スタートして11年目を迎えた当分野では、熱帯地域を中心とする開発途上諸国・地域のさまざまな社会環境が、いかに保健・医療や民生福祉の問題に関わるか等について、社会科学および人文科学を含む学際的接近を図る試みを実施している。
 また、開発途上国を対象とした国際協力の手法が、いかに研究所全体における各分野の有機的つながりに寄与し得るかについても種々の取り組みを行っている。とりわけ情報・資料の集積や活用および、それらに対する専門的解析や対応が中心的課題である。
 さらに当分野では、地域保健・医療領域におけるPHCや国際保健の向上に資するさまざまな研究活動が試みられてきた。具体的には以下に掲げるようなテーマのもとに、基礎研究および応用研究が開始されている。



ベトナム・ニャチャンの衛星データとDEMデータとを重ね合わせた鳥瞰図


研究活動領域

1. 熱帯における疾病の出現頻度、範囲、組み合わせなどを規定する社会的背景に開する解析研究

2. 熱帯地域における効果的防除法確立のための人間社会環境による疾病への影響

3. 「人間の安全保障」に関する栄養、経済コスト、教育、環境の視点からの尺度、標準化

4. 地域医療および国際保健事業の実施面からみた感染症対策に関する研究

5. 日本政府ODAにおける医療サービス事業の量的、質的特徴に関する研究

6. 熱帯医学に関する情報集積システムの開発(地域別、疾病別、行政形態別)

7. 危機管理を含む熱帯地域派遣者のための医学研修プログラムの改善に関する調査・検討

8. 熱帯アジアにおける感染症の疫学と行政対応の比較研究(SARSおよび鳥インフルエンザを例として)

9. 衛星データを用いたリモートセンシング、および簡易GIS手法による環境変動と感染症との関係に関する研究