新型コロナワクチンの有効性に関する研究
〜国内多施設共同症例対照研究〜

Vaccine Effectiveness Real-Time Surveillance for SARS-CoV-2 (VERSUS) Study、第10報
長崎大学熱帯医学研究所
掲載日:2024年2月28日
要約

 長崎大学熱帯医学研究所を中心とする研究チームは、全国の医療機関 (病院および診療所)と協力し、新型コロナワクチンの有効性を評価する研究を2021年7月1日から行っている。第10報では、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の国内接種開始後の2023年10月1日から2024年1月31日の調査結果から、同期間の国内でのオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の発症予防および入院予防の有効性をまとめた。
 発症予防の有効性の評価では、16歳~64歳の2,060名 (うち検査陽性者284名)が解析対象となった。年齢中央値は35歳、45.9%が男性、23.3%に基礎疾患があった。16歳~64歳において、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種なしと比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5) (接種から7日以上経過)の有効性は43.1% (95%信頼区間:-11.9~71.0%)、新型コロナワクチン未接種と比較した場合の有効性は49.0% (95%信頼区間:-11.2~76.6%)、従来型新型コロナワクチンのみ接種と比較した場合の有効性は41.2% (95%信頼区間:-20.4~71.3%)、オミクロン対応2価ワクチン接種と比較した場合の有効性は42.6% (95%信頼区間:-19.3~72.4%)であった。
 入院予防の有効性の評価では、60歳以上の548名 (うち検査陽性者75名)が解析対象となった。年齢中央値は83歳、60.2%が男性、77.0%に基礎疾患があり、29.4%が高齢者施設入所者であった。60歳以上において、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種なしと比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5) (接種から7日以上経過)の有効性は64.0% (95%信頼区間:7.9~85.9%)、新型コロナワクチン未接種と比較した場合の有効性は73.2% (95%信頼区間:11.4~91.9%)、従来型新型コロナワクチンのみ接種と比較した場合の有効性は58.7% (95%信頼区間:-33.9~87.3%)、オミクロン対応2価ワクチン接種と比較した場合の有効性は53.6% (95%信頼区間:-38.8~84.5%)であった。
 本報告はオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の発症予防および入院予防の有効性を評価したものである。オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種することで追加の予防効果が得られる可能性があることがわかった。また入院予防に関しては、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の追加接種により60%程度の有効性を認めた。本報告は暫定値であるが公衆衛生学的意義を鑑みつつ報告した。本報告は長期サーベイランス研究の一部であり、2023年10月1日から2024年1月31日の対象期間内でも未集計の情報も多数あるため、今後結果が変わる可能性があり、随時アップデートした結果を報告する予定である。

背景

 2021年7月1日から長崎大学熱帯医学研究所を中心とした研究チームは、全国の医療機関 (病院および診療所)と協力し、これまでにインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの有効性を評価する研究で使用されている検査陰性デザイン (test-negative design:TND)を用いた症例対照研究を使って (1, 2)、新型コロナワクチンの有効性を経時的に評価するサーベイランス研究 (Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2 (VERSUS) study)を開始した (3)。これまでに、国内で導入されている新型コロナワクチンに関して発症予防・入院予防・重症化予防の有効性を評価し、公表してきた。
 国内では2023年当初からXBB系統の流行が拡大したが、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)はXBB系統に対して高い中和抗体の誘導が認められており (4, 5)、2023年9月20日から生後6か月以上のすべての人を対象として、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の接種が国内でも開始された。第10報では2023年10月1日~2024年1月31日の調査結果からオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の発症予防および入院予防の有効性を評価した。

方法

1) 発症予防の有効性に関する研究

 2023年10月1日から2024年1月31日までに全国6都県 (東京都、神奈川県、千葉県、愛知県、高知県、福岡県)、計9か所の病院または診療所を新型コロナウイルス感染症が疑われる症状1)で受診し、新型コロナウイルス検査を受けた16歳以上の患者を対象に、患者基本情報、症状、新型コロナワクチン接種歴 (接種の有無、接種回数、接種日、接種したワクチンの種類)、新型コロナウイルス検査結果の情報を収集した。新型コロナウイルスの検査は、核酸増幅法検査、抗原定量検査、抗原定性検査を対象とした。新型コロナウイルス検査陽性者を症例群、陰性者を対照群とした検査陰性デザイン (test-negative design)を用いた症例対照研究を行った (図1)。発症から15日以降に検査を受けた患者および同一患者は定義2)に基づいて除外した。65歳以上はサンプル数が少なかったため、本報告では16歳~64歳を解析対象とした。

