熱研生物資源室よりトピックスをお届けします

== トキソプラズマ原虫が回る!回る! ==
トキソプラズマ原虫の細胞には鞭毛や繊毛がありませんが、自ら動くことが出来ます。

これは、すでに既知の事象ですから、トピックではありませんが、トキソプラズマ原虫の急増殖虫体(tachyzoite)が示すユニークな運動についてご紹介しましょう。
トキソプラズマ原虫は、ご存知のとおりApicomplexa に属しますが、この仲間は、鞭毛や繊毛や偽足(仮足)というような運動器官をもたないのに、独自の運動ができます。
その運動(motion もしくは movement)はgliding motility(あるいは gliding motion)と呼ばれていて、その代表的な運動様式(forms of movement)には、つぎの三つがあります。
(1) helical rotation(2) circular gliding(3) upright twirling
ここに掲載している動画は、(3) upright twirling というものです。
どの虫体もみな同じ向きに(一定方向へ)体を動かします。これが不思議です。
原虫を上側から観察しますと、その回転運動は、時計回りですが、原虫自身からしますと 地球の自転方向と反対方向へ体を回転しています。鞭毛や繊毛などの運動器官をもたない、Apicomplexa の仲間がおこなう gliding motilityは細胞内への侵入に必要な運動であり、その分子生化学的機構はほぼ明らかになっています。

トキソプラズマ原虫のgliding motility の中で、特にupright twirlingを上から観察して、一般的な回転方法とは逆の、反時計回り、原虫側からすると地球の自転方向と同じ向きの回転運動を観察されたご経験のある方は、当室へご一報ください。
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