COVID-19パンデミックは2020年3月10日の閣議了解により「歴史的緊急事態」に指定されました。その記録および記憶は、今後起こりうるパンデミックに際しての政策決定や社会的合意形成において「レッスン(教訓)の源泉」となりうる重要な情報資源です。そこで本研究では、災害・戦災・公害等でのアーカイブ化の実践知、海外諸国でのCOVID-19関連資料保存の状況、記録・記憶の保存に関する理論的研究の蓄積を分野横断的に参照しながら、日本のCOVID-19関連資料のアーカイブ化推進に取り組むことにしました。それにより、COVID-19資料が幅広く実社会において活用されるための基盤整備を行います。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 廣川和花 | 専修大学 |
| 分担 | 高林陽展 | 立教大学 |
| 分担 | 梅原秀元 | 東海大学 |
| 分担 | 中村元 | 新潟大学 |
| 分担 | 宝月理恵 | お茶の水女子大学 |
| 分担 | 久保田明子 | 広島大学 |
| 分担 | 清水ふさ子 | 立教大学 |
| 分担 | 高科真紀 | 国立民族学博物館 |
| 分担 | 赤司友徳 | 九州大学 |
| 分担 | 真木奈美 | 周南公立大学 |
本班では、感染症対策における「清潔」「自由」「エビデンス」をめぐる哲学的・倫理的課題を検討し、公衆衛生政策のELSI(倫理的・法的・社会的課題)の理論的基盤を構築します。COVID-19では、感染対策と自由の制限、差別や分断などの問題が顕在化しました。本研究では、科学的根拠だけではなく、政策を支える思想や価値観にも注目し、感染症ガバナンスを多角的に分析します。
具体的には、清潔の社会思想史、公衆衛生政策における自由制限の正当化、予防と緊急事態の倫理などをテーマとして、人文学・社会科学の立場から検討を進めます。また、A01班・A03班と連携しながら、社会的弱者への影響にも配慮した、持続可能でレジリエントな感染症対策の枠組みを提示することを目指します。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 美馬達哉 | 立命館大学 |
| 分担 | 児玉聡 | 京都大学 |
| 分担 | 森下翔 | 山梨県立大学 |
| 分担 | 大北全俊 | 滋賀医科大学 |
| 分担 | 小林徹 | 龍谷大学 |
| 分担 | 西川純司 | 近畿大学 |
| 分担 | 川端美季 | 立命館大学 |
| 分担 | 小堀慎悟 | 名古屋外国語大学 |
| 分担 | 鍾宜錚 | 熊本大学 |
感染症パンデミックのような緊急事態において、人がどのように情報を受け止め、リスクを判断し、予防行動や他者への態度を形成していくのかを解明することを目的とします。本研究の基盤は社会心理学にあり、そこに文化心理学、進化心理学、公衆衛生学の知見を接続することで、理論的な説明とデータに基づく実証分析を結びつけます。独自に収集した大規模な時系列パネル調査と、日本・米国・英国・イタリア・中国の5か国を対象とする国際比較調査という、国際的にも貴重なデータ資源を用います。これらのデータをもとに、「時間」を中心に据えながら、人間行動の背景にある進化的要因、文化的差異、そして社会的活用可能性を結びつけて検討します。これにより、危機に直面したときの人間行動について、国や文化を超えて共通する心理的特徴と、社会や文化によって異なる特徴の両方を明らかにします。さらに、その成果を、リスクに関する情報発信や公衆衛生上の対策をより適切に設計するための理論的基盤として位置づけます。最終的には、感染症を医学的問題としてだけでなく、人間と社会の問題として理解する研究領域の発展に貢献し、災害や感染症に対してしなやかに対応できる社会の構築に資することを目指します。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 三浦麻子 | 大阪大学 |
| 分担 | 村上道夫 | 大阪大学 |
| 分担 | 平石界 | 慶應義塾大学 |
| 分担 | 中西大輔 | 広島修道大学 |
