ご挨拶・教室員紹介
森本 浩之輔
長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野は、2020年11月に開設されました。
私たち人類がCOVID-19で目の当たりにしたように、呼吸器感染症の制御はとても難しく、臨床的にも公衆衛生的にも解決しなければならない課題がたくさんあります。呼吸器ワクチン疫学分野では、特に肺炎や呼吸器ウイルス感染症を対象として、臨床疫学的なアプローチにより効果的な公衆衛生対策を提言していきたいと考えています。
私は、2008年から、鈴木基先生(現:国立感染症研究所感染症疫学センター)や有吉紅也先生(長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症学分野)とともに、高知県の近森病院において市中肺炎の疫学研究を始めました。さらに規模を拡大し、2011年に北海道、高知県、千葉県、長崎県の合計4病院で市中発症肺炎(市中肺炎と医療介護関連肺炎をあわせた概念)の疫学研究(APSG-J研究)を立ち上げ、多くの人の協力もあってたくさんの成果をあげることができました。
これらの研究を礎として、成人の肺炎球菌性肺炎をはじめとする呼吸器感染症の疫学研究をより発展させるため、これを専門とした教室を立ち上げることとなりました。
私は研究者として、長らく、肺胞マクロファージの細胞生物学を専門としてきました。しかし、一連の呼吸器感染症の疫学研究を通して超高齢社会における肺炎の疾病負荷とワクチンによる制御の重要性を痛感し、この研究分野で社会に貢献したいと思うようになりました。
長崎大学は、熱帯医学研究所に限らず感染症研究が盛んで、大きな成果が次々と発表されています。私たちもそれに負けないように、世界に発信できる質の高い研究を目指していきたいと思います。
1993年 | 長崎大学 医学部卒 |
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2006年 | 長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症学分野 准教授 |
2020年 | 長崎大学熱帯医学研究所呼吸器ワクチン疫学分野 教授 |
2018年 | 虹が丘病院 感染症内科・呼吸器内科 |
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所属学会 | 日本内科学会 / 日本感染症学会 / 日本呼吸器学会 / |
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研究分野 | 臨床感染症学 / 感染症疫学 / 細胞生物学 |
2011 | MTM |
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2014 | PhD |
2015 | DTM&H |
2018 | Assistant Professor |
Royal College of Paediatrics and Child Health, UK; Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene, UK; Japanese Society of Tropical Medicine, Japan; Japanese Association for Infectious Diseases, Japan
Clinical epidemiology: Pneumococcal diseases, Pneumonia, and Childhood diseases Laboratory medicine: Development and validation of diagnositic assays
2010年 | 大阪大学医学部医学科卒 |
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2012年 | 洛和会丸太町病院救急総合診療科 / 洛和会音羽病院 |
2015年 | 名古屋掖済会病院 救急科 |
2020年 | 長崎大学熱帯医学研究所呼吸器ワクチン疫学分野 |
2021年 | 聖路加国際大学 公衆衛生学修士課程修了 |
長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 入学 |
日本内科学会 / 日本感染症学会 / 日本救急医学会 / 日本臨床疫学会
感染症疫学