 本報告では、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の評価を行うことを目的としていたため、ワクチンの有効性として、①オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の有効性 (接種から7日以上経過)を求めた。加えて、② (1)新型コロナワクチン未接種、 (2)従来型ワクチンのみ接種、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種した場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の有効性 (接種から7日以上経過)を求めた。接種したワクチンが不明の場合は、接種日や接種回数から推定できる場合は推定し解析に含めた。ワクチンの詳細は不明だがオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合は、①の解析ではオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合に含め、②の解析ではワクチンの種類不明に含めた。また、ファイザー社製、モデルナ社製以外の新型コロナワクチン接種を受けた研究対象者が極めて少数であったため、ファイザー社製、モデルナ社製以外の新型コロナワクチン接種を受けた研究対象者は解析から除外した。ワクチン接種歴が不明な場合、ワクチン接種回数が不明の場合は解析から除外した。
 検査結果 (陽性・陰性)に接種歴を含む種々の要因が与える影響を、混合効果ロジスティック回帰モデルを構築して調整オッズ比と95%信頼区間を算出して評価した。新型コロナワクチンの有効性は、 (1-調整オッズ比)×100%で算出した。回帰モデルには、検査結果 (陽性・陰性)を被説明変数、新型コロナワクチン接種歴、年齢、性別、基礎疾患3)の有無、検査実施カレンダー週、医療従事者であるか、新型コロナウイルス感染症の既往歴の有無、を固定効果 (fixed effect)、検査実施医療機関を変量効果 (random effect)の説明変数として組み込んだ。正確な新型コロナワクチン接種日が不明であった研究対象者については、接種日の推定法が接種後の経過日数、さらには接種完了の有無の判断にも影響しうる。感度分析として、複数の方法で接種日を推定した解析を行った。
 本研究は長崎大学熱帯医学研究所および研究参加医療機関における倫理委員会で審査を受け、承認された後、実施した (長崎大学熱帯医学研究所倫理委員会における承認番号:210225257)。 (倫理委員会がない医療機関では、長崎大学熱帯医学研究所倫理委員会で一括して審査を行った。)


2) 入院予防の有効性に関する研究

 2023年10月1日から2024年1月31日の期間に全国8都府県 (福島県、東京都、千葉県、愛知県、京都府、高知県、福岡県、沖縄県)、計9か所の病院で、急性呼吸器感染症を疑う症状 (発熱、咳、喀痰、胸膜痛、呼吸苦、頻呼吸、急性疾患による酸素投与)のうち2つ以上の症状があるか、新たに出現した肺炎像を認め入院した16歳以上の患者を対象に、患者基本情報、症状、新型コロナワクチン接種歴 (接種の有無、接種回数、接種日、接種したワクチンの種類)、新型コロナウイルス検査結果、入院時のバイタルサインなどの情報を収集した。新型コロナウイルスの検査は、核酸増幅法検査、抗原定量検査、抗原定性検査を対象とした。新型コロナウイルス検査陽性者を症例群、陰性者を対照群とした検査陰性デザイン (test-negative design)を用いた症例対照研究を行った (図2)。検査陽性者と陰性者において、入院時の重症度が異なる可能性も考え、市中肺炎の重症度分類に用いられるCURB-654) (6)を使用して入院時の重症度も評価した。

 発症予防の有効性に関する研究と同様に、本報告では、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の評価を行うことを目的としていたため、ワクチンの有効性として、①オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の有効性を求めた。加えて、② (1)新型コロナワクチン未接種、 (2)従来型ワクチンのみ接種、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種した場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の有効性を求めた。接種したワクチンが不明の場合は、接種日や接種回数から推定できる場合は推定し解析に含めた。ワクチンの詳細は不明だがオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合は、①の解析ではオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合に含め、②の解析ではワクチンの種類不明に含めた。ワクチン接種歴が不明な場合は解析から削除した。また、ファイザー社製、モデルナ社製以外の新型コロナワクチン接種を受けた研究対象者が極めて少ないため、ファイザー社製、モデルナ社製以外の新型コロナワクチン接種を受けた研究対象者は解析から除外した。ワクチン接種歴が不明な場合、ワクチン接種回数が不明の場合は解析から除外した。
 新型コロナウイルス検査結果 (陽性・陰性)に新型コロナワクチン接種歴を含む種々の要因が与える影響を、混合効果ロジスティック回帰モデルを構築して調整オッズ比と95%信頼区間を算出して評価した。新型コロナワクチンの有効性は、 (1-調整オッズ比)×100%で算出した。回帰モデルには、検査結果 (陽性・陰性)を被説明変数、新型コロナワクチン接種歴、年齢、性別、基礎疾患3)の有無、入院日カレンダー週、新型コロナウイルス感染症の既往歴の有無、を固定効果 (fixed effect)、入院医療機関を変量効果 (random effect)の説明変数として組み込んだ。今回は60歳以上に限定した解析を行った。
 本研究は長崎大学熱帯医学研究所および研究参加医療機関における倫理委員会で審査を受け、承認された後、実施した (長崎大学熱帯医学研究所倫理委員会における承認番号:210225257)。 (倫理委員会がない医療機関では、長崎大学熱帯医学研究所倫理委員会で一括して審査を行った。)

