Kenya Research Station , Nagasaki University Institute of Tropical Medicine

 長崎大学熱帯医学研究所ケニアプロジェクト拠点

 草の根技術協力事業


西ケニアにおける貧困層を対象とした保健医療サービス支援と保健医療状況の改善を目指す地域・人材育成事業

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Ⅰ.事業の概要

対象国 ケニア共和国
事業名 西ケニアにおける貧困層を対象とした保健医療サービス支援と保健医療状況の改善を 目指す地域・人材育成事業
事業の背景と必要性 西ケニア、特にビクトリア湖周辺地域は、ケニアにおいても最も貧困地域であり、 さらにマラリアをはじめとした熱帯病の流行地域である。さらにはHIV感染率も36%を越えるといわれている状況の中で、 地域住民は、十分な保健医療サービスを享受できないでいる。疾病罹患時や外傷時に受診する施設、 ならびにその人材が十分ではない。また、伝統的治療に頼る住民も多く、近代的な医療並びにそのサービスを提供する 仕組みの構築並びに人材の育成が急務である。また、地域の健康問題に取り組むためには、地域が自主的に考え 対策を実行する仕組みの構築、保健教育の充実も必須である。
事業の目的 西ケニア、ニャンザ州スバ県※北部地域の保健医療サービスの仕組みを住民自らが考え、 改善し、さらには自らがそのサービスを享受できる社会的仕組みを整備することで、同様のシステムが、 他の地域内での活動 (植林保護、水源確保、水質改善、トイレの普及、付加価値の高い生産物加工など)に 応用される。
対象地域 西ケニア、 スバ県北部
ターゲットグループ ケニア共和国スバ県北部で展開する長崎大学人口静態・動態把握システムで補足する地域に居住する全居住者 (当初、約4万人とし、順次拡大する予定)
活動及び期待される成果 事業展開地域において重大な保健医療・公衆衛生の問題である5つの分野 (1.医療サービスの仕組みの改善、2.HIV問題拡大への対策、3.マラリア対策、4.妊産婦・新生児対策、 5.地域・住民への保健衛生教育)を3つの視点(①人材育成、②仕組みの構築、③組織作り)から、 地域住民が中心となり、問題解決に向けて考え、議論し、企画し、運営できる体制を整え、実行できるような 支援を展開することで、下記のような具体的成果が期待される。

1) 地域住民が安心して受診できる地域密着型医療施設が整備・維持される。
2) HIV・マラリアの治療・予防、その他の健康問題について、地域住民が問題を直視し、問題解決に向けて地域が 一体となり対策を実行に移す体制が整い、維持される。
3) 地域住民が中心となり、住民に対する健康教育を展開し、健康に関する知識、意識、行動が改善する。
4) マイクロクレジット事業が住民の努力により自立的運営に移行することで、次第に活動地域が拡大し、 より広い地域での事業展開が行われる。
実施期間 2008年12月 ~ 2011年12月まで
事業の実施体制 長崎大学ならびに同大学熱帯医学研究所が、実際の事業を担当する。 同大学では、ケニアに拠点を形成しており、すでに赴任者(教授並びに事務員)を配置している。 これらの保健医療専門家が地元保健省やケニアのNGOと連携し、地域保健、母子保健、感染症対策専門家の 協力も得て、人材育成プログラムの展開、保健センターにおける医療サービスの提供、地域を巻き込んだ保健活動の 展開等の事業を行う。また、長崎大学国際連携研究戦略本部がプロジェクト活動運営管理の側面的支援を行う。

Ⅱ.団体の概要

団体名 長崎大学
活動内容 長崎大学は、熱帯医学分野を中心として長年国際連携研究、国際協力活動に 従事してきた。例えば日本のODA無償資金によって1979年に設立されたケニアの中央医学研究所 (KEMRI:Kenya Medical Research Institute)に対して長崎大学は設立以来27年間に渡り、 寄生虫対策、感染症(細菌感染症、ウィルス感染症等)プロジェクトなどに専門家を派遣したり、 国内委員会のメンバーとして専門的助言を行うことを通じて調査研究及び疾病対策などで協力の中心的役割を 担ってきた。途上国の人材育成に対しても1983年から現在まで熱帯医学研究所で総計184人のJICA研修生を 受け入れ養成してきた。国内における熱帯医学分野の人材育成に関しても熱帯医学研究所が1978年から毎年、 3ヶ月研修コースを実施し、総計321人(2006年現在)の卒業生を輩出してきた実績を有する。 また、本学の研究者が個別で国際協力活動に携わってきた分野は熱帯病対策だけはなく、リプロダクティブヘルス、 放射線医療、海洋環境資源保護、環境対策、工学(環境保護)、日本語教育、など多岐にわたる。
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