マラリア研究室

 

本研究室はマラリアを多角的にとらえ、研究を行うマラリア学研究室である。2011年に発足したばかりの新しい研究室であり、多分野に跨って研究を進めることで、マラリアの深い理解に繋がり、病気撲滅への新しい解決法の開発に導いてくれると考えている。当研究室で行う全ての研究がマラリア感染のコントロールに将来的につながること念頭に研究を進めている。


さらに、若い研究者がマラリアを学ぶことを奨励し、実際に応用可能な科学的な研究に熱意を持てるよう指導している。科学研究は本来面白いものであり、我々と共に研究する学生に最適な研究環境を与え、自由な発想が育めるよう努めている。

我々は現在、マラリア学に関わる全ての分野に関心があり、免疫学、遺伝学、ゲノミックス、進化論、生態学、疫学、分子細胞生物学など多岐に渡る研究プロジェクトに取り組んでいます。


また、日本だけでなく世界中のマラリア研究者との共同研究は我々の研究の中で非常に重要であり、米国、コンゴ共和国、ベトナム、スリランカ、ブラジル、英国、サウジアラビアの研究者と共に研究を行っている。


研究活動

1)研究室

マラリア原虫の生活環は3つ(媒介蚊、宿主赤外期、及び宿主赤内期)のステージに分かれるが、ネズミマラリアを用いてマラリア原虫とマウス間の各ステージにおける相互作用を研究している。

当研究室は、英国をのぞいて最多のネズミマラリア原虫株を保有している。これら多種の原虫株と飼育しているマラリア媒介蚊(Anopheles stephensi)を用いることでマラリア原虫の全生活環が再現できる日本で数少ない研究室である。現在、最新のゲノム技術を応用し、医学上で重要なマラリア原虫の特質(例:薬剤耐性、免疫、増殖因子など)を司る遺伝子の特定に努めている。これらの研究がひいてはワクチンや薬剤候補分子の特定につながると考えられる。

2)フィールド

我々は、コンゴ共和国の都市化が、熱帯熱マラリア原虫の感染ダイナミクスに与える影響を分子疫学と集団遺伝学の双方から研究している。さらにアフリカの三日熱マラリアの有病率やベトナムの二日熱マラリアの生態疫学の研究も行っている。