2017年7月7日

第2回iDEWS設置準備委員会の開催
本プロジェクトの成果物となる感染症流行予測システムを、国及び州保健医療機関や災害対策センター、気象局が、円滑に連携して運営できるよう必要な事項を協議するシステム設置準備委員会がポロクワネ市で開催されました。委員会では流行予測モデルの運用や得られた予測結果の妥当性審査・検証、警戒情報に基づいた対策や対応といった一連の流れと分担が確認されたほか、現地保健行政職員を交えて運用の実用性と方針の大枠が検討されました。

  委員会協議の様子
  委員会の様子


2017年7月6日

現地保健行政・医療機関従事者勉強会の実施
現地保健行政機関と本プロジェクトの研究者が講義を行い、現地医療機関従事者と議論する勉強会(iDEWS Health Officials Engagement)をリンポポ州ポロクワネ市で開催しました。本プロジェクトで構築中の感染症流行予測モデルから得られる情報が、現地保健医療機関による感染症流行の予防や対策に有効に活用されるためには、システム開発者側による感染症流行の正確な現状把握と、使用者となる現場職員の間でのシステム原理の理解が欠かせません。72名の参加者からは積極的な質問や議論が提起され、こうした勉強会は今後も頻繁に開催してほしいとの要望が相次いだため、今後も積極的に勉強会の機会を設けたいと考えています。

  講義を行う都築中 専門家   立ち見も出た満席の勉強会の様子
  講義を行う都築中 専門家   立ち見も出た満席の勉強会の様子
  勉強会に参加したリンポポ州保健従事者の皆さん
  勉強会に参加した
リンポポ州保健従事者の皆さん


2017年5月24日〜6月2日

2017年度第1回プロジェクト研究者研修の実施
本プロジェクトで下痢症や肺炎の罹患データと気候データの相関解析を担当する南アフリカ医学研究評議会の研究者1名を研修員として日本に迎え、2週間の統計解析技術研修を行いました。
研修員からは、日本側の統計解析専門家との短期集中的な訓練や実習を通じて、研究活動を進めることができたため予定していた以上の成果が出せたことへの謝意と今後も双方にとって有益な協力関係を続けていきたいとの思いが伝えられました。

  研修初日に打合せを行う池田隆美研究員と研修員   指導を行った海洋研究開発機構横浜研究所の研究員と研修員
  研修初日に打合せを行う
池田隆美研究員と研修員
  指導を行った海洋研究開発機構
横浜研究所の研究員と研修員


2017年4月13日

Dr. Ntsie Kgapholeリンポポ州保健局長との面談の実施
本プロジェクトでは、これまで得られた感染症データと気象データの相関性を反映させた気候予測に基づいた感染症流行予測モデルを開発してきました。今後はモデルの運用と、警戒システムの構築を目指してリンポポ州保健局の協力のもと、モデルやシステムの検証が行われます。これらの活動にはリンポポ州保健局管轄機関や現地医療機関の協力が主体的に取り組む必要があるため、保健局代表者と面談を行い、今後の活動を確認すると共に、必要な措置等の検討を行いました。

  Dr.Ntsie Kgaphole保健局長にプロジェクト進捗を伝えるDr. Neville Sweijd
  Dr.Ntsie Kgaphole保健局長にプロジェクト進捗を伝えるDr. Neville Sweijd


2017年4月10日

SADCマラリアプログラムマネージャー会議でのプロジェクト紹介

  発表を行うプロジェクト代表者のDr. Neville Sweijd   発表を行うプロジェクト代表者のDr. Neville Sweijd
  発表を行うプロジェクト代表者のDr. Neville Sweijd
南部アフリカ14カ国からなる南部アフリカ開発共同体(SADC)では、加盟国間での経済統合や安全保障が進められているほか、感染症予防に対しても積極的に情報共有が行われています。特に、国境を越えて対策が必要なマラリアに対しては、共同対策を模索するなど、協力関係が強化されています。本プロジェクトで構築する感染症流行予測モデルは、気候予測をもとにしているため、一国のみならず広域での応用が可能な点が着目され、4月10日に南ア国プレトリアで開催されたマラリアプログラムマネージャー会議で各国代表担当者に対し、本プロジェクトを紹介するプレゼンテーションを行いました。


2016年5月20日

本プロジェクトの南アフリカ共和国側研究代表の気候地球システム科学応用センター(ACCESS)のNeville SweijdがBeryl Sisulu駐日南アフリカ共和国大使を表敬訪問しました。
Neville Sweijd代表からは、本プロジェクトの概要や進捗、今後の計画などの説明に加え、日本側研究者の支援を受け、南アフリカ共和国内外での研修を通じた活発的な人材育成が行われていることも伝えられました。Beryl Sisulu大使からは、このプロジェクトを通じて日本と南アフリカとの科学技術協力が今後も更に活発化され、南部アフリカへとより広い地域での貢献につながることを期待すると、励ましの言葉もありました。

