臨床研究
人を対象として行われる医学研究のことです。病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明、患者さんの生活の質の向上を目的として行われます。研究成果を医療に活用できる確かな情報とするため、患者さんにご協力いただいて行われる研究のことです。
臨床研究は、国際的なルール(ヘルシンキ宣言など)に加え、日本でも倫理指針が定められており、これらに則って行う必要があります。臨床研究は、ご協力いただく皆さんの安全と人権を最優先に考えておこなわれています。
当教室はいくつもの臨床研究を行っていますが、ここに公開している研究は、通常の診療で得られた過去の診療データをまとめたり、病院に保管してある試料を用います。このような研究では、国が定めた倫理指針は、対象となる患者さんのお一人ずつから直接同意を得るかわりに、研究の目的や実施に関する情報を公開することを定めています(オプトアウト)。
データは名前、住所など、直接同定できる個人情報は削除して使用します。また、研究成果は学会や雑誌等で発表されますが、その際も個人を特定する情報は公表しません。
研究計画や関係する情報をお知りになりたい場合は、個人情報や研究全体に支障となる事項以外はお知らせすることができます。また、ご自身やご家族の情報や試料を研究に使用してほしくないと思ったときも、「問い合わせ先」に連絡をしてください。その場合は、その情報や試料を破棄しますが、いずれの場合も何ら不利益を被ることはありません。また、完全に個人を識別できないよう加工して研究に使用することもあり、その場合は情報や試料の破棄ができませんので、あらかじめご了承ください。
ここでは私たちの教室でオプトアウトを行っている研究について公開しています。
成人市中発症肺炎(市中肺炎および医療・介護関連肺炎)における起炎菌および疾病負荷に関する研究
長崎大学熱帯医学研究所 臨床感染症学分野
森本 浩之輔(准教授)
代表施設: 長崎大学熱帯医学研究所呼吸器ワクチン疫学分野
氏 名: 森本 浩之輔
本研究の共同研究機関をお知りになりたい場合は電話またはメールフォームよりご連絡ください。
長崎大学熱帯医学研究所 所長許可日~2023年月10月31日
肺炎の患者さんの痰などから検出される肺炎球菌と、患者さんの年齢、性別、基礎疾患、肺炎症状や所見の詳細について調査・研究し、どのような菌がどの程度肺炎の原因になっているのかを明らかにして、特に高齢者のワクチンなど保健行政の方針に役立てようとするものです。
18歳以上で、協力施設を受診して肺炎と診断された患者さんで、喀痰などの培養検査で肺炎球菌が検出された方が対象です。
年齢、性別、施設入所の有無、喫煙歴の有無、身体所見、検査結果(血液検査、画像検査)、治療中の疾患、既往歴、ワクチン接種歴、肺炎治療の経過。検出された肺炎球菌の細菌学的な情報。
本研究で利用する情報について詳細をお知りになりたい場合は下記のお問い合わせ先までご連絡ください。
収集した肺炎球菌を分類し、ワクチンや住環境などの影響でどのような菌が増えたり減ったりしているのかを明らかにします。またカルテの情報を用いて、どのような患者さんにどのような肺炎球菌が多いのかを明らかにします。ワクチンの効果についても調べます。
新型コロナウイルス感染症におけるワクチン効果の疫学研究
長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野
森本 浩之輔(教授)
長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野(代表施設) 氏名:森本浩之輔
国立感染症研究所 感染症疫学センター 氏名:鈴木 基
本研究の共同研究機関の詳細をお知りになりたい場合は、下記の研究責任者のお問い合わせ先までご連絡ください。
長崎大学熱帯医学研究所 所長許可日~2024年月3月31日
新型コロナウイルスに対するワクチンが、日本人にどの程度の効果を有するのかを明らかにするための研究です。研究成果は今後の日本のワクチン政策の参考にされます。
16歳以上で、協力施設(病院/医院)を受診・入院して新型コロナウイルス感染症が疑われた患者さんで、診断のための検査をうけた方が対象です。
新型コロナウイルス感染症の診断で入院となった患者さんは、協力施設(病院/医院)で検査を受けていない方も含みます。
年齢、性別、発症時の居住地の場所(自宅か施設かなど)、症状発症日、検査日、医療従事者かどうか、基礎疾患、喫煙歴、新型コロナウイルス感染症患者との接触歴、症状、新型コロナワクチンの接種状況(接種回数、接種時期、ワクチンの種類)、新型コロナウイルス検査結果、入院患者さんは治療内容・入院日・退院日・入院時のバイタルサイン(血圧、酸素飽和度、呼吸回数、意識状態)・入院時の血清尿素窒素値・肺炎像の有無。
本研究で利用する情報について詳細をお知りになりたい場合は下記のお問い合わせ先までご連絡ください。
各協力施設から集められたデータを用いて、検査結果が陽性の患者さんと陰性の患者さんにわけて、ワクチンの接種頻度からその予防効果を推定します。個人情報は使用しません。
【研究責任者】
氏名:森本 浩之輔 長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野・教授
長崎県長崎市坂本一丁目12-4
電話 095(819)7842