平成20年度の研究交流目標
①共同研究・研究者交流
住血吸虫症、下痢症、マラリア、昆虫媒介性ウイルス疾患のDSS と連動した学際的研究を推進する。
東アフリカにおける病原体および中間宿主(病原体の運搬屋)の多様性の調査
住血吸虫症:中間宿主貝採取と環境因子(水温、流速など)の調査方法を標準化し、3機関で実施する。
細菌性下痢症:細菌性下痢症、特にコレラの分離と分類同定を実施する(ケニア)。
マラリア:媒介蚊(ハマダラカ)の全国的採取と自然環境調査を標準化し、3機関で実施する。
昆虫媒介性ウイルス疾患:特に出血熱に関与するウイルス分離と同定を実施する(ケニア)。タンザニアにおいてはその準備を開始する。
DSS 地域における患者、死亡発生、生活様式などに基づいて各疾患の地域における流行特性の調査
ケニアでは西地域(Suba)、各項目の調査を定期的に実施する(継続する)。タンザニアではIfakara地区などDSSサイト周辺の情報を収集する。
協力体制の構築と強化
IHRDC(Ifakara Health Research and Development Centre)とのMOU、KEMRI (Kenya Medical Research Institute) とのMOUを堅持し、必要があれば見直しを行う。
②セミナー等学術会合の開催
上記疾患研究の東アフリカをまたぐネットワーク形成のために必要な情報交換を実施する。
年度の中間にタンザニアのダルエスサラームで研究集会を開催する。今年度の主な目的は、3機関それぞれの独自研究の中間発表および3機関の共同研究の情報交換にある。
平成20年度の研究交流の概要
共同研究
20年度は、全期間計画のうちi、iiを実施する。iiiは本年度は行わない。
1) 熱帯病(マラリア、デング熱等)媒介蚊、出血熱ウイルス、下痢起炎菌(主にコレラ)、住血吸虫、住血吸虫媒介貝を、ケニア、タンザニアで採集、分離、保存し、その特徴を記載する。
ケニアでは西地域(Suba)、各項目の定期的調査を継続する。タンザニアではIfakara地区などDSSサイト周辺の情報を収集する。
各疾患の流行特性と、病原体および中間宿主の多様性との関係を、地域別に明らかにする。
セミナー
本年度(20年度)は、タンザニアで研究集会を開催し、DSS にもとづく学際的研究、neglected diseases 研究の成果を中間報告する。
当初の計画では本年度は国内( 長崎大学熱帯医学研究所)で行うことになっていたが、1)国内のセミナーはアフリカからの参加者一名あたりのコストが高く多くの参加者が見込めない、
2)若手研究者を出来るだけ多く参加させたいとするタンザニアからの要望がある、の理由によりタンザニアで行うことにした。
研究者交流(共同研究、セミナー以外の交流)
本年度(20年度)は、両国の若手研究者の研究能力の底上げを開始する。
そのために、
KEMRIの若手研究者を日本に招聘し研究技術の向上を支援する。
現場に根ざした教育・トレーニングのため若手研究者を日本から派遣する。
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