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さてこの会の印象ですが、とにかく討議が熱心かつ率直であるということにつきます。とかく一般の学会では「聞いてはいけない質問」という自主規制が暗黙のうちに存在するものですが、ここではそんなものはありません。「僕にはその仕事、ちっとも面白いと思わないんだけど、どこが面白いんですか?」なんて質問が飛び交います。お互いが真摯(かつ紳士)に言葉を尽くして自分のやりたいことを説明し、また聞くほうも真剣に発表の意義を理解しようとする熱い空間でした。これだけ書くとなんだか殺伐としたオッカナイ会のように誤解されそうなので付け加えておくと、質問内容に容赦ありませんが会場の雰囲気はとてもat home でしたのでご心配なく。鋭い質問でへこまされるというよりは、当事者は近視眼的になって思いもつかなかったところを「岡目八目」の聴衆の先生方、学生さんが指摘してくれるといったところでしょうか。
私たちの研究室からは私(34歳)と学生(D2)の2人で参加し今後の研究計画を中心にお話させていただきました。どちらの発表に対しても研究の意義や実験計画の妥当性といった根本的なところでいくつか質問を頂いたわけですが、それに対して返答することが私にはたいへん楽しかったです。「なぜ自分は(他のテーマではなく)このテーマに取り組むのか?」「なぜ、そのような手法をとるのか?」といった点については研究に着手する段階で必死に考えるわけです。その必死になって考えたときの思いを述べる機会を頂けるわけですから楽しくないはずがありません。またその返答に対するコメント、ご指摘からは「あれだけ必死に考えて思いつかないことを、10分の討議時間でこれだけ指摘してもらえた!」というお買得感を得られます。もっとも、自分の至らなさを痛感する場面でもあるのですが…。さらに、お酒も入る夜の部で話の続きをできるのもありがたかったです。大学院生のころ、教授やラボのメンバーと激論を交わしつつ研究をすすめていた頃を懐かしく思い出しました。30代も半ばのいいおっさん(自分では若いつもりですが)になってくると、なかなかこういったお互いに遠慮の無い議論をする機会が持ちにくくなるように思います。学生さんにもいい経験ですが、年に一度自分の研究を振り返りリフレッシュする機会として、私のような若手研究者こそ参加すべきなのかもしれません。さて学生さんと言えば、一緒に参加した大学院生がこの会から戻った後で「なんだか自分の研究に自信が出てきた」と申しておりました。必ずしもポジティブな評価だけを頂いたわけでも無いのに不思議なことを言うものだと思って聞いてみると「あれだけ質問なり批評なりしていただけると言うことは『どうでもいい研究課題』ではないということでしょう。」とのことでした。楽天家の彼らしい発想だと感心するやらあきれるやらですが、この会に参加することで学問全体における自分の研究課題の位置づけを実感できたということなのかもしれません。質問攻めにされるのを怖がって参加をためらっておられる学生さん、参加したものの鋭い突っ込みに凹んでしまったという学生さんがもしいらっしゃいましたら、こんなお気楽な姿勢の学生もいることを知っていただきたく紹介いたしました。
最後になりましたが、一緒に議論してくださった先生方や学生さん、また快適な勉強会を準備・運営くださった世話人の先生方に感謝申し上げます。来年もぜひ参加させてください! |