メンバー
橋爪 真弘
Masahiro Hashizume , MD, PhD
キーワード：疫学、気候変動、環境、国際保健
研究テーマ
１．バングラデシュ・下痢症と気候変動
気候変動による将来の健康影響を予測することは国際社会の喫緊の課題です。バングラデシュは世界中で最も気候変動による影響が大きいと予想されている国のひとつです。
そのバングラデシュで、統計データを用いて気温や降雨量、洪水と下痢症の関連を明らかにし、世界保健機関や気候変動に関する政府間パネル（IPCC）などがおこなう気候変動による健康影響予測の土台となる基礎データを提供することを目的としています。
２．ケニア・高地マラリアと気候変動
東アフリカ高地では、1980年代からマラリアの流行が頻繁にみられています。気候変動の影響や土地利用の変化、マラリア対策の鈍化、薬剤耐性、人口増加と移動などが原因ではないかと議論されていますが、詳しいことはわかっていません。
本研究では、過去の時系列データを用いて、気象や海洋現象と東アフリカ高地のマラリア患者数がどのように関わっているのかを明らかにすることを目的としています。
３.東アジアにおける越境大気汚染の健康影響
近年の東アジア地域における急速な経済発展により、発生源近傍の大気汚染に加えて、周辺国への広域越境大気汚染の深刻化が懸念されています。排出された大量の大気汚染物質は気候変動にも影響を与えるなど、越境大気汚染は地球規模の環境問題ともいえます。本研究では、大気環境学の専門家らと共同で日本に飛来する黄砂や微小粒子、その他の大気汚染物質のヒトへの健康影響を死亡・疾病統計を用いて疫学的に明らかにし、適切な対応策を提言することを目的としています。
略歴
1996年―1999年
2001年
2003年
2007年
2006年―
|
日本医科大学 小児科学
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修士課程 修了
ロンドン大学公衆衛生熱帯医学大学院修士課程（環境疫学） 修了
ロンドン大学公衆衛生熱帯医学大学院博士課程 修了
長崎大学熱帯医学研究所 国際保健学分野
|
主要業績
橋爪真弘, 上田佳代, 西脇祐司, 道川武紘, 小野塚大介. 黄砂の健康影響― 疫学文献レビュー.
日本衛生学雑誌. (in press).
Hashizume M, Terao T, Minakawa N. Indian Ocean Dipole and malaria risk in the highlands of western Kenya. Proc Natl Acad Sci U S A. 2009;106:1857-62. [Abstract]
Hashizume M, Wagatsuma Y, Hayashi T, Saha SK, Streatfield K, Yunus M. The effect of temperature on mortality in rural Bangladesh: a population based time-series study. International Journal of Epidemiology. 2009;38(6):1689-1697. [Abstract]
Hashizume M, Armstrong B, Wagatsuma Y, Faruque ASG, Hayashi T, Sack DA. Rotavirus infections and climate variability in Dhaka, Bangladesh: a time-series analysis. Epidemiology and Infection 2008;136:1281-9. [Abstract]
Hashizume M, Wagatsuma Y, Faruque ASG, Hayashi T, Paul R. Hunter, Armstrong B, Sack DA. Factors determining vulnerability to diarrhoea during and after severe floods in Bangladesh. Journal of Water and Health 2008;6:323-32. [Abstract]
Hashizume M, Armstrong B, Hajat S, Wagatsuma Y, Faruque ASG, Hayashi T, Sack DA. The effect of rainfall on the incidence of cholera in Bangladesh. Epidemiology 2008;19:103-10. [Abstract]
Hashizume M, Armstrong B, Hajat S, Wagatsuma Y, Faruque ASG, Hayashi T, Sack DA. Association between climate variability and hospital visits for non-cholera diarrhoea in Bangladesh: effects and vulnerable groups. International Journal of Epidemiology 2007;36:1030-7. [Abstract] [Full text]
Hashizume M, Kondo H, Murakami T, Kodama M, Nakahara S, Lucas M, Wakai S. Use of rapid diagnostic tests for malaria in an emergency situation after the flood disaster in Mozambique. Public Health 2006;120:444-7. [Abstract]
Hashizume M, Chiba M, Shinohara A, Iwabuchi S, Sasaki S, Shimoda T, Kunii O, Caypil W, Dauletbaev D, Alnazarova A. Anaemia, iron deficiency and vitamin A status among school-aged children in rural Kazakhstan. Public Health Nutrition 2005;8:564-71. [Abstract]
受賞
2003年
2003年
2005年
2007年
|
国際開発高等教育機構 高等教育学位プログラム
国際連合大学Akino Memorial Research Fellowship
グラクソ・スミスクライン国際奨学基金
生存科学研究武見奨励賞
|
社会における活動
1999年10月―11月
2000年 3月
2001年 6月
2001年 7月
2001年11月
2007年12月
|
国際協力事業団 ラオス人民民主共和国小児科感染症予防プロジェクト 短期専門家
国際協力事業団 国際緊急援助隊 モザンビーク国洪水災害救済医療チーム 医師
国際協力事業団 ラオス人民民主共和国小児感染症予防プロジェクト 短期専門家
国際厚生事業団 カンボジア王国ヘルスマスタープラン策定
国際協力事業団 国際緊急援助隊 モザンビーク国洪水災害救済活動評価事業
特定非営利活動法人 災害人道医療支援会(HuMA) バングラデシュ人民共和国サイクロン「シドル」健康被害調査
|
|
