宿主病態解析部門
病変発現機序分野

 熱帯地域における各種疾患の発症および病態像の地理病理学的特異性を究明する。すなわち自然環境,人類の素因や生態と疾患の発現様式の特徴を究明し,疾患の本態と発生機序を把握することによって,それらの疾患の治療と予防に貢献することを目的とする。
 当分野では下記の研究活動のほかに,病理学における専門的日常業務として,大学病院における病理解剖(医学部の病理学教室と分担),および肝生検組織診断,医学部学生対象の病理学各論(造血臓器,肝,胆,膵)の講義,実習,病理学総論の一部および特別講義,大学院・研究生対象の病理学専門教育(医学博士号,日本病理学会認定医,病理解剖資格等の取得コース)を実施している。また学内他学部,他大学,熱帯医学研修課程等における地理病理学熱帯医学等の講義も行っている。
 研究課題は以下の如くである。これらの研究は各種研究費により国内外研究機関との共同研究を主体としている。

熱帯地域疾患,感染症,輸入病等の病理学
 熱帯地域をはじめとする諸外国において,各種感染症や腫瘍疾患等について,近代的な病理学的見地から系統的病理学,地理病理学および民族病理学としての体系化を行っている。
熱帯地域における肝疾患の地域特異性
 ウイルス性肝炎や種々の肝障害について,現地調査(東アフリカ,タイ,インドネシア等)を主体とした血清疫学的,地理病理学的,病理形態学的研究を行っている。また,タイにおいては,HIV感染などとの関連性も調査している。

Kaposi's sarcoma(カポシ肉腫)
 東アフリカにおける地理病理学的調査研究および分子病理学的方法を用いた比較病態学,細胞起原,生物学的性状,EVウイルスとの関連性に関する研究。

東アフリカにおける腫瘍疾患の地理病理学およびウイルス発癌
 
腫瘍の地理的分布と腫瘍発生に関与するウイルスの研究

東南アジアにおける悪性腫瘍の地理病理学
 インドネシア,フィリピン等を主とした調査研究。

熱帯環境,人類の素因や生態が疾患の発現様式に与える影響に関する研究
 人類生態学などの学際的共同研究。

教   授 板 倉 英 
助 教 授 鳥 山   寛
助   手 千 馬 正 敬
助   手 井 関 充 及
技能補佐員 荒 尾 朱 美

im00020.jpgミクロノーム室

 

im00021.jpg病理組織標本検討会

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