結果

1) 発症予防の有効性に関する研究

 全国6都県計9か所の医療機関において、2023年10月1日から2024年1月31日までに新型コロナウイルス感染症が疑われる症状1)があり、新型コロナウイルス検査を受けた16歳以上の患者2,784名が登録された。このうち、発症日から15日以降に検査を受けた41名、同一患者2)の9名、ファイザー社製・モデルナ社製以外の新型コロナワクチンを接種した4名、ワクチン接種歴が不明の189名、65歳以上の481名を解析から除外し、合計2,060名を解析に含めた (図3)。このうち、新型コロナウイルス検査陽性者は284名 (13.8%)であった。

 解析対象者の基本情報・新型コロナワクチン接種歴を表1に示す。年齢中央値 (四分位範囲)は35歳 (26-48歳)、男性946名 (45.9%)、480名 (23.3%)に基礎疾患3)があり、医療従事者は457名 (22.2%)であった。新型コロナワクチン接種歴については、7.4% (152名)がオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種あり (接種から7日以上経過)、60.9% (1,254名)がオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)未接種であった。オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)未接種の詳細としては、ワクチン未接種が研究対象者全体の11.6% (238名)、従来型のみ接種が30.9% (637名)、オミクロン対応2価ワクチン接種が15.4% (318名)、従来型かオミクロン対応2価ワクチン接種のいずれか不明が3.0% (61名)であった。

表 1:発症予防の有効性に関する研究における解析対象者 (16~64歳)の基本情報とワクチン接種歴
全体
(n=2,060)
検査陽性
(n=284)
検査陰性
(n=1,776)
年齢 n. (%)
16-29歳 756 (36.7) 85 (29.9) 671 (37.8)
30-39歳 487 (23.6) 76 (26.8) 411 (23.1)
40-49歳 390 (18.9) 57 (20.1) 333 (18.8)
50-59歳 307 (14.9) 48 (16.9) 259 (14.6)
60-69歳 120 (5.8) 18 (6.3) 102 (5.7)
性別 n. (%)
男性 946 (45.9) 123 (43.3) 823 (46.3)
女性 1,114 (54.1) 161 (56.7) 953 (53.7)
基礎疾患の有無 n. (%)
480 (23.3) 58 (20.4) 422 (23.8)
1,480 (71.8) 211 (74.3) 1,269 (71.5)
不明 100 (4.9) 15 (5.3) 85 (4.8)
基礎疾患詳細 n. (%)
慢性心疾患 69 (3.3) 11 (3.9) 58 (3.3)
慢性呼吸器疾患 159 (7.7) 20 (7.0) 139 (7.8)
肥満 63 (3.1) 5 (1.8) 58 (3.3)
悪性腫瘍 44 (2.1) 4 (1.4) 40 (2.3)
糖尿病 64 (3.1)10 (3.5)54 (3.0)
慢性腎疾患 37 (1.8)7 (2.5)30 (1.7)
透析 9 (0.4)2 (0.7)7 (0.4)
肝硬変 6 (0.3)1 (0.4)5 (0.3)
免疫抑制剤の使用 27 (1.3)5 (1.8)22 (1.2)
妊娠 19 (0.9)3 (1.1)16 (0.9)
新型コロナウイルス感染症の既往 n. (%) 578 (28.1)32 (11.3)546 (30.7)
喫煙歴あり n. (%) 463 (22.5)51 (18.0)412 (23.2)
医療従事者 n. (%) 457 (22.2)51 (18.0)406 (22.9)
新型コロナウイルス感染症患者との接触 n. (%)
あり 145 (7.0)64 (22.5)81 (4.6)
なし 1,764 (85.6)201 (70.8)1,563 (88.0)
不明 151 (7.3)19 (6.7)132 (7.4)
新型コロナウイルス検査方法 n. (%)
核酸増幅法検査 14 (0.7)3 (1.1)11 (0.6)
抗原定量検査 990 (48.1)101 (35.6)889 (50.1)
抗原定性検査 1,056 (51.3)180 (63.4)876 (49.3)
検査日 n. (%)
2023年10月 523 (25.4)64 (22.5)459 (25.8)
2023年11月 523 (25.4)42 (14.8)481 (27.1)
2023年12月 733 (35.6)97 (34.2)636 (35.8)
2024年1月 281 (13.6)81 (28.5)200 (11.3)
新型コロナワクチン接種歴
オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種の有無 n. (%)
接種あり (接種から7日以上経過) 152 (7.4)13 (4.6)139 (7.8)
接種あり (接種から7日未満) 20 (1.0)1 (0.4)19 (1.1)
接種なし 1,254 (60.9)170 (59.9)1,084 (61.0)
 ワクチン未接種 238 (11.6)40 (14.1)198 (11.1)
 従来型のみ接種 637 (30.9)84 (29.6)553 (31.1)
 オミクロン対応2価ワクチン接種 318 (15.4)39 (13.7)279 (15.7)
 従来型かオミクロン対応2価ワクチンかは不明 61 (3.0)7 (2.5)54 (3.0)
不明 695 (33.7)107 (37.7)588 (33.1)
ワクチン接種から検査までの日数中央値 (四分位範囲)
オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種あり
 (接種から7日以上経過) (n=140)
33 (16-50.5)41.5 (25-69)32 (16-49.5)
従来型のみ接種 (n=403) 621 (508-736)626 (554-739)621 (503-734)
オミクロン対応2価ワクチン接種 (n=313) 335 (203-376)333 (290-386)317 (148-370)

