務補佐員
- 安東育美
- 大学院生
- 田中沙紀
- 大学院生
- 北村則子
- 大学院生
- ワンブグ ぺリス ワンジル
研究活動
- 小児感染症コホート研究:感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)と日本医療研究開発機構(AMED)の助成を得て、2006年よりベトナム、ニャチャン市において小児感染症大規模住民基盤コホート研究を行っている。
- 小児急性呼吸器感染症サーベイランス::小児急性呼吸器感染症の発生率、病因、危険因子を明らかにするため、2007年より、ニャチャン市カンホア総合病院における小児急性呼吸器感染症サーベイランスを継続している。新興呼吸器ウイルスの出現およびウイルスの分子的特徴と変化、臨床的重要性にも着目している。また、集団レベルでの肺炎およびデング熱に対する様々なワクチン導入効果やその可能性について調査をおこなっている。
- 出生コホート研究:先天感染と小児の運動精神発達、また重症小児感染症発症の宿主遺伝的要因を探るため、2009年に出生した小児2000人の出生コホート研究をおこなっている。2017~2018年には新たな出生コホートを立ち上げ、風疹、サイトメガロ、ジカウイルス先天感染の現状とその児の発達への影響を調査している。
- 肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)接種回数比較試験:ビル&メリンダ・ゲイツ財団より資金を得て、PCV接種回数を減じる比較試験をおこなっている。本研究結果によりPCV接種戦略が変わり、途上国においてPCVや他のワクチンが利用しやすくなることが見込まれている。
- デング熱家族内伝播パターン:ロンドン大学衛生熱帯医学大学院と共同し、ニャチャン市コミュニティにおいてデング熱家族内伝播研究をおこなっている。
- COVID-19関連研究:ベトナム人を対象にCOVID-19の臨床疫学的特徴と長期合併症および免疫学的反応の調査をおこなっている。また、ベトナムと日本の医療従事者、非医療従事者、COVID-19既感染者を対象にCOVID-19ワクチンへの免疫学的反応を比較する研究をおこなっている。
- 環境疫学研究:気候変動と大気汚染の健康への影響について、地域的および地球規模で研究をおこなっている。