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本分野は,熱帯地に蔓延または熱帯地から伝播される細菌感染症とその原因細菌に関する研究,とくに感染成立に関与する種々の病原因子の研究を展開している。 研究活動細菌性下痢症発症のメカニズムについての研究細菌性下痢症において細菌が産生する毒素の役割を理解するために,毒素に対する受容体を同定し,その遺伝子解析を進め,本来の生理的意義を追及している。とくに,毒素原性大腸菌の産生する耐熱性エンテロキシン(STa)及びエロモナスのヘモリシンの受容体の構造と機能を分子生物学的手法で明らかにすることに焦点を当てている。更にサルモネラ菌による炎症反応の解析もすすめている。 ヘリコバクター・ピロリの病原性に関する研究ヘリコバクター・ピロリは消化性潰瘍の起炎菌であり,発展途上国においては20歳前に約80%のヒトが感染している。本菌の病原性について,細胞空胞化致死毒素VacAと病原性遺伝子群(CagPAI)の感染における役割を解析している。 VacAの宿主への初期効果を知る目的で胃上皮細胞膜上の受容体蛋白を精製して,VacA受容体蛋白が受容体型チロシンフォスファターゼRPTPβである事を明らかにした。VacAは酸及びアルカリで処理した後に中和する過程において構造変化を生じて活性化する。この活性化はVacAがRPTPβへの親和性が増すことに起因することが分かった。 ![]() 受容体型プロテインチロシンフォスファターゼへの結合によって引き起こされるヘリコパクター・ピロリが産生するVacA毒素の細胞毒性 |
前白血病細胞HL−60細胞をPMA/TPAで処理するとVacA感受性に変わる。このHL−60細胞のVacA毒素感受性は,PMAなどの試薬によるRPTPβの発現誘導に一致していた。また,VacA毒素非感受性細胞へのRPTPβ遺伝子の導入は,その発現とともにVacA毒素感受性を獲得することも分かった。こうした事実から,RPTPβがH. pylori VacA毒素の宿主受容体として機能していることを証明し,作用の詳細を調べている。 一方,本菌の感染によって宿主の胃の上皮細胞から,抗菌活性ペプチドであるβ−defensin−2が産生されること,この産生がCagPAI依存的にもたらされることを明らかにした。 コレラ菌線毛についての研究コレラ菌線毛がワクチンとして有効であるかを調べる目的で、線毛高発現株の作製を行っている。
教 授 平 山 壽 哉 講 師 一 瀬 休 生 助 手 江 原 雅 彦 助 手 和 田 昭 裕 助 手 一ノ瀬 昭 豊 技術専門職員 岩 見 守 技能補佐員 本 多 香 代 日本学術振 興会特別研究院八 尋 錦之助 COE研究員 木 村 美 幸 大学院生 木 村 貴 弘 ![]() 実験室 |