 ①オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合に対するオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の新型コロナウイルス検査陽性の調整オッズ比は0.569 (95%信頼区間: 0.290~1.119)であった (表2)。また、② (1)新型コロナワクチン未接種、 (2)従来型ワクチンのみ接種、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種した場合に対するオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の新型コロナウイルス検査陽性の調整オッズ比はそれぞれ0.510 (95%信頼区間: 0.234~1.112)、0.588 (95%信頼区間: 0.287~1.204)、0.574 (95%信頼区間: 0.276~1.193)であった。これらの調整オッズ比を用いて①オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合、② (1)新型コロナワクチン未接種、 (2)従来型ワクチンのみ接種、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種した場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の発症予防の有効性 (%)を求めた (表2、図4)。オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の有効性は43.1% (95%信頼区間:-11.9~71.0%)、 (1)新型コロナワクチン未接種と比較した場合の有効性は49.0% (95%信頼区間:-11.2~76.6%)、 (2)従来型ワクチンのみ接種と比較した場合の有効性は41.2% (95%信頼区間:-20.4~71.3%)、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種と比較した場合の有効性は42.6% (95%信頼区間:-19.3~72.4%)であった。

表 2: 16歳~64歳での新型コロナワクチン接種状況で比較した新型コロナウイルス検査陽性の調整オッズ比およびオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の発症予防の有効性
新型コロナワクチン接種歴 新型コロナ
ウイルス検査
調整オッズ比
(95%信頼区間)
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)の有効性%
(95%信頼区間)
陽性 (n) 陰性 (n)
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種なしa
1701,0841.000Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
13 139 0.569 (0.290~1.119) 43.1 (-11.9 to 71.0)
ワクチン接種なし 401981.000Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
13 139 0.510 (0.234~1.112) 49.0 (-11.2 to 76.6)
従来型のみ接種あり 84 553 1.000 Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
13 139 0.588 (0.287~1.204) 41.2 (-20.4 to 71.3)
オミクロン対応2価ワクチン
接種あり
39 279 1.000 Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
13 139 0.574 (0.276~1.193) 42.6 (-19.3 to 72.4)

a いずれのワクチン接種を受けたが不明だが、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種はないものも含む。
b 接種から7日以上経過

 正確なワクチン接種日が不明であった患者については、接種日の推定法が接種後の経過日数、接種完了の有無の判断にも影響しうるため、今回は感度分析として複数の方法で接種日を推定した解析結果を比較したが、調整オッズ比に与える影響は限定的であった。

2) 入院予防の有効性に関する研究

 全国8都府県9か所の医療機関において、2023年10月1日から2024年1月31日に、急性呼吸器感染症を疑う症状 (発熱、咳、喀痰、胸膜痛、呼吸苦、頻呼吸、急性疾患による酸素投与)のうち2つ以上の症状があるか、新たに出現したの肺炎像を認め入院した16歳以上の患者788名が登録された。このうち、発症日から15日以降に検査を受けた2名、ワクチン接種歴が不明の183名、16歳~59歳の55名を解析から除外し、合計548名を解析に含めた (図5)。このうち、新型コロナウイルス検査陽性者は75名 (13.7%)であった。

