国際保健学分野
国際保健学分野(Department of InternationalHealth)は,2008年4月の熱研改組により新たに発足した研究分野。前身を熱帯感染症研究センターに持つ。熱帯研究センターの歴史は,1974年に設置された熱帯医学資料室に遡る。熱帯医学資料室は,その後,熱帯病資料情報センターへの改組を経て,熱帯感染症研究センターとなった。
熱帯感染症研究センターは,「博物館・資料館」 としての機能,情報センターとしての機能,研究センターとしての機能を果たすことを役割としていた。国際保健学分野は,そのなかから,研究機能を引き継ぐと同時に,社会貢献を行っていくことを分野の任務として定めることとした。博物館・資料館・情報センターとしての役割は研究所附属の施設として引き継がれる。
新設された国際保健学分野では,研究と社会貢献を二つの柱として掲げる。
スタッフ
- 教授 山本太郎
- 准教授 奥村順子
- 助教 和田崇之
- COE技術員 江崎拓也
- 事務補佐員 林暁子
- 事務補佐員 新井聡子
- 大学院生 大木美香
- 大学院生 Manirul Islam
- 大学院生 猪飼桂
- 大学院生 Vu Hai Ha
- 大学院生 水本憲治
- 大学院生 高橋宗康
研究活動
研究としては,1)「生態系と感染症」の関係を研究するユニット,2)「環境や気候変動と感染症」の関係を研究するユニット,3)「時間軸のなかでの感染症」を再構築し研究するユニットに大きく分かれる。そうした研究ユニットを貫く共通概念を,「空間軸」と「時間軸」に置く。空間的広がりと時間的広がりのなかで,感染症流行の様相を比較し,その多様性を理解する。あるいは,そうした広がりのなかにおける,微生物の遺伝的多様性を,適応・進化といった側面から理解することを目指す研究である。
感染症は,生物(微生物)と生物(宿主)の相互作用がもたらす生物学的現象の一つである。相互作用は宿主としてのヒトの文化や社会制度を含む社会構造にも大きく影響される。そうした相互作用をひとつずつ紐解いていくような研究と言い換えることができるかもしれない。
もうひとつの柱である社会貢献は,分野の特性から国際貢献を行うことを目指す。企業に 「企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)」という言葉があるように,大学にも社会的責任がある。当分野における社会的責任の一つが,国際貢献であると考える。
国際貢献としては,以下の3つのことを行う。第一に政策提言,第二に現場における開発協力,第三に緊急援助等。こうした取り組みを通して国際社会への貢献を行う。
政策提言は,「アフリカ開発会議」や「G8サミット」プロセスを通して行うと同時に,外務省,厚生労働省等の委員会への参加,日本医師会等への助言を通して行う。
現場での開発協力としては,エイズ対策,マラリア対策を含む感染症対策,地域のエンパワーメントを行う。また,そうした活動を行う母体となる。
地震や津波,洪水といった自然災害等に対する緊急援助,難民支援,新型インフルエンザ等の新出現ウイルス等の対策にも積極的に取り組む。そうした取り組みを通し,世界の人々の健康に貢献できるとすれば,それ以上の喜びはない。それが当分野の最大の目的である。



