細胞環境構築学分野

塩野義製薬と長崎大学との提携により2019年4月に発足し、細胞環境構築学分野、分子感染ダイナミックス解析分野、免疫病態制御学分野、創薬探索研究分野の4分野が新設された。本部門では異なった専門分野である4チームが、同じ研究室を共有しながら1つとなって新しい抗マラリア薬とワクチン候補の開発を目指す、世界的にも画期的な研究室群である。
スタッフ
- 教授(有期)
- 徳舛富由樹
- 助教(有期)
- 宮崎真也
- 特任研究員
- 福本隼平
- 特任研究員
- ベン イェディ
アベル チタマ - 特任研究員
- 位寄かのこ
- 特任研究員
- 吉田益奈子
- 協力研究員
- 石井隆太
- 技能補佐員
- 田中萌
- 事務補佐員
- 實藤英子
研究活動
マラリア原虫はヒト赤血球内に進入し、自身の生育環境を作り上げながら増殖する。感染赤血球内では複雑な膜構造が形成され、赤血球膜への原虫タンパク質の輸送と発現が起こる。この赤血球改変に関する研究は、感染細胞が血管内皮細胞へ接着し重症化を起こす熱帯熱マラリアでは特に重要であり、感染細胞の構造・化学的バランスを維持する分子機構を解明することで新しい創薬ターゲットを見つけられる可能性がある。
本分野は、シオノギグローバル感染症連携部門において細胞環境に関わる重要な原虫因子を探索し、新しい抗マラリア薬や重症化阻止剤の開発を目指している。われわれはこれまでの生化学や分子生物学に加え、マラリア研究では弱点であった生物物理学、質量分析計を使ったリピドミクス、脂質代謝関連タンパク質の機能解析、ターゲットタンパク質に対する阻害剤のHigh Throughput Screening(HTS)、高解像度イメージング技術を応用し、高度な解析を行っていく。また他の3分野と密接な連携のもとアイデアの交換、解析情報のシェアリング、共同研究を日常的に行い、各分野のノウハウを応用していく。