熱研生物資源室よりトピックスをお届けします

患者さんの尿中にこれを検出したが, これは一体何原虫?!
== 実は、患者さん由来のものではなかった! ==


 ある病院の臨床検査室から、患者さんの尿中に動くものが見つかりましたが、 この病原体名は何ですか?という検査依頼が当室にありました。

動画A



その生の検体を観察(動画A)後の、当室と臨床検査室とのやりとりは、次の通りです。

[当室] 検体は患者さんの尿、とのことですが、どのようにしてその尿を採取しましたか?
[検査室] その患者さん専用の蓄尿器から採取しました。
[当室] では、蓄尿器中の検体ではなく、患者さんご本人からの複数回の、直接採尿カップに取った検体(B)と、当該患者さん以外の複数の蓄尿器の検体(C)もいっしょに当室へ持ってきてください。
[検査の結果] 複数の(B)はすべて陰性。複数の(C)中に、(A)と同じ動く微生物を観察しました。
同定の結果、その動く微生物は、Tetrahymena sp. と、判明しました。
検査依頼があった病院の蓄尿器に繋がるチューブの中で、その Tetrahymena 原虫はどんどん湧いていたのです。
因みに、当 Tetrahymena 原虫を培養してみますと、ごく通常の腸内細菌で容易に増殖することが分かりました。
その病院では、直ちに患者さんたちの蓄尿器関連の検査機器の清掃をおこないました。

この例のように、患者さん由来でないものを病原体と勘違いしたり、その逆に、自分の体をつくっている誰もが持っている正常細胞を、体外から侵入した病原体ではないか、と勘違いすることがよくあります。
後者の例を、次の動画(D)で示しましよう。これは一体何でしょうか?



このような、検査の際の勘違いをご経験された方は当室へご一報ください。
メールアドレス protozoa○tm.nagasaki-u.ac.jp ○を@に変えてお送りください。