長崎大学病院 総合感染症科(国際感染症予防診療センター)

熱帯医学研究所の診療科としての歴史は、1974年に熱帯医学研究所臨床部門の教授として赴任した故・松本慶蔵(熱研内科)先生が、長崎大学医学部附属病院熱帯医学研究所内科の科長を兼任したことに始まる。現在は、臨床感染症学分野が、熱研における唯一の臨床教室として、長崎大学病院国際医療センター1階の一般内科病床および結核病床をベースに診療を行っている。2018年度からは総合診療科と連携を深め、また2024年度後半に国際感染症予防診療センターと改称され、感染制御教育センター、感染症医療人育成センターと統合され総合感染症内科に組み込まれた。

スタッフ

教 授
森本浩之輔(呼吸器ワクチン疫学分野)
教 授
古本朗嗣(感染症医療人育成センター)
講 師
山梨啓友(病棟医長・総合診療科兼務)
助 教
高橋健介(高度救命救急センター 救急国際支援室)
助 教
泉田真生(ロンドン大学衛生熱帯医学大学院ガンビア拠点 留学中)
助 教
山内桃子(医局長・熱帯医学教育室)
助 教
赤羽目翔悟(副病棟医長・油症ダイオキシン研究診療センター)
助 手
杉本尊史(国境を越えた地域医療支援機構)
助 手
増田真吾
助 手
池田恵理子
事務補佐員
中橋桃子
事務補佐員
犬塚貴子(国境を越えた地域医療支援機構)

長崎大学病院での活動としては、積極的に感染症のコンサルタント業務を行っており、多くの診療科から年間700症例を超える発熱患者の紹介がある。外来診療は、一般感染症やHI V専門外来に加えて、海外渡航者のための旅行外来も実施しており、オーファンドラッグである各種熱帯感染症治療薬を用いた特定臨床研究にも参加している。
教育面では、医学部生のベッドサイド実習と各種臨床講義および卒後臨床研修を行っている。初期研修医の受け入れに加え、内科専攻医においては、長崎大学内科専門研修プログラムの一環として、内科領域全般にわたる多様な医療課題に柔軟に対応し、加えて国際医療協力を推進できる総合内科医・感染症専門医の育成を目指している。Chris Smith教授に加え、フィリピンのサンラザロ病院やロンドン大学衛生熱帯医学大学院から医師や講師を迎え、英語による臨床カンファレンスや病棟回診を行っている。さらに、熱帯医学への知見を深めるため、サンラザロ病院や英国MRCガンビア研究所附属病院と連携し、医師を中長期派遣して熱帯地での感染症症例の臨床経験を蓄積している。以上のように、内科医としての一般診療に限らず国際的に活躍できる臨床医を育成・支援することを当診療科の使命としている。