熱研生物資源室よりトピックスをお届けします

これは,ある患者さんの骨髄穿刺(をしたとき)の染色標本です.

はたして,この病原体は何でしょう?

====    まさしくリーシュマニア原虫の,隙間(空隙)のある

アマスティゴートにそっくりです ====

ところが,リーシュマニア原虫ではありません.

カビの仲間,真菌の一種 Histoplasma sp. です.

このカビによる感染を,ヒストプラズマ症といいます.

臓器移植手術を受けたり,AIDS 患者のように免疫機能が低下したした場合に

発症する例が多く,この画像(1)の患者さんも,HIV 感染者です.

画像(1)



もう一枚の画像(2)をご覧ください.


画像(2)


これも,クルーズ・トリパノソーマ原虫のアマスティゴートの形態に

よく似ていますが,やはり,同じく Histoplasma sp. で,HIV 感染者の

骨髄からの染色標本です.

 

両者とも,細胞内寄生をするリーシュマニア原虫でもなく,

クルーズ・トリパノソーマ原虫でもないということは,

リーシュマニア原虫とクルーズ・トリパノソーマ原虫の両者に共通する

形態学的特徴がこの2枚の画像中には見当たらない,ということになりますが,

それは一体何でしょうか?

 

寄生部位と形態が似ているために,原虫以外のその他の病原体,

たとえば,真菌などの感染症との鑑別をしなければならなかったご経験のある方は,

当室までご一報ください.
メールアドレス protozoa○tm.nagasaki-u.ac.jp ○を@に変えてお送りください。