呼吸器ワクチン疫学分野

当分野では、主に国内において、肺炎球菌を中心とする呼吸器病原細菌や新型コロナウイルスを含めた呼吸器病原ウイルスによる感染症の疫学研究を行っている。研究活動は以下のとおりである。

スタッフ

教授(有期)
森本浩之輔
助教(有期)
前田遥
特任研究員
Bhim Gopal Dhoubhadel
技能補佐員
久保利奈
技能補佐員
荒木由美

研究活動

  • 国内の市中病院において成人肺炎球菌性肺炎のサーベイランスを行っている。この研究は、肺炎球菌の血清型分布と血清型別の疫学的特徴を明らかにし、高齢者における最適な肺炎球菌ワクチンに関する政策を提言することを目的としている。また、最新の血清型分布を使用して、横浜市立大学・東京大学と共同で高齢者における肺炎球菌ワクチンの費用対効果分析を行っている。複数の次世代肺炎球菌ワクチンが開発されており、高齢者に対するワクチン政策の立案に役立つデータを社会と共有することを目指している。
  • 国内7つの市中病院において、成人急性呼吸器感染症のサーベイランス研究を行っている。multiplex PCRを用いた網羅的な病原体診断やQoL調査により、病原体別により正確な疾病負荷を明らかにすることを目指している。
  • 新型コロナウイルス感染症やインフルエンザに関しては、医療機関を対象として新型コロナワクチンおよびインフルエンザワクチンの発症予防効果、入院予防効果、重症化予防効果の調査を行っている。成果は厚生労働省と共有され、定期接種の評価や方針の策定に利用されている。

最近の主な業績

  1. Maeda et al. Hum Vaccin Immunother 2025; 21: 2469424.
  2. Morimoto et al. Respir Investig 2025; 63: 96-101.
  3. Maeda et al. Expert Rev Vaccines 2024; 23: 213-225.
  4. Maeda et al. Expert Rev Vaccines 2023; 22: 288-298.
  5. Dhoubhadel et al. Trop Med Health 2024; 52(1): 14.

業績一覧