 解析対象者の基本情報・新型コロナワクチン接種歴を表3に示す。年齢中央値 (四分位範囲)は83歳 (75.5~90歳)、男性330名 (60.2%)、422名 (77.0%)に基礎疾患があり、高齢者施設入所者が161名 (29.4%)であった。CURB-65で評価した重症度が、一般に入院治療が検討される中等症以上の研究対象者の割合は、研究対象者のうち86.3% (473名)、検査陽性者のうち84.0% (63名)、検査陰性者のうち86.7% (410名)であり、検査陽性者と検査陰性者でほぼ同等であった。新型コロナワクチン接種歴については、21.0% (115名)がオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種あり (接種から7日以上経過)、37.0% (203名)がオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)未接種であった。オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)未接種の詳細としては、ワクチン未接種が研究対象者全体の8.2% (45名)、従来型のみ接種が11.5% (63名)、オミクロン対応2価ワクチン接種が17.0% (93名)、従来型かオミクロン対応2価ワクチン接種のいずれか不明が0.4% (2名)であった。

表 3:入院予防の有効性に関する研究における解析対象者 (60歳以上)の基本情報とワクチン接種歴
全体
(n=548)
検査陽性
(n=75)
検査陰性
(n=473)
年齢 n. (%)
60-69歳 54 (9.9)10 (13.3)44 (9.3)
70-79歳 161 (29.4)26 (34.7)135 (28.5)
80-89歳 194 (35.4)21 (28.0)173 (36.6)
90歳以上 139 (25.4)18 (24.0)121 (25.6)
性別 n. (%)
男性 330 (60.2)44 (58.7)286 (60.5)
女性 218 (39.8)31 (41.3)187 (39.5)
基礎疾患の有無 n. (%)
422 (77.0)53 (70.7)369 (78.0)
126 (23.0)22 (29.3)104 (22.0)
基礎疾患詳細 n. (%)
慢性心疾患 200 (36.5)20 (26.7)180 (38.1)
慢性呼吸器疾患 151 (27.6)14 (18.7)137 (29.0)
肥満 3 (0.5)2 (2.7)1 (0.2)
悪性腫瘍 119 (21.7)16 (21.3)103 (21.8)
糖尿病 143 (26.1)17 (22.7)126 (26.6)
慢性腎疾患 71 (13.0)10 (13.3)61 (12.9)
透析 10 (1.8)1 (1.3)9 (1.9)
肝硬変 6 (1.1)06 (1.3)
免疫抑制剤の使用 32 (5.8)9 (12.0)23 (4.9)
高齢者施設の入所 n. (%)
161 (29.4)14 (18.7)147 (31.1)
385 (70.3)61 (81.3)324 (68.5)
不明 2 (0.4)02 (0.4)
喫煙歴 n. (%) 247 (45.1)29 (38.7)218 (46.1)
新型コロナウイルス検査方法 n. (%)
核酸増幅法検査 113 (20.6)12 (16.0)101 (21.4)
抗原定量検査 383 (69.9)49 (65.3)334 (70.6)
抗原定性検査 52 (9.5)14 (18.7)38 (8.0)
入院時のCURB65スコア n. (%)
0-1点 75 (13.7)12 (16.0)63 (13.3)
2点以上 473 (86.3)63 (84.0)410 (86.7)
肺炎像あり n. (%) 467 (85.2)53 (70.7)414 (87.5)
入院日 n. (%)
2023年10月 184 (33.6)30 (40.0)154 (32.6)
2023年11月 142 (25.9)12 (16.0)130 (27.5)
2023年12月 147 (26.8)23 (30.7)124 (26.2)
2024年1月 75 (13.7)10 (13.3)65 (13.7)
新型コロナワクチン接種歴
オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種の有無 n. (%)
接種あり (接種から7日以上経過) 115 (21.0)9 (12.0)106 (22.4)
接種あり (接種から7日未満) 10 (1.8)010 (2.1)
接種なし 203 (37.0)33 (44.0)170 (35.9)
 ワクチン未接種 45 (8.2)9 (12.0)36 (7.6)
 従来型のみ接種 63 (11.5)9 (12.0)54 (11.4)
 オミクロン対応2価ワクチン接種 93 (17.0)13 (17.3)80 (16.9)
 従来型かオミクロン対応2価ワクチンかは不明 2 (0.4)2 (2.7)0
不明 220 (40.1)33 (44.0)187 (39.5)
ワクチン接種から検査までの日数中央値 (四分位範囲)
オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種あり
  (接種から7日以上経過) (n=81)
36 (24-63)43 (15-56)36 (24-65)
従来型のみ接種 (n=38) 518 (446-575)528 (411-602)516 (448-571)
オミクロン対応2価ワクチン接種 (n=93) 153 (126-305)250 (97-324)152 (126-303)

