English

病害動物学分野

病害動物学分野本分野では,病害動物の基礎的な研究と環境の分析から媒介性疾患の発生要因と防除法を多角的に研究する。特にマラリアおよびデング熱媒介蚊を対象に分子生物から生態まで幅広くカバーしており,室内実験と共に野外調査を重視し,調査地も東南アジアやアフリカなどに数カ所設けている。防除の研究においては環境と調和的な戦略の確立をめざす。

スタッフ

  • 教授 皆川昇
  • 准教授 川田均
  • 助教 比嘉由紀子
  • 助教 砂原俊彦
  • 助教(有期) 角田隆
  • 助教(有期) 二見恭子
  • 助教(有期) 都築中
  • 助教(有期) 胡錦萍
  • 研究支援推進員 鶴川千秋
  • 技能補佐員 佐野直美
  • 技術職員(有期) フリッツ郁美
  • 事務補佐員 酒本淳子
  • 大学院生 山田晃嗣
  • 大学院生 住田雄亮
  • 大学院生 フィン ティー トゥィー チャン
  • 大学院生 今西望
  • 大学院生 オウオア ガブリエル オウイノ
  • 大学院生 サイ ゾウ ミン ウー

病害動物学分野のホームページへ»

研究活動

デング熱媒介蚊

デング熱媒介蚊の地球規模での分布域拡大に伴いデング熱が拡がりつつある。重要な媒介蚊であるネッタイシマカは,特に都市に適応しており,東南アジアで流行を引き起こしている。一方,ネッタイシマカの起源と考えられているアフリカ大陸では,形態的に違いがある2亜種が知られている。現在,我々は,一方が大陸固有の亜種で,もう一方が他の大陸から再移入されたより感染能力が高いより都市に適応した集団であるという仮説を検証している。調査地は,東および南東アフリカ地域で,2亜種の分布を明らかにするとともに,遺伝的構造をアジア集団と比較しながら分析している。
また,もう一つの重要なデング熱媒介蚊であるヒトスジシマカは,チクングニア熱の重要な媒介蚊であり,アジアに広く分布しているが,近年,アフリカ大陸への侵入が懸念されている。よって,我々は,南東アフリカでのヒトスジシマカの探索を開始した。
アジア地域のデング熱は,主に上記2種によって媒介されるが,感染能力と環境への適応力に違いがあるために,2種の分布と種構成を知ることは重要である。また,同じ種でも地域集団間において感染能力が違う可能性もあるため,我々は,東南アジア諸国でこれらを明らかにするとともに,重要な環境要因を明らかにし,将来の気候など環境変化による分布変化の予測を目指している。
さらに,殺虫剤抵抗性の広がりも懸念されており,アジア・アフリカ各地の集団の抵抗性能力のモニターリングも行なっている。

マラリア媒介蚊

アフリカのマラリア媒介蚊は,ガンビエ種群およびフネスタスグループに属する種であるが,対策をより有効にするために,分子生物学からのアプローチを含めたより精細な生態の解明を目指している。特に東アフリアにおいて,ガンビエ種群の地理的分布を掌握中で,大地溝帯と気候がどのように蚊の分布と進化に影響を与えているかを明らかにしつつある。また,長崎大学ケニア拠点のあるビクトリア湖沿岸地域において,マラリア媒介蚊の動態を長期にわたってモニターリングしており,気候変動との関係を明らかにするとともに,将来のマラリア流行予測につなげることを目指している。

防除法と対策

WHOや世界銀行主導により感染症対策としてアフリカで殺虫剤付きの蚊帳が普及しつつある。配布された蚊帳が正しく使われているか,蚊帳の耐久性はどのくらいあるか,蚊帳の普及により蚊の行動,種構成と殺虫剤抵抗性に変化はないかなど,西ケニアとマラウイで調査中である。さらに,マラウイとケニアでは,家の軒の隙間と天井に網を張るなど,新しい防除法の試験を行っている。

研究分野トップへ戻る»