JSPS アジア・アフリカ学術基盤形成事業
Contact Us
ホーム
→ セミナー情報
セミナー(2007年8月29日-31日)
セミナー名
日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業・東アフリカ熱帯病セミナー「DSS運用地域における学際的研究の可能性」
日時
2007年8月29日午後-31日午前
場所
在ケニア日本大使館・広報文化センター・多目的ホール
使用言語
英語
主催
日本学術振興会, 長崎大学ケニア研究拠点
本セミナー開催の趣旨(目的・意義)
アフリカの「顧みられない病気」と呼ばれる熱帯感染症は、アフリカの自然環境、生物環境、生活環境、そこに生きる人々の生活様式など、異なる様々な要素に規定された感染症であり、その対策には、生物医学的観点に加えて、生態学的、社会学的観点なども含んだ、異なる学問分野を横断する(学際的)アプローチを必要としています。にもかかわらず、実際には、どの研究機関においても縦割りの研究分野のエゴに阻まれて研究成果が細切れとなり、学際的研究はままならない、というのが現状です。
そこで本セミナーでは、異なる研究分野に属する研究者が一堂に会し、熱帯感染症が流行している地域において実施されているDSS(demographic surveillance system 、人口静態・動態調査システム:長期にわたり、特定した地域内の全人口、疾病、死亡に関する情報を定期的に収集・集約するシステム)を媒介にした学際的研究の可能性を論議し、将来の方向性を明確にすることによって、熱帯感染症研究を、学問領域を越えて(学際的に)実施する風土を醸成することを目指します。
第一回のセミナーの特徴は、長崎大学がナイロビに研究拠点を構えている利点を最大限に活用し、仮に日本国内で行えば相手国の著名な研究者数名だけを迎えて行わざるを得ないところを、本セミナーでは現場からの若手研究者の参加ができるだけ可能になるように考慮した点にあります。
期待される成果
熱帯感染症研究を学際的に実施する風土を醸成することによって、異なる領域の研究者間の無関心や不信感を取り除き、実際に学際的研究を我が国と当該国学術機関双方に確立し、研究成果を相互に高めることが期待できます。
そのような学際的研究を保証するため、ナイロビに設立した長崎大学ケニアプロジェクト拠点が活動の中核拠点として行っているケニア国内のDSS、イファカラ保健研究開発センターが運営しているDSSへの参画や、長崎大学ケニアプロジェクト拠点が整備している、病原体を最先端のレベルで扱うことの出来る実験室の利用が促され、それらを連動することで、今後これまでにない学際的研究成果を得ることが期待できます。
具体的なゴール
経験を交換することによって感染症研究のDSSサイトにおける学際的アプローチへの理解を深めます。
異なる研究分野を多角的に視野に入れたDSS運用地域での顧みられない熱帯病に関する新たな研究への取り組みを探ります。
同じテーマに基づく連携研究のためのDSSデータ収集方法の標準化を試みます。
プログラム
1日目 <8月29日(水)>
時間帯
内容
発表者
09:00–12:00
会場設営
12:00–14:00
受付&レセプション (軽食用意)
14:00–14:10
開会
在ケニア大使館公使 大村昌弘氏
14:10–14:20
JSPS と AA事業について
JSPS国際事業部 大萱千草氏
14:20–14:30
プログラム趣旨説明
長崎大学ナイロビ研究拠点 嶋田雅曉教授
14:30–14:40
セミナー趣旨説明
長崎大学ナイロビ研究拠点 嶋田雅曉教授
14:40–15:40
DSSと疫学におけるその重要性
IHRDC ムシンダ所長
15:40–16:00
休憩
16:00–17:00
感染症の本質とDSSサイトにおける研究ついて
長崎大学ナイロビ研究拠点 嶋田雅曉教授
18:00–19:30
懇談会 (場所:Upper Hills Springs)
2日目 <8月30日(木)>
時間帯
内容
発表者
09:00–09:30
スバ地区DSSと当プロジェクトにおけるデータ収集
長崎大学ナイロビ研究拠点 金子聡教授
09:30–10:00
DSSサイトでの人口統計データの具体的収集法
IHRDC レマ博士
10:00–10:30
DSS設営における高解像度衛星写真による地理情報システムとの統合
ICIPE ムシンジマナ博士
10:30–11:00
データ収集におけるPDAの利用
長崎大学ナイロビ研究拠点 コピヨ氏
11:00–11:15
休憩
11:15–11:45
DSSサイトにおける下痢症研究の可能性について
長崎大学ナイロビ研究拠点 一瀬休生教授
11:45–12:15
分子生物学研究におけるDSSデータの有効性
IHRDC ムギテゥ博士
12:15–12:45
サマリーセッション 1
司会
IHRDC ムギテゥ博士
長崎大学ナイロビ研究拠点 金子聡教授
12:45–14:00
昼食
14:00–14:30
スバにおけるマラリアベクターとマラリア伝播の長期観察
長崎大学ナイロビ研究拠点 皆川昇教授
14:30–15:00
スバにおける蚊帳の利用と範囲
長崎大学ナイロビ研究拠点 ガブリエル氏
15:00–15:30
実験室における昆虫学研究
長崎大学ナイロビ研究拠点 二見恭子研究員
15:30–16:00
フィラリア研究
KEMRI ジェンガ博士
16:00–16:15
休憩
16:15–16:45
DSSサイトにおける経済・社会学
IHRDC ケッシー博士
16:45–17:15
水と衛生
長崎大学ナイロビ研究拠点 ラシッド氏
17:15–17:45
DSSサイトにおける人類学的アプローチ
長崎大学熱帯医学研究所大学院生
駒澤大佐
17:45–18:15
サマリーセッション 2
司会
長崎大学ナイロビ研究拠点 皆川昇教授
KEMRI ジェンガ博士
18:15
Closing Day 2
3日目 <8月31日(金)>
時間帯
内容
発表者
09:00–09:30
僻地における暮らしと脆弱さからみるマラリアの患者管理
IHRDC マユマナ氏
09:30–10:00
DSS運用地域における環境課題
KEMRI カラマ氏
10:00–10:30
DSSデータの運用・活用法
IHRDC マサンジャ博士
10:30–10:45
休憩
10:45–12:00
フリーディスカッション
サマリーセッション 3
総括・結語
司会
長崎大学ナイロビ研究拠点 嶋田雅曉教授
IHRDC ムシンダ所長
12:00–12:10
閉会
在ケニア日本大使館公使 大村昌弘氏
後片付け
Copyright © 2007 Nagasaki University, Institute of Tropical Medicine