ベトナムプロジェクト拠点

ベトナムの感染症研究国際展開戦略プログラムは平成27年度から新たに設立された日本医療開発機構に引き継がれ、令和2年度から第4期にあたる5年間の新たなプロジェクト「新興・再興感染症研究基盤創生事業(海外拠点研究領域)ベトナムにおける新興・再興感染症研究推進プロジェクト」が開始された。
ハノイの国立衛生疫学研究所(NIHE)に設置してあるベトナム拠点には現在、長崎大学職員がハノイに3名、ニャチャン分室に1名常駐しており、その他にも長崎大学から30名、その他の研究組織から36名の研究者が参加している。

新着情報

スタッフ

教授(兼拠点長)
長谷部太
事務職員
永安樹
技能補佐員(熱研内)
森和子

研究活動

。主な研究課題はこれまでのデング熱、下痢症感染症、インフルエンザ、薬剤耐性菌、小児重症呼吸器感染症に人獣共通感染症(コウモリ由来感染症)と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を加え、外部研究機関である国立国際医療研究センターも参加して感染症の効果的な制御に資する研究を行っている。この他、ベトナム拠点活用研究として国立感染症研究所、大阪大学、京都大学、北海道大学、東海大学、熊本大学との共同研究(COVID-19、フラビウイルス、HIV等に関する研究)が実施された。令和2年1月下旬にベトナム国内でCOVID-19のアウトブレークが発生したため、NIHEと協力してSARS-CoV-2特異的real time RT-PCRによる迅速診断法の導入、ウイルス分離・遺伝子解析等を行い、熱研ウイルス学分野の協力を得てSARS-CoV-2のNタンパク質を抗原としたELISA法を開発し、COVID-19の血清疫学調査を実施した。平成25年度から開始された育成プログラムにおいて、ベトナム拠点はearly exposure 施設として教育支援を行っており、またon-the-job training施設としても活用され、毎年長崎大学や他大学から医部学部学生、大学院生等を受入れ、幅広い人材育成活動を行っている。ベトナム拠点は設立以来長年、デング熱、インフルエンザやCOVID-19等感染症の制御に向けた予防・診断治療に資する研究を行っており、また、ベトナムをはじめとする各国の高度専門人材の育成等を実施することで日本とベトナムとの相互理解の促進に貢献してきたことから、令和3年8月20日に、日本国外務省の令和3年度外務大臣表彰の団体部門を受賞した。

最近の主な業績

  1. Fukuta et al. Int J Environ Res Public Health 2021;18(18):9845.
  2. Mao et al. Pathogens 2021;10(12):1558.
  3. Ngo et al. Trop Med Health 2021;49(1):42.
  4. Yasuda et al. Viruses 2021;13(4):665.
  5. Morales Vargas et al. Infect Genet Evol 2021;90:104764.

業績一覧