| 分担 | 三船恒裕 | 高知工科大学 |
| 分担 | 李楊 | 東北学院大学 |
COVID-19のパンデミックの記憶は、日々、薄れていっています。しかし、ウイルスや感染症がなくなったわけでは有りません。注意深く眺めてみれば、パンデミックの痕跡は至る所に発見できます。そこで私たちは、現在の制度・景観・身体・認識にパンデミックの痕跡がどのように刻み込まれており、それとともに世界各地の人々がどのように生きているのかを民族誌的・歴史学的手法を用いて明らかにしていきます。同時に、この研究班では、パンデミックの記憶について話すこと・考えることにまつわる倫理的な意味や、パンデミックの記憶を掘り出すための実験的・創造的な方法の開発にも力を入れていきます。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 浜田明範 | 東京大学 |
| 分担 | 髙橋絵理香 | 千葉大学 |
| 分担 | 中村沙絵 | 東京大学 |
| 分担 | 宇城輝人 | 関西大学 |
| 分担 | 菊池美幸 | 九州大学 |
| 分担 | 土井清美 | 二松学舎大学 |
| 分担 | 北中淳子 | 慶應義塾大学 |
| PD | 鷹野健 | 東京大学 |
| PD | 兎澤映美 | 東京大学 |
感染症に対してレジリエントな社会を創出するための知的基盤としての環境のケアの枠組みを提起します。環境のケアとは、さまざまな価値や心身の特性を持つ人々が感染症流行下で生活の質を保つことができるよう、生態環境および社会環境を調整することを意味します。本研究計画では、感染症流行に関わる病原体、人間、媒介生物などが、水や土壌や大気を含む環境要因、および感染症介入を形づくる技術や制度といかなる関係にあるか検討し、エスノグラフィの方法で詳細に記述します。また4Eアプローチを用いて、感染症流行に関与する複雑な生態環境と人々の多様な経験を視野に入れた介入の指針となる知識の枠組みを提供します。4Eとは、人々が複雑な問題に対して適応的な行動を導き出し、問題に対処する過程を理解するための枠組みです。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 西真如 | 広島大学 |
| 分担 | 飯田淳子 | 川崎医療福祉大学 |
| 分担 | 澤野美智子 | 立命館大学 |
| 分担 | 砂川泉子 | 東邦大学 |
| 分担 | 金子明 | 大阪公立大学 |
| 分担 | 金子信博 | 島根大学 |
| 分担 | 福永真弓 | 東京大学 |
| 分担 | 水島希 | 叡啓大学 |
| 分担 | 田口陽子 | 広島大学 |
自然科学と人文社会科学の融合により、生活・環境・地域に根ざした持続可能な感染症対策の学際的実践知を創出することを、本研究班の目的とします。COVID-19のパンデミックが改めて示したのは、対策の効果が、人びとの生活環境・社会のしくみ・文化的な慣習と深く結びついているという現実です。科学的に有効とされる手法も、地域の実情と噛み合わなければ、その力を十分に発揮できません。本研究班は、自然科学と人文社会科学の研究者が手を組み、複数の感染症を対象に、過去の対策において科学的な管理手法と住民参加がどのように結びついてきたかを振り返りながら、現在の生活のなかで人びとが健康に関わる判断を下すメカニズムや、生態環境と人間行動が交わる場での感染リスクの実態を明らかにします。そのうえで、住民が参加する介入の実践・評価を通じて、個々の文脈に根ざしながらも広く応用できる、持続可能な感染症対策の学際的実践知を生み出すことをめざします。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 加賀谷渉 | 長崎大学 |
| 分担 | 増田研 | 長崎大学 |
| 分担 | 益田岳 | 長崎大学 |
| 分担 | 高勇羅 | 京都大学 / カロリンスカ研究所 |
| 分担 | 鈴木佳奈 | 横浜市立大学 |
| 分担 | 斉藤美加 | 琉球大学 |
