2022年1月24日・25日、本事業の対象地域であるンディワとスバサウスにおいて、事業の持続可能性のために、第1回コミッティ会議を実施しました。
このコミッティは各対象地域のチーフ(村長)らと保健省の役人ら10名程度からなり、本事業が2026年2月に終了した後もスナノミ症に関する地域での活動を継続して実施していく役目を担っています。
多くの国際支援事業では、海外からの団体が来て資金を出し事業を実施することで、受益者側に支援団体への依存心が生じてしまうことが課題の一つとなっています。
具体的には、外国人が多額の資金を持ってきてくれるという意識から、状況改善に向けての受益地域での自助努力があまり見られないことや、事業期間が終了すると、事業で達成した内容が逆戻りして事業実施前の状態に戻ってしまう、というような現象です。
JICA草の根事業では、こうした状態を回避し、事業の計画段階から実施の各段階において受益者側であるコミュニティーを巻き込んでいくことで、地元住民の方々の意識改革や成長を促すことを目的としています。
このコミッティ会議はそうした活動の一つとして、地域で尊敬されリーダーとして活躍しているチーフたちにスナノミ症治療と予防活動の中心となって推進してもらいたいという願いで開催されています。
会議の中では、現時点でベースライン調査を踏まえて分かったスナノミ症の流行地域に関する情報、そして2026年以降にはコミュニティーの自助努力でスナノミ症を予防していってほしいという理解がチーフら参加者に共有されました。そして、JICA草の根事業として今回スナノミ症の治療予防活動を実施していることに対する感謝がチーフらから語られ、地元住民としてどんな貢献をしていくことができるのかが活発に話し合われ、今後の定期会議の頻度や各村の相互の連絡方法などについても合意しました。
現地でもスナノミ症は解決されるべき重大な問題であると認識されていること、そのためにチーフらも積極的な役割を担っていく用意があることが今回の会議において確認されました。