熱研生物資源室よりトピックスをお届けします

住民たちが何かに一心に注目しています.

これは,一体何に関心をもっているのでしょう?

====    見ているのは,婦人たちと子どもたちです.働き手の男たちは
           この村に今いないようです.撮影時間は朝方です =====

 

 婦人や子どもたちや,年寄りの男たちだけが写っているのは,働き盛りの男たちは田畑に出ているか,村から出ているようです.これが撮影されたのは朝方ですが,夕方の調査だと,調査している者にも感染する機会があるからです.それは内臓リーシュマニア症(カラ・ァザール)です.カラ・ァザール流行地域に点在する住居を訪問して,前日の夕方から夜にかけて住民から吸血し,翌朝まで屋内の壁に留まっていたサシチョウバエを吸虫器で捕獲して,屋外で住民に見せて,この目にも見えないよう小さな昆虫とその地方で流行しているカラ・ァザールの関係を住民に説明しています.真ん中の婦人は,使うように手渡したルーペを右手に持っていますが,サシチョウバエは虫めがねを使っても見えにくい大きさです.

 これらの画像は, ネパール(東南部)とインド(ビハール州)との国境に広がっているカラ・ァザール流行地でのサシチョウバエ調査を実施したときの記録です.

このあたりの,カラ・ァザール流行地に共通しているのは,牛を飼育していることです.牛糞は乾燥して,燃料として使用しています.サシチョウバエのブリーディング・サイトは住居に隣接する牛舎周辺と予想していましたが,サシチョウバエの幼虫が潜むところは突き止められませんでした.

リーシュマニア原虫を媒介するサシチョウバエの効率よい採集法についてご関心のある方は,当室までご一報ください.
メールアドレス protozoa○tm.nagasaki-u.ac.jp ○を@に変えてお送りください。