JICA/AMED 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
"公衆衛生上問題となっているウイルス感染症の把握と実験室診断法の確立(SYMAV)"

プロジェクトの紹介

研究内容

 中部アフリカのガボン共和国では、感染症が死亡原因のおよそ半分を占める。特に、マラリアは5歳未満の死亡の最大原因であり、HIV感染率や結核罹患率はサハラ以南のアフリカの平均よりも高い。これら三大感染症に加え、ガボン共和国では過去に4度エボラウイルス病のアウトブレイクが発生しており、またデング熱やチクングニア熱といった熱帯感染症も報告されている。また、国土の85%が熱帯雨林で覆われており、多種多様な野生動物が生息する野生動物の宝庫であり、人獣共通感染症・新興感染症の発生も危惧される。さらに、ラッサ熱が風土病化しているナイジェリアやエボラウイルス病のアウトブレイクが繰り返し発生しているコンゴ民主共和国に地理的に近く、これら感染症に対するリスクにも曝されている。しかしながら、ガボン共和国におけるウイルス感染症の実態はあまり明らかになっておらず、ウイルス感染症対策が大きな課題となっている。そこで本研究では、①ウイルス感染症の発生状況の把握、②病原ウイルスの同定、③感染ルートの特定を行い、ガボン共和国におけるウイルス感染症の実態を把握する計画である。更に、公衆衛生上問題となっているウイルス感染症の迅速診断技術の開発と普及を行うことにより早期に感染症を特定し、制圧できるシステムの確立を目指す。また、バイオセーフティーレベル3(BSL-3)実験室の導入により、未同定の病原体に関する研究も行い、その特徴や感染源の解明に努める。加えて、感染症研究や検査・医療分野の人材育成にも貢献する。

シュバイツァー博士ゆかりの地ランバレネ

 プロジェクト拠点のランバレネ(右上地図)は、ドイツ出身のシュバイツァー博士(1952年ノーベル平和賞受賞、右写真)が医療活動に生涯を捧げた土地であり、現在もシュバイツァー病院がある。かつて、シュバイツァー博士に感銘を受け、ここでの医療活動を共にした日本人医師(高橋功博士)もいた。本プロジェクトは、シュバイツァー病院に併設するランバレネ医療研究センター(CERMEL)と協力協定を結び、シュバイツァー博士から続くアフリカへの医療貢献という志を共にし、日々活動を行っている。

新着情報

お問い合わせ

(日本)
長崎大学熱帯医学研究所
新興感染症学分野

住所
〒852-8523
長崎県長崎市坂本1-12-4
電話
095-819-7851
FAX
095-819-7851

(ガボン共和国)
ランバレネ医療研究センター(CERMEL)

B.P
B.P
242 Lambaréné
1437 Libreville - Gabon
TEL
(241) 77-98-91-91