直線上に配置

研究室紹介

 長崎大学 熱帯医学研究所 エイズ・感染防御分野のホームページへようこそ。このページは,エイズ感染防御分野の研究室のスタッフおよび研究内容について説明しています.当研究室は客員部門です。教授,助教授が客員で,助手のみが専任という特殊な形態をとっています
  当分野はヒト免疫不全症ウイルスやマウス白血病ウイルスといったレトロウイルスの感染機構の解明を目指して基礎研究に取り組んでいる。また,これらのウイルスを利用した遺伝子治療の研究も進めている。下記の研究は,2002年8月よりスタートしたものである。

レトロウイルスの細胞侵入機構の解析
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)は,後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスである。HIVは,標的細胞のCD4およびCXCR4などの一連のケモカインリセプターを認識した後,ウイルスエンベロープと細胞膜の融合によって細胞内に侵入する。 マウス白血病ウイルス(MLV)は,CAT1を認識した後,HIV と同様に,ウイルスエンベロ−プと細胞膜の融合によって細胞内に侵入する。この時,CD4,CXCR4やCAT1の置かれた環境が,これらレトロウイルスの感染に大きく影響することが,十分に考えられる。 そこで,我々は,これら感染受容体の糖鎖修飾の影響,受容体が存在する膜領域における脂質成分の影響に関して解析を進めている。 一方,レトロウイルス感染において,アクチンに依存した受容体の集合が重要であることを示す証拠が示されている。しかし,アクチンと受容体が,直接結合している証拠はない。そこで,受容体とアクチンを繋ぎ止める細胞因子の同定を試みている。

HIVの遺伝子治療への応用
HIV は,ウイルスエンベロープと細胞の膜融合によって細胞内に侵入する。この膜融合は,HIVがコードするエンベロープ蛋白質によって行われる。エンベロープ蛋白質が持つ膜融合活性により,CD4とCXCR4を発現する細胞に導入した場合,その細胞は細胞融合を引き起こし,死滅することが知られている。 最近,CD4非依存性で,CXCR4のみを認識して感染するHIV が見つかった。このHIV は,CXCR4のみを発現する細胞に細胞融合を引き起こし,細胞死を誘導することができる。 CXCR4は,乳癌細胞において発現が上昇する遺伝子としても同定されており,CD4非依存性HIV エンベロープ蛋白質は,乳癌細胞特異的に細胞死を誘導すると考えられる。 そこで,CD4非依存性HIV エンベロープ蛋白質遺伝子の乳癌治療への利用に関する基礎研究を行っている。



トップ アイコン

直線上に配置