COVID-19パンデミックにおけるボーダー・コントロール(出入国管理)を対象に、その歴史的連続性と変容を歴史的な推移の中でとらえる研究班です。水際対策や移動制限は、感染症対策における重要な手段ですが、目的や手法は病気の種類によって多様であり、時代とともにそのあり方が変化してきました。この研究では、日本を含む複数の国・地域を比較対象とすることで、公衆衛生政策の目的や感染症の特性、地理的・制度的条件に着目しながら、水際対策の歴史的変遷を検討します。COVID-19対策における歴史的要素の影響の程度を明らかにし、現代の感染症対策と過去のそれを人文学的手法により接続することを目指します。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 市川智生 | 沖縄国際大学 |
| 分担 | 濱田篤郎 | 東京医科大学 |
| 分担 | 加藤真生 | 愛知県立教育大学 |
| 分担 | 塩野麻子 | 立命館大学 |
| 分担 | 福士由紀 | 東京都立大学 |
| 分担 | 井上弘樹 | 東京医科大学 |
| 分担 | 平体由美 | 東洋英和女学院大学 |
| 分担 | 永島剛 | 専修大学 |
| 分担 | 宮崎千穂 | 静岡文化芸術大学 |
| 分担 | 磯部裕幸 | 中央大学 |
| 分担 | 鈴木真吾 | 東海大学 |
COVID-19のパンデミックは、感染症対策が医療・公衆衛生のみならず、それぞれの地域の感染症対策のこれまでの経緯に影響されること、その帰結にも社会の固有性が反映されることを露わにしました。その地域社会の特徴、とりわけ社会の構造的脆弱性を炙り出したとも言えます。パンデミックに備えるには、いかに過去に感染症に対峙した知見を社会が蓄積し、感染症に対する社会の強靭性を高めるかが重要となることが分かりました。
しかし現実には、感染のピークが過ぎれば、感染症が依然として社会の脅威としてあったとしても、多くの社会において、過去の経験や教訓は忘却されています。次のパンデミックへの備えとして、当該社会の内在的理解に基づいた事例研究が求められています。
この計画研究では、公衆衛生体制、格差の程度が感染症の拡大に及ぼした影響、パンデミックが当該社会に与えた影響を理解し、国際的な感染症対策の枠組みと各地域の事例とを結びつけ、ネクスト・パンデミックに必要な知見を提示することを目指します。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 小田なら | 東京外国語大 |
| 分担 | 脇村孝平 | 京都大学 |
| 分担 | 諸昭喜 | 国立民族学博物館 |
| 分担 | 曾璟蕙 | 奈良女子大学 |
| 分担 | 松嶋健 | 広島大学 |
| 分担 | 落合雄彦 | 龍谷大学 |
| 分担 | 奥田若菜 | 神田外語大学 |
| 分担 | 詫間佳代 | 慶應義塾大学 |
COVID-19の流行では、感染者数の予測や対策の効果分析に数理モデルが用いられ、政府や自治体の政策判断にも大きな影響を与えました。しかし、公的記録の保存期間などの制約もあり、緊急対応に追われたパンデミック下でどのような対応が取られたのかという記録や記憶は、数理モデルの活用も含めて十分に残されないまま急速に失われつつあります。本研究では、パンデミック下での感染症対応全体、とりわけ数理モデルが活用された場面に着目し、当時対応にあたった専門家や行政担当者への聞き取り調査や資料収集を通じてその経緯を記録するとともに、政策としての効果を評価します。本研究班は、数理疫学の立場から、歴史学など人文社会科学と連携し、得られた知見を蓄積・分析することで次の感染症危機に備えるための知識体系を構築する取組に参画・貢献することを目指します。
| 役割 | 氏名 | 所属機関 |
|---|---|---|
| 代表 | 竹内昌平 | 長崎県立大学 |
| 分担 | 飯島渉 | 長崎大学 |
| 分担 | 内田満夫 | 群馬大学 |
| 分担 | 斎藤正也 | 長崎県立大学 |
| 分担 | 山内武紀 | 昭和医科大学 |
| 協力者 | 蔡国喜 | 長崎県環境保健研究センター |