  面会の様子   集合写真
  面会の様子   集合写真


2016年5月15日〜22日

本プロジェクト南アフリカ側参画者のDr. Neville Sweijd (気候地球システム科学応用センター)、Dr. Nhlanhla Nhlabatsi、 Dr. Joel Botai (2名共に南アフリカ気象局) の3名が、海洋研究開発機構 横浜研究所 (JAMSTEC) を訪問しました。
訪問者3名はJAMSTECの共同研究者と気象データの取扱に関する取り決めや共同研究の方針を再度確認し、5月19日開催の同研究所セミナーで、現在の研究の発表を行いました。訪問団は5月20日に、本プロジェクトを(独)国際協力機構(JICA)と共同実施している日本医療研究開発機構(AMED)を訪問しました。野田正彦国際事業部長ほか事業担当者との面談では、Dr. Sweijd氏からプロジェクトの進捗を共有されたほか、現場の視点からの意見や要望が伝えられました。

  進捗を共有するプロジェクト研究者   プロジェクト進捗報告のため日本医療研究開発機構を訪問
  進捗を共有するプロジェクト研究者   プロジェクト進捗報告のため
日本医療研究開発機構を訪問
  本プロジェクトでも使用されている地球シミュレーターの視察   調査艇しんかい6500の説明を受ける訪問団
  本プロジェクトでも使用されている
地球シミュレーターの視察
  調査艇しんかい6500の説明を受ける訪問団


2016年4月24日〜27日

研究分野を越えたプログラムの指導
長崎大学と海洋研究開発機構の研究者がTzaneen Malaria Instituteを訪問し、現地共同研究者への指導を行いました。
このプロジェクトでは、日本と南アフリカ双方の研究者が協力して“気候予測モデルをもとにした感染症流行の早期警戒システム”を構築しますが、プロジェクト終了後にはシステムの大部分が南アフリカ側のスタッフにより円滑に運営される必要があります。そのため、現地のスタッフの人材育成を急がれる一方、感染症や気象、数学的モデリングといった異なった分野間での協働ができるよう、指導にも工夫が施されています。例えば、感染症研究者と気象分野研究者の両方に必要な手法や技術の指導には、敢えて研修者とは異なった分野の研究者が指導することで、より広い視野を持たせると同時に実践的なものにしています。

  リスクマップを作成するためのデータ管理について指導する
海洋研究開発機構の池田隆美研究員
  リスクマップを作成するためのデータ管理について指導する
海洋研究開発機構の池田隆美研究員


2016年4月22日

第2回プロジェクト運営会議の開催
日本側南アフリカ側プロジェクト参画者が集まり、前年度の活動進捗を確認し、今年度の研究活動計画や運営を協議するプロジェクト運営会議が開催されました。間もなくプロジェクト開始から2年を迎えることから、どのように研究から得られた成果物を効率的に統合し、効果的なシステムを作ることができるか、また実際にリンポポ県に設置するための準備委員会での協議事項や運営のための研修など、幅広く議論が行われ、併せて今年度の活動計画が確認されました。

  プロジェクト運営を協議する参画機関代表者たち   南ア国科学技術省にプロジェクトの進捗を報告する皆川昇代表
  協議する参画機関代表者たち   南ア国科学技術省にプロジェクトの進捗を
報告する皆川昇代表


2016年4月21日

長崎大学と海洋研究開発機構の本プロジェクト代表者が南アフリカ気象局(SAWS)のDr. Linda Makuleni代表を表敬訪問しました。
南アフリカ気象局から提供される気象データは、感染症データとの相関性の解析やモデルの構築に使われています。Dr. Linda Makuleni代表からはこのプロジェクトを通じて、研究成果を出すのみではなく、人材育成や研究者交流での積極的な協力が求められました。
また、同日は参画研究者による研究打合せも行われ、今後の研究の展望や必要な活動が議論されました。

  Dr. Linda Makuleni代表とプロジェクト参画研究者
  "Dr. Linda Makuleni代表とプロジェクト参画研究者


2016年2月19日

マラリア媒介蚊の採集活動
このプロジェクトのリンポポ県内調査地区では、マラリア媒介蚊発生数と気象との関係を明らかにするため、調査地区に機材を設置して媒介蚊を採集しています。
媒介蚊の採集はこのプロジェクト終了後も続けられるよう、現地カウンタパートと共に野外調査員の訓練やノウハウの伝達にも工夫を重ねています。 機材の取り扱い等、始めはぎこちなかった現地スタッフですが、今では手慣れた手つきで採集、媒介蚊容器の交換、機材のメンテナンスができるようになりました。

