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エイズ・感染防御学分野

エイズ・感染防御学分野本分野は,客員部門として昭和53年に新設され,教授,准教授は兼任で助教以下が固定という特殊な形態をとっている。
当分野はヒト免疫不全症ウイルスや,最近ヒト前立腺癌患者および慢性疲労症候群患者において見つかったマウス白血病ウイルスといったレトロウイルスの感染機構の解明を目指して基礎研究,疫学研究に取り組んでいる。

スタッフ

  • 客員教授 山本直樹
  • 客員准教授 佐藤裕徳

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研究活動

レトロウイルスの細胞侵入機構の解析

ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)は,後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスである。HIVは,標的細胞のCD4およびCXCR4などの一連のケモカインリセプターを認識した後,ウイルスエンベロープと細胞膜の融合によって細胞内に侵入する。マウス白血病ウイルス(MLV)には,認識する感染受容体の異なる4種類(ecotropic,amphotropic,polytropic,xenotropic)が存在する。マウス白血病ウイルスも,感染受容体を認識した後,ウイルスエンベロープと細胞膜の融合によって細胞内に侵入する。この時,感染受容体の置かれた環境が,レトロウイルスの感染に大きく影響すると考えられる。我々は,今までに,感染受容体の糖鎖修飾がレトロウイルス感染を抑制すること,コレステロールや糖脂質が豊富な領域に感染受容体が存在することが,レトロウイルス感染に重要であることを報告した。
一方,レトロウイルス感染においては,アクチンに依存した感染受容体の集合が重要であることが明らかである。しかし,アクチンと感染受容体が,直接結合している証拠はなく,感染受容体とアクチンを繋ぎ止める細胞因子の存在が考えられていた。我々は,エズリン,ラジキシン,モエシンが,感染受容体とアクチンをつなぎ合わせるリンカー蛋白質として機能する可能性を示した。

マウス白血病ウイルスの研究

最近,ヒト前立腺癌患者および慢性疲労症候群患者において,マウス白血病ウイルス感染が見つかった。マウス白血病ウイルスが,新しい人畜共通感染症である可能性を示している。我々は,マウス白血病ウイルス感染から防御するために,宿主マウスの感染受容体遺伝子が,どのように進化してきたかを明らかにした。また,マウス白血病ウイルスが,酸性エンドソームを経由して感染すること,感染に宿主のカテプシン蛋白質分解酵素を必要とすることをあきらかにした。

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