 ①オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合に対するオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の新型コロナウイルス検査陽性の調整オッズ比は0.360 (95%信頼区間: 0.141~0.921)であった (表4)。また、② (1)新型コロナワクチン未接種、 (2)従来型ワクチンのみ接種、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種した場合に対するオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の新型コロナウイルス検査陽性の調整オッズ比はそれぞれ0.268 (95%信頼区間: 0.081~0.886)、0.413 (95%信頼区間: 0.127~1.339)、0.464 (95%信頼区間: 0.155~1.388)であった。これらの調整オッズ比を用いて①オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合、② (1)新型コロナワクチン未接種、 (2)従来型ワクチンのみ接種、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種した場合に対するオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の入院予防の有効性を求めた (表4、図6)。オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を接種していない場合と比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種 (接種から7日以上経過)の有効性は64.0% (95%信頼区間:7.9~85.9%)、 (1)新型コロナワクチン未接種と比較した場合の有効性は73.2% (95%信頼区間:11.4~91.9%)、 (2)従来型ワクチンのみ接種と比較した場合の有効性は58.7% (95%信頼区間:-33.9~87.3%)、 (3)オミクロン対応2価ワクチンを接種と比較した場合の有効性は53.6% (95%信頼区間:-38.8~84.5%)であった。

表 4:60歳以上での新型コロナワクチン接種状況で比較した新型コロナウイルス検査陽性の調整オッズ比およびオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の入院予防の有効性
新型コロナワクチン接種歴 新型コロナ
ウイルス検査
調整オッズ比
(95%信頼区間)
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)の有効性%
(95%信頼区間)
陽性 (n) 陰性 (n)
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種なしa
331701.000Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
9 106 0.360 (0.141~0.921) 64.0 (7.9 to 85.9)
ワクチン接種なし 9361.000Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
9 106 0.268 (0.081~0.886) 73.2 (11.4 to 91.9)
従来型のみ接種あり 9 54 1.000 Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
9 106 0.413 (0.127~1.339) 58.7 (-33.9 to 87.3)
オミクロン対応2価ワクチン
接種あり
13 80 1.000 Reference
オミクロン対応1価ワクチン
(XBB.1.5)接種ありb
9 106 0.464 (0.155~1.388) 53.6 (-38.8 to 84.5)

a いずれのワクチン接種を受けたが不明だが、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種はないものも含む。
b 接種から7日以上経過

 正確なワクチン接種日が不明であった患者については、接種日の推定法が接種後の経過日数、接種完了の有無の判断にも影響しうるため、今回は感度分析として複数の方法で接種日を推定した解析結果を比較したが、調整オッズ比に与える影響は限定的であった。

