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所長メッセージ

熱研所長からのメッセージ

皆さん、こんにちは。熱研の所長をしております平山です。
長らく沈黙したままだったことを深く反省しております。これから心を入れ替え、その時々の所長のメッセージを発信出来たらと思っています。
写真は昨年5月のWHO/TDRの運営会議(JCB)でのスナップ(右はDirector John Reeder)

  1. 熱研はなぜ大事な研究所なのか?
    熱研は国内では比較的知名度の高い研究所です。その理由は、がんや高血圧の研究と違い、他に熱帯医学を標榜する研究所がないからということになっています。でもそれはちゃんとした理由ではありません。本当の理由は熱帯医学が日本にとっても世界にとっても重要な研究分野だからなのです。WHO/TDR website, nekken NTDi Center website, Bill & Melinda Gates foundation参照。
    熱帯医学の対象は読んで字のごとく熱帯地域に蔓延する病気です。熱帯という言葉はWikipediaによれば、「最寒月の平均気温が18℃以上で年平均降水量が乾燥限界以上の地域のこと。」と定義されています。世界地図上で見ると赤道を中心に北回帰線(北緯23度26分22秒)と南回帰線(南緯23度26分22秒)に挟まれた帯状の地域になります。英語で熱帯を意味するtropicsは、回帰線(tropic)から生まれた言葉だそうです。
    熱帯地といっても実際にはいろいろな自然条件の地域があり、それぞれのところにその地域に根差したいわゆる風土病が有ります。これを熱帯病Tropical Diseasesと総称しています。熱帯病の中で最も人々を苦しめているのは何といっても感染症です。マラリア、フィラリア、コレラ、トリパノソーマ症、住血吸虫症、黄熱、デング熱、エボラ出血熱、ラッサ熱などは典型的な熱帯感染症です。上記の病気はほぼ熱帯地域に限定して存在しますが、それ以外の感染症でもこの地域に特に多い病気があります。結核、HIV感染症、ハンセン氏病、B型肝炎、などがこれに当たります。
    上記の感染症が特に熱帯地域で猛威を振るっている大きな理由は主に二つあります。一つは豊かな自然環境です。水や植物に恵まれ、感染症を媒介したり保有したりする昆虫や野生生物が多く存在するのです。もう一つは目を覆いたくなるような貧困と公衆衛生の遅れです。この二つの条件が相まって、熱帯感染症はいまだに世界人口の8割を占める途上国が集中する熱帯地域で人々を苦しめ続けています。
    このように熱帯病の健康障害が世界の大多数の人々を苦しめているという現実が熱研の存在意義を他の医学研究領域から引き立たせているものと考えられるのです。しかし熱研の重要性はこれだけではありません。
    それについてはまた改めてお知らせしたいと思います。

    写真は昨年12月のUHCフォーラムのサイドイベントでのスナップ(BT Slingsby(GHIT), 平岡(JICA)、平山、遠藤(聖路加国際大学)、Tedros WHO DG)
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