約800名のコミュニティヘルスボランティア(CHV)に対するスナノミ症研修を実施しています!

約800名のコミュニティヘルスボランティア(CHV)に対するスナノミ症研修を実施しています!

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2021年8月16日~10月7日の期間に、本事業の対象地域であるスバサウスとンディワにおいて、総勢約800名のコミュニティヘルスボランティアに対するスナノミ症研修を実施しています。

本事業対象地域となっているスバサウスやンディワでは、スナノミ症に苦しんでいる方が大勢います。そうした家庭のほとんどは、主要道路から遠く離れたアクセスの悪い場所にあります。

ケニアでは、道路状況などの理由から、保健局職員だけでは保健サービスが行き届かない場所が多くあります。そういった場所に、政府の手足となり保健サービスを各家庭に届ける役目をしているのがコミュニティヘルスアシスタントやコミュニティヘルスボランティアの方々です。

今回の研修では、8月11日・12日のTOT研修を受けた保健局職員・コミュニティヘルスアシスタント(CHA)らが自ら講師となり、スナノミ症の診断や治療方法、予防方法などについて実践的なデモンストレーションを交えながら総勢約800名のCHVらに研修を実施しています。

また、研修の中では実際に自分の担当地域の中でどの場所で一番罹患率が高いかを、CHVらがマッピングを通じて話し合いました。

この研修方式は、カスケード方式と言って、外国人である日本人が「外部の知識」として地元の人々を指導するのではなく、地元の人々同士で知識を広めあっていくことで、草の根レベルで各個人の意識改革につなげるのに有効な方法とされています。

スナノミ症は行政や国際社会からの支援が不十分である疾病として、Neglected Tropical Disease(NTD、顧みられない熱帯病)に指定されています。

今回の研修を受けたことで、地域に根差した保健活動を行っているCHVらに治療方法や予防方法が明確に理解され、早速各家庭での症例を診断し、罹患者に対して病院への受診を促すなどの意識変革がすでに見られ始めています。

今後は今回の研修に基づき、各CHVが家庭訪問とベースライン調査を実施し、スナノミ症の罹患率が最も高いエリアを確定していきます。

【長崎大学では、JICA(日本国際協力機構)の資金を受けて、持続可能なスナノミ感染症対策プロジェクトを実施しています】