考察

 本報告では、国内でのオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種開始後の2023年10月1日から2024年1月31日の期間におけるオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の発症予防の有効性および入院予防の有効性を評価した。16歳~64歳においてオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種なしと比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5) (接種から7日以上)の発症予防の有効性は43.1% (95%信頼区間:-11.9~71.0%)であった。新型コロナワクチン未接種と比較した場合の有効性は49.0% (95%信頼区間:-11.2~76.6%)、従来型ワクチンのみ接種と比較した場合の有効性は41.2% (95%信頼区間:-20.4~71.3%)、オミクロン対応2価ワクチンを接種と比較した場合の有効性は42.6% (95%信頼区間:-19.3~72.4%)であった。入院予防の有効性については、60歳以上において、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)接種なしと比較したオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5) (接種から7日以上)の入院予防の有効性は64.0% (95%信頼区間:7.9~85.9%)であった。新型コロナワクチン未接種と比較した場合の有効性は73.2% (95%信頼区間:11.4~91.9%)、従来型ワクチンのみ接種と比較した場合の有効性は58.7% (95%信頼区間:-33.9~87.3%)、オミクロン対応2価ワクチンを接種と比較した場合の有効性は53.6% (95%信頼区間:-38.8~84.5%)であった。サンプルサイズが小さく信頼区間も広いが、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)を追加接種することで追加の予防効果が得られる可能性があることがわかった。入院予防に関しては、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の追加接種により60%程度の有効性を認めた。
 オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の有効性についてのデータは海外でも限られている。発症予防の有効性について、米国の研究では本研究と同様にオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の接種がない場合と比較した有効性を求めているが、その研究では、18歳~49歳において接種後7~59日で64% (95%信頼区間: 53~74%)、50歳以上で接種後7~59日で46% (95%信頼区間: 31~58%)の有効性を認めた (7)。米国の別の研究では、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の接種がない場合と比較したファイザー社製のオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)のワクチン接種の検査陽性の調整オッズ比は、外来受診では0.42 (95%信頼区間: 0.27~0.66)、ER受診では0.42 (95%信頼区間: 0.34~0.53)であった (8)。入院予防の有効性に関しては、上記の米国の研究において、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)のワクチン接種がない場合と比較したファイザー社製のオミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)のワクチン接種の検査陽性の調整オッズ比は0.37 (95%信頼区間: 0.20~0.67)であり (8)、デンマークの研究では、オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の接種がない場合と比較して、65歳以上の入院予防の有効性は76.1% (95%信頼区間: 62.3~84.8%)であった (9)。研究デザインが異なる研究もあるため直接の比較は難しいが、本報告書の結果は海外の結果と矛盾しないと考えられた。
 本報告に含まれる研究対象の8割以上が2023年10月から12月のエピソードであるが、2024年1月以降は全国的にBA.2.86系統のJN.1が流行している。JN.1はBA.2.86と比較して感染またはワクチンによる中和抗体に対して免疫回避が強いとされている (10)。前述の米国の研究 (7)では発症予防の有効性に関して、95%信頼区間は重なっているものの、点推定値においてはJN.1へのワクチンの有効性がそれ以外と比較して低かった (7)。国内でも2024年1月からはJN.1が流行しており、それに伴い今後オミクロン対応1価ワクチン (XBB.1.5)の有効性が低下する可能性があり、引き続きの評価が必要である。

制限

 本報告にはいくつかの制限がある。1つ目は、研究対象患者が限られており、現時点ではサンプルサイズが極めて限定的である。2つ目は、現在日本では医療機関において受診者のワクチン接種歴を正確な記録として確認できるシステムは整備されていないため、接種歴は主に患者 (または患者家族)に対する問診で得られた記録を基にしており、思い出しバイアスの影響を否定できない。正確なワクチン接種日が不明な患者については、「接種日」の推計方法を複数定めた感度分析を行ったが、調整オッズ比の変動は小さく、一定の妥当性は担保されていると考える。また、打ったワクチンがオミクロン対応1価ワクチン (XBB1.5)かその他のものかがわからない症例については、国内では2023年9月20日以降はオミクロン対応1価ワクチン (XBB1.5)のみの接種を行っているため、接種日から推定をしているものもある。3つ目は、新型コロナウイルス検査には限界があり、症例・対照の誤分類は否定できない。特に本報告では実臨床に即して抗原定性検査も対象としているため、誤分類の可能性はある。
 本報告は2024年2月28日での暫定結果であり速報値であるが、公衆衛生学的に意義があると判断して報告した。今後も研究を継続し経時的な評価を行うなかで、公衆衛生学的な意義を鑑みつつ結果について共有する予定である。

注釈
  • 発熱 (37.5℃以上)、咳、倦怠感、呼吸困難、筋肉痛、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、下痢、味覚障害、嗅覚障害

  • 同一患者の扱いは以下の定義を使用した。
    ・陽性結果が出る前または陽性結果が出た後3週間以内に採取した陰性検査は、偽陰性の可能性があるため除外する。
    ・同じ発症日に対して行われた陰性の検査は除外する。
    ・前回の陰性判定から7日以内に実施された陰性の検査は除外する。
    ・各人については、無作為に選んだ3回までの検査を含める。
    ・90日以内に複数回陽性になった場合は初めての陽性のみを組み込む。

  • 慢性心疾患、慢性呼吸器疾患、肥満 (BMI≧30)、悪性腫瘍 (固形癌または血液腫瘍)、糖尿病、慢性腎不全、透析、肝硬変、免疫抑制薬の使用、妊娠

  • CURB-65 (6)
    意識レベルの異常、尿素窒素値>20mg/dl、呼吸回数≧30回/分、収縮期血圧<90mmHg、年齢65歳以上をそれぞれ1点とし、合計点が0~1点は軽症、2点は中等症、3点以上を重症と定義する。国内の臨床現場では、呼吸状態を評価する際に、呼吸回数ではなく、酸素飽和度 (SpO2)や酸素投与の必要性を使用することが多いため、本研究では呼吸回数≧30回/分に加え、SpO2<90%または酸素投与が必要な場合も1点とした。

