病害動物学分野

本分野では、病原体を媒介する動物の基礎的な研究と環境の分析から節足動物媒介性疾患の発生要因と防除法を多角的に研究している。特にマラリア原虫およびデングウイルスやチクングニアウイルスの媒介蚊を対象に分子生物から生態の研究まで幅広くカバーしており、室内実験と共に東南アジアやアフリカにおいてフィールド研究を行なっている。防除の研究においては環境と調和的な戦略の確立を目指している。
スタッフ
- 准教授
- 二見恭子
- 助 教
- 砂原俊彦
- 客員研究員
- 川田均
- 特任研究員
- Asinovskii Ilia
- 特任研究員
- Blokhina Galina
- 研究支援推進員
- 林あおい
- 事務補佐員
- 酒本淳子
- 大学院生
- 助廣那由
- 大学院生
- 山下紗里菜
- 大学院生
- Muga Robert Ouko
研究活動
これまで当研究室では、ネッタイシマカやヒトスジシマカの集団遺伝構造の研究をすすめており、デング熱流行地の集団の特徴を明らかにしてきた。さらに、モザンビークとコンゴ民主共和国に侵入したヒトスジシマカの集団遺伝構造の分析を通して、その起源と侵入ルートの解明を行なっている。
マラリアに関しては、新しい蚊帳や殺虫剤を使った防除法の効果をケニアとマラウイにおいて、生態学および疫学的手法を用いて検証を行っている。さらに、深層学習の手法などを使ったマラリアとデング熱流行を予測する技術の開発や、都市部での媒介蚊発生エリアの予測モデルの開発も行なっている。
また、ケニアにおいて住血吸虫中間宿主貝の長期的な調査を行い、季節消長や感染率に関わる生態的要因の解明を進めている。
最近の主な業績
- Osawa S et al. Acta Tropica 2024; 260: 107402,
- Futami K et al. Med. Entomol. Zool 2024; 75(3): 153-161.
- Yamashita S et al. Palasit vectors 2024; 17(1): 292.
- Vulu FZ et al. Palasit vectors 2024; 17(1): 35.
- Yan C et al. Plos One 2024; 19(5): e0303137.