  マラリア媒介蚊を採集するため村の家々に機材を設置する地元スタッフ   プロジェクトを理解してもらうことで協力も得やすくなる
  マラリア媒介蚊を採集するため村の家々に
機材を設置する地元スタッフ
  プロジェクトを理解してもらうことで
協力も得やすくなる


2015年11月23日〜12月11日

プロジェクト研究者研修の実施
長崎大学熱帯医学研究所及び海洋研究開発機構横浜研究所は、本プロジェクトにおける南アフリカ共和国側の共同研究参画機関(医療研究評議会、リンポポ大学、ヴェンダ大学)から計3名の研究者を研修員として日本に迎え、11月下旬から12月中旬にかけて3週間の技術研修を行いました。
研修員からは、「技術習得のみならず、国外の機関と共同研究を行う際に必要な知識や規定を学ぶことができたほか、滞在を通じて日本の文化や風習も知ることできた。今後は研修で得られた知識や技術、経験を所属機関での発表等を通じて広く共有することで、本プロジェクトの持続性を強化していきたい」と話し、充実した研修を提供した受入機関に謝意を示していました。

  熱帯医学研究所の森田所長表敬訪問した研修員   海洋研究開発機構で池田隆美研究員の講義を
受ける研修員
  熱帯医学研究所の森田所長表敬訪問した研修員   海洋研究開発機構で池田隆美研究員の
講義を 受ける研修員


2015年10月14日〜16日

本プロジェクトの南部アフリカでの人材育成活動の一環とした「iDEWS Project Lecture Series」が平成27年10月14日から16日にかけて南アフリカ共和国のリンポポ大学で開催されました。
本講義会では、リンポポ大学及びヴェンダ大学で気象学、統計解析学、マラリアを中心とした医療といった分野で学んでいる修士課程学生(Honors課程含む)を対象に本プロジェクト研究者が講義を行ったほか、研究分野を超えて問題解決に取り組むグループワークが行われました。参加した学生からは、日本人研究者による講義や他大学で異分野を学ぶ学生との交流が新鮮で、今後もこうした講義会を頻繁に開催してほしいといった声が寄せられました。

  レクチャーシリーズに参加した40名の学生   講義を行うリンポポ県保健局マラリアセンターのPhillip Kruger氏
  レクチャーシリーズに参加した
40名の学生
  講義を行うリンポポ県保健局
マラリアセンターのPhillip Kruger氏
  研究分野の異なる学生のグループワークで指導する池田元美氏
  研究分野の異なる学生のグループワークで指導する池田元美氏


2015年10月12日〜13日

iDEWSシンポジウム及び合同調整委員会を開催しました
本プロジェクトの研究成果を参画研究者間や関連研究分野の研究者と共有するため、iDEWSシンポジウムが平成27年10月12日に南アフリカ共和国科学技術省講堂で開催されました。異なった研究領域から50名程の研究者が参加した。
このシンポジウムでは、最新の研究成果の共有されたほか、研究者間で活発に議論が展開されました。
また、翌10月13日には、本プロジェクトの第2回合同調整員会が南アフリカ共和国科学技術省で開催され、プロジェクト開始からの活動進捗報告や今後の計画についての議論や確認が行われました。

  シンポジウム開催挨拶をするLisa Du Toit氏   合同調整委員会出席者
  シンポジウム開催挨拶をするLisa Du Toit氏   合同調整委員会出席者


2015年9月10日〜11日

本プロジェクトでリンポポ県内のマラリア発生状況を把握し、地理情報システムで地図可視化し流行発生予測に応用するため、リンポポ県マラリアコントロールセンターにマッピング地理情報システム(Mapping GIS )が導入され、9月10日から2日間に渡り、計測機材の使用方法や、実際に得られたデータを用いてシステムで可視化するための訓練が行われました。今後は、得られたデータをプログラム処理することで、これまで要していた手入力作業を大幅に省くことができ、効率的に地理情報の可視化を行うことができるようになります。

  情報システムの機材使用方法を確認するマラリアコントロールセンター職員
  "情報システムの機材使用方法を確認するマラリアコントロールセンター職員


2015年8月25日

自動気象観測装置の点検作業を行いました。
本プロジェクトで重要な役割を果たす気象データは自動気象観測装置で記録され、研究者が定期的にデータを回収し、解析に必要な基準に従って一括的に管理されることで、多くのデータを一定の質に保つことができます。自動気象観測装置は、通常のデータ回収の際の点検に加え、共同研究者を招いて定期的に点検を行うことで、得られるデータや使用するデータに不備がないかの確認を行っています。