研究チーム
長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野

前田 遥、森本 浩之輔

長崎大学熱帯医学研究所 ケニア拠点

齊藤 信夫

横浜市立大学 データサイエンス研究科・東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学

五十嵐 中

長崎大学病院 感染症内科 (熱研内科)

増田 真吾

今回の報告に含まれる研究参加医療機関および2024年2月現在の研究参加医療機関 (50音順、敬称略)
飯塚病院

的野 多加志

沖縄県立中部病院

喜舎場 朝雄

亀田総合病院

大澤 良介、細川 直登、中島 啓

川崎市立多摩病院

本橋 伊織

北福島医療センター/福島県立医科大学

山藤 栄一郎

公立陶生病院

武藤 義和

五本木クリニック

桑満 おさむ

市立奈良病院

森川 暢

仁さくらクリニック

大原 靖二

近森病院

石田 正之

東京都立多摩総合医療センター

織田 錬太郎

虹が丘病院

寺田 真由美

早川内科医院

早川 友一郎

福岡青洲会病院

杉本 幸弘

みずほ通りクリニック

勅使川原 修

武蔵野徳洲会病院

淺見 貞晴、工藤 智史、秋月 登

洛和会音羽病院

井村 春樹、井上 弘貴

ロコクリニック中目黒

嘉村 洋志

研究協力
国立感染症研究所 感染症疫学センター

鈴木 基

研究資金

本研究は、厚生労働省科学研究費補助金「ワクチンの有効性及び安全性をモニタリングする体制の構築に関する研究」による支援を受けている。

利益相反の開示

長崎大学熱帯医学研究所呼吸器ワクチン疫学分野は、ファイザー社より本研究に関連のない研究助成金を受けている。

東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学は、武田薬品工業株式会社より本研究に関係のない研究助成金を受けている。

前田遥、五十嵐中はモデルナ社より講演料およびコンサルタント料を受けている。

森本浩之輔はモデルナ社よりコンサルタント料を受けている。

参考資料
  • Hahne S. Vaccination Programmes: Routledge; 2022.

  • World Health Organization. Evaluation of COVID-19 vaccine effectiveness [Available from: https://www.who.int/publications/i/item/WHO-2019-nCoV-vaccine_effectiveness-measurement-2021.1.

  • VERSUS Group. VERSUS (Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2) [Available from: http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/versus/.

  • Stankov MV, Hoffmann M, Gutierrez Jauregui R, Cossmann A, Morillas Ramos G, Graalmann T, et al. Humoral and cellular immune responses following BNT162b2 XBB.1.5 vaccination. Lancet Infect Dis. 2024;24:e1-e3.

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  • Barlow G, Nathwani D, Davey P. The CURB65 pneumonia severity score outperforms generic sepsis and early warning scores in predicting mortality in community-acquired pneumonia. Thorax. 2007;62:253-9.

  • Ruth Link-Gelles PAAC, PhD1,2; Josephine Mak, MPH1; Joseph D. Miller, PhD3; Benjamin J. Silk, PhD1; Anastasia S. Lambrou, PhD1; Clinton R. Paden, PhD1; Philip Shirk, PhD1; Amadea Britton, MD1; Zachary R. Smith, PhD3; Katherine E. Fleming-Dutra, MD1. Early Estimates of Updated 2023–2024 (Monovalent XBB.1.5) COVID-19 Vaccine Effectiveness Against Symptomatic SARS-CoV-2 Infection Attributable to Co-Circulating Omicron Variants Among Immunocompetent Adults — Increasing Community Access to Testing Program, United States, September 2023–January 2024. Morbidity and Mortality Weekly Report.2024 Feb 1;73:77-83.

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  • Hansen CH, Moustsen-Helms IR, Rasmussen M, Soborg B, Ullum H, Valentiner-Branth P. Short-term effectiveness of the XBB.1.5 updated COVID-19 vaccine against hospitalisation in Denmark: a national cohort study. Lancet Infect Dis. 2024;24:e73-e4.

  • Kaku Y, Okumura K, Padilla-Blanco M, Kosugi Y, Uriu K, Hinay AA, Jr., et al. Virological characteristics of the SARS-CoV-2 JN.1 variant. Lancet Infect Dis. 2024;24:e82.

問い合わせ先

長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野:森本 浩之輔
komorimo*nagasaki-u.ac.jp (*を@にして送信して下さい)