熱研生物資源室よりトピックスをお届けします
[ 続編 その3 ] アフリカ・トリパノソーマ原虫の、血流型を昆虫型へ変えてしまう要因は一体何?
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ツェツェバエを使って実験してみたら, やはり予想どおり❗❗ ====


 T. b. gambiense
, 野生株でない, 人の手を借りなければ自らを存続することが不可能な, 実験室内株の一つ,
Wellcome strain
をマウスに接種しますと, 原虫血症は, slender forms だけのmonomorphism を呈して,
原虫濃度は一方的に上昇し, 原虫接種後, 短期間のうちにマウスを死亡させます. したがって, このような性格を持つ原虫は
自然界では自ら生き長らえることができませんから, 実験室内株と呼ばれる所以です.

Wellcome strain
をマウスに接種しますと, stumpy forms が感染マウスの末梢血中に出現しませんので, in vitro
Wellcome strain
の昆虫型 procyclic forms を誘導することができない, と考えられます. つまり, 原虫が血流型から
昆虫型に変化できるためには, 血流型の中の一ステージである stumpy forms の段階を経る必要がある, ことになります.


そこで, Wellcome strain とは異なる T. b. brucei monomorphism の性格を持つ原虫をマウスに接種し,
原虫血症を確認後, ツェツェバエ(G. morsitans)に吸血させて, 3週間後に, それらのハエを解剖したところ,
どのツェツェバエの中腸内にも原虫を検出しませんでした.

よって, in vivo (G. morsitans)でも, monomorphism 原虫は, 昆虫型に変化できないことを証明できました.

in vitro
の系での stumpy forms 誘導に関心のある方は当室にご連絡ください.
メールアドレス protozoa○tm.nagasaki-u.ac.jp ○を@に変えてお送りください。