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熱帯医学研究拠点

本研究所は,国内唯一の熱帯医学研究を目的とする文部科学省所管の公的機関で,平成21年6月に文部科学大臣から共同利用・共同研究拠点「熱帯医学研究拠点」として認定された。

1.拠点の目的

  感染症はヒトが自然界の中で生きていく上で避けられない他の生物との共生関係の破綻に起因している。感染症の撲滅が拠点の究極の目的であるが、そのために必要なのは他の生物の排除ではなく、他の生物との破綻のない相互関係の樹立である。このような相互関係の樹立には幅広い学問領域の統合による学際的な研究組織による知の集積が必須となる。
  熱帯地域にはその特殊な環境や社会経済状況を反映してマラリアなどの熱帯感染症が蔓延しており、保健衛生上大きな問題となっている。また新興・再興感染症と呼ばれる新出現ウイルス病や、HIV、結核なども熱帯地域が中心となって地球規模で拡大しているのが現実である。熱帯地域は人類が感染症と闘う戦場であると同時に、その感染症制御のための新たな知識を集積し新技術を創造するための巨大な実験場となっている。
  熱帯医学研究拠点では、これまでの国際的な活動実績とアジア・アフリカ感染症研究施設などの研究基盤を背景として、国内の多様な領域の研究者とともに、感染症の流行する現場に根ざした共同研究を企画し遂行する。さらに地球規模で流行する感染症に関する研究に資する情報やサンプルのリソースセンターとして、研究会の開催や研究支援サービスを行う。上記の活動により、感染症制御に資する知と技を創造する研究者コミュニティの維持活性化を拠点の目的とする。

2.拠点の全体計画の概要

  • 共同研究:熱帯病・新興感染症の臨床・疫学公衆衛生学をベースにした基礎及び応用研究プロジェクトを全国に公募し、拠点の受け入れ責任者を指定して採択し、共同研究の内容に応じて研究所内の共同研究施設や付属施設の利用に便宜を図る。研究プロジェクトには現地の研究者も参加することができる。
  • 研究集会:関連研究の情報交換や共同研究の促進のための国際的な研究会や研究技術の普及のための研修会を公募し運営する。
  • リソースセンター:研究や教育に資するバイオリソースとなる病原体や遺伝情報の集積保存、全国配布を行う。

3.拠点の運営組織等

  所長の諮問に応じる機関として、拠点の運営に関する重要な事項を審議する熱帯医学研究拠点運営協議会を設置した。運営協議会は、拠点の活動、共同研究及び研究集会の募集要項、共同研究及び研究集会の課題の採択、熱帯医学研究拠点年次報告書の編集に関する事項等を審議する。なお、運営協議会は、研究者コミュニティの意向を運営に反映させるために、委員総数の二分の一以上を熱帯医学に関連する研究者コミュニティからの外部有識者で構成する。
  運営協議会は,必要に応じて熱帯医学研究に関する専門的事項を諮問する専門委員を任命することができる。
  拠点の活動を支援する体制として、熱帯医学研究拠点支援室を設置した。支援室の運営にあたっては、熱帯医学研究所の教授が室長を兼任し、運営協議会の意向にそった活動を担う。支援室の事務は研究所事務部全体であたり、課題の特殊性にもより肌理細やかに対応できるようにする。

4.共同研究課題等の公募

  全国の研究者に対し平成28年度の共同研究及び研究集会の課題の公募を以下のとおり行った。

  1. 一般共同研究として,本研究所(海外附属施設を含む)を活用することができる熱帯病・新興感染症の基礎及び応用研究プロジェクトを公募した。28件の応募があり,そのうち23件を採択した。
  2. 研究集会として,所外の教員及び研究者と本研究所の教員とで開催する,熱帯医学・国際保健医療学に係る今日的課題への考察や提言,蓄積されてきた研究課題の総括やとりまとめ,及び新しい共同研究課題の企画や準備に資する研究討論集会を公募した。2件の応募があり,2件を採択した。
  3. 海外拠点連携共同研究として、アジア・アフリカ感染症研究施設(ケニア拠点、ベトナム拠点)と連携して実施する研究を公募した。2件の応募があり、2件を採択した。

【運営体制】

組織図

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