寄生虫学分野

寄生虫疾患は、長きにわたって人々の健康を損ない、その死亡率からは窺い知れないほど深い病苦と甚大な社会経済的損失を生み出す。本分野は、熱帯地域で流行する寄生虫疾患に関して、フィールド・ラボ双方向からのアプローチを通して、様々な視点からの理解を深め、未来へ繋がる研究そして有為な人材の育成をもって社会に貢献する。
スタッフ
- 教 授
- 濱野真二郎
- 客員教授
- ジェンガ サミー
- 客員教授
- サトスカ アボイ
- 助教(有期)
- 中村梨沙
- 助教(有期)
- ワンロップ アッチャラーパン
- 助教(有期)
- 日向綾子
- 特任研究員
- 田中由佳
- 特任研究員
- 田山雄基
- 特任研究員
- 小林典子
- 特任研究員
- バラネザハド 春沙音
- 特任研究員
- バキトベク シャラ
- 客員研究員
- 凪幸世
- 客員研究員
- 森保妙子
- 客員研究員
- チャデカ エバンス アセナ
- 客員研究員
- 城山光子
- 客員研究員
- 佐々美保
- 客員研究員
- Gwana Mwatsahu Mgala
- 協力研究員
- 神戸俊平
- 協力研究員
- ニャティチ べナード チェルイヨット
- 協力研究員
- Scholastica Achieng' Wagalla
- 協力研究員
- Hildah Akinyi Otieno
- 技術職員
- 濱﨑めぐみ
- 技能補佐員
- 川端泰子
- 技能補佐員
- 久田千晃
- 技能補佐員
- 林田昌子
- 医学部生
- 世羅涼
- 医学部生
- 辻佑理
- 医学部生
- 岡山純基
研究活動
ケニアのヴィクトリア湖東岸 Mbita ならびにインド洋沿岸 Kwale 地区においては、ケニア中央医学研究所 KEMRI やマセノ大学と共に住血吸虫症の研究を遂行しており、2021年度から新たに基盤研究(A)(一般)による「住血吸虫症の感染伝播ダイナミクスの解明」、2023年度から地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「住血吸虫症の制圧・排除へ向けた統合的研究開発」に着手した。
GHITからの助成を受け、2015年よりオハイオ州立大学、マギル大学、FDA/NIHと共にリーシュマニア症に対するワクチン開発、2019年よりシャーガス病に対するワクチン開発、2020年よりリーシュマニア症に対する皮内反応テストの開発を進めている。また、2022年からワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業「長崎シナジーキャンパス(出島特区)」(AMED)に参画すると共に、2018年からはライデン大学、リガチャーと共に住血吸虫症のモニタリングツールの開発、2020年からはFIND、ライデン大学などと共に住血吸虫症の迅速診断テストの開発・評価に取り組んでいる。
研究室では、生物資源としてマンソン住血吸虫および中間宿主貝、マレー糸状虫、パハン糸状虫および媒介蚊であるネッタイシマカを継代維持している。また、各種寄生虫に対する感染防御機構の解明を目指す過程でIL-27/WSX-1 など IL-12 サイトカインファミリーの感染防御に果たす役割を世界に先駆けて報告してきた。またアメーバ赤痢のモデル系を確立すると共に、リーシュマニアや赤痢アメーバの病原性発現機構・感染防御機構の解明に取り組んでいる。
最近の主な業績
- Dey R, Alshaweesh J et al. Nat Commun 2023; 14(1): 7028.
- Alshaweesh J et al. Microbiol Spectr 2022; 10(5): e0112622.
- Tanaka M et al. Parasitol Int 2021; 83: 102346.
- Talaam K et al. Antimicrob Agents Chemother 2021; AAC0041821.
- Zhang WW et al. Nat Commun 2020; 11(1): 3461.
- Nakamura R et al. iScience 2020; 23(9): 101544.
- 濱野真二郎.「ILC2と寄生虫感染」特集 自然リンパ球の生理と病理、医学の歩み 2024; 288(1): 55-59.
- 濱野真二郎. 第40章 寄生虫と宿主、第41章 原虫学、第42章 蠕虫学、標準微生物学 第15版 2024; 523-563.