  設置された自動気象装置の点検を行う研究者
  "設置された自動気象装置の点検を行う研究者


2015年5月29日

iDEWSプロジェクト運営会議を開催いたしました。
本プロジェクトの日本側及び南アフリカ側研究参画者が集まり、研究進捗の確認と運営における課題を話し合うプロジェクト運営委員会が開催されました。本プロジェクトで主に扱われるマラリア、肺炎、下痢症といった感染症の調査地選定の確認や研究活動実施に伴う課題や運営体制の整備などを主に議論がなされ、併せて今年度の活動計画が確認されました。

  平成27年5月29日iDEWSプロジェクト運営会議


2015年1月27日

平和と健康を考えるSATREPSシンポジウムを開催いたしました。
本シンポジウム は、共同研究の進捗及び計画確認のために集まった南アフリカ共和国側研究者に加え、学内外から特別講演者を招いて、長崎大学熱帯医学総合研究棟で開催されました。
午前の部ではペコ モハウ氏(駐日南アフリカ共和国大使)、深瀬公一郎氏(長崎歴史文化博物館主任研究員)、広瀬訓氏(長崎大学核兵器廃絶研究センター教授)の3名が政治・文化・歴史をテーマに特別講演を行い、午後の課題別研究発表では、本プロジェクトの研究活動での進捗の報告を兼ねた研究発表がなされ、プロジェクト参画者に長崎大学の研究者を交えて質疑応答や議論が展開されていました。
詳細はこちら→シンポジウム

  平成27年1月27日シンポ


2014年12月9日

科学技術協力10周年を記念した小冊子「南ア・日本科学技術協力紹介」が発行され、併せて南アフリカ共和国科学技術省主催の記念式典が開催されました。
式典には在南アフリカ大使館藤原公使やPhil Mjwara南アフリカ科学技術省長官から、両国による科学技術協力の意義やこれまでの成果、将来への期待などについてご挨拶をいただきました。また、両国諸機関の関係者の間では、現在の事業や今後の協力体制の強化などについて積極的な意見交換がおこなわれました。

  平成26年12月9日式典
  Phil Mjwara科学技術省長官と藤原公使


2014年11月26日

南アフリカ共和国で開催された South African Malaria Elimination Committee (SAMEC) Meeting に皆川昇教授や都築中専門家、南ア国側共同研究者らが参加しました。
南部アフリカ諸国が抱えるマラリア感染症の現状や問題について話し合われ、マラリア流行予防のため、今後も両機関で情報を共有していくことが重要であるとの認識で一致しました。

  SAMEC Meeting
  SAMEC Meetingの様子


2014年11月23日〜25日

南アフリカ共和国で開催された Global Research Council (GRC) Africa Summit に橋爪真弘教授が招聘研究者として参加しました。
アフリカ諸国における日本の感染症対策研究に関する貢献として本プロジェクト (SATREPS)の活動を紹介しました。
→詳しくはこちら(別サイトが開きます)

   
       


2014年10月22日

長崎大学熱帯医学研究所 病害動物学分野所属の都築 中(あたる)専門家が現地に着任しました。
都築専門家は、本プロジェクトの共同研究機関である南アフリカ共和国リンポポ州保健局のマラリアコントロールセンターで、マラリア感染症のデータの収集や解析に取り組みます。

  リンポポ州保健局マラリアコントロールセンター   都築専門家
  マラリアコントロールセンター   都築専門家 気象測定装置の組み立て


2014年8月6日

本プロジェクトの第1回Joint Coordinating Committeeが開催されました。8月5日に行われたKickoff Symposiumで話し合われた内容をふまえ、各研究グループ代表による活動計画の打ち合わせとプロジェクト代表部による合意署名がおこなわれました。

  Joint Coordinating Committee
  議事録に署名する各代表者


2014年8月5日

本プロジェクトの開始にあたり、日本・南ア両国の研究者が参加し iDEWS Kickoff symposium が開催されました。
Dr. Phil Mjwara南ア国科学技術省長官、Frew Benson保健省伝染病管理部門長から本プロジェクトの意義と重要性を踏まえた今後の期待などについてご挨拶をいただきました。
外部の参加者も交えておよそ70名が参加し、感染症及び気象分野の専門家同士による第一線の議論が交わされたほか、本プロジェクトのシステムを応用したコミュニケーション分野での発表や現地大学生との意見交換などもおこなわれ、学術領域や年代を越えた、本プロジェクトの開始にふさわしいシンポジウムとなりました。

  iDEWS Kickoff symposium
  シンポジウム参加者


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