長崎大学熱帯医学研究所 LF-NTD Unit : フィラリア NTD 室

PacELF endgame project


 太平洋リンパ系フィラリア症対策(PacELF)は太平洋の22カ国および地域からリンパ系フィラリア症を制圧する目的で1999年に設立されました。 それ以降、世界リンパ系フィラリア症制圧計画(GPELF)の一環としてWHOのガイドラインに沿った対策活動を展開しています。 現在、太平洋諸国の多くは集団薬剤投与プログラムを終了し、制圧確認のステージを見据えたサーベイランスの段階にあります。 したがって太平洋諸国はGPELFのプログラムの中で最も早く制圧ゴールに達する可能性のある地域でもあります。
 WHOは蔓延国各国の状況を定期的に収集し公開しています。 PacELF endgame project ではWHOと連携し公式データの収集を加速させる一方、James Cook University、WHO Collaborating Centre と協働してPacELF各国の状況を把握し、データおよび現状の情報を収集し"PacELF endgame Catalog"を作成しています。 また、PacELFに関する本はプログラムの中間地点である2006年に「The PacELF Way」と題する経過報告としてWHOから刊行しました。今回、PacELF endgame projectではその後の制圧終盤のストーリーを各国政府、WHOの合意を得たうえで、「PacELF Book No.2」として出版します。

[期待される成果]
1. データカタログ作成 「PacELF endgame Catalog」 データ数:3121件(2016年6月30日現在)
2. 論文発表「Elimination of Lymphatic Filariasis in the Pacific - A PacELF success
3. 制圧終盤ストーリー集出版「PacELF Book No.2」


[関連情報]
『熱帯医学研究所一盛和世客員教授 −20年にわたるWHO太平洋地域フィラリア症対策資料をオーストラリア ジェームス・クック大学へ寄贈』

「The Japan Times」"Eliminating lymphatic filariasis in the Pacific"