熱帯感染症研究センター

 

 平成13年(2001年)4月1日、長崎大学熱帯医学研究所・熱帯病資料情報センターは熱帯感染症研究センターに改組した。  新センターは、従来の熱帯病資料情報中心地としての役割の他、熱帯感染症・寄生虫症の発生・拡大に関与する複合要因の解析と予防制圧に資する研究を、対象を地球規模にスケールアップして行い、その成果を熱帯感染症・寄生虫病対策戦略構想構築に役立てるとともに途上国へ還元し、熱帯感染症・寄生虫病対策の推進に貢献することを目的とする(図)

・熱帯現地におけるフィールドワークにRS(リモートセンシング)データなどを取り込むことにより、広地域を対象にした熱帯感染症・寄生虫病の発生、拡大要因を探る。  地球規模の熱帯感染症・寄生虫病対策戦略を構築するためには、実証的研究が広範囲で行われることが不可欠である。そこで新センターは、RS/GIS(リモートセンシング/地理情報システム)技術などを利用して、広地域を対象にした実証的研究の可能性を探る。RSによって得ることのできる広域の自然要因は無論のこと、社会、経済、文化的要因なども研究対象となる。

・地球規模の熱帯感染症・寄生虫病対策戦略の構築のために、熱帯感染症・寄生虫病流行の世界的な状況把握を行う。  そのために新センターは、これまでの業務で収集または収集しつつある資料・情報を活用するとともに、歴史的に所内に蓄積された発展途上国との共同研究の絆を礎に、熱帯地の大学・研究所をオンラインで結んで情報を交換し、今以上に迅速かつ正確な状況把握に努める。得られた情報には、GIS(地理情報システム)等によって空間的情報を加味し、世界規模での熱帯感染症・寄生虫病の流行予測を試みる。

・新センターでは、従来の熱帯病資料・情報中心地としての役割の他、熱帯感染症・寄生虫病の発生拡大の複合要因をビッグスケールで明らかにする研究活動を行う役割を新たに担うが、その成果は、本研究所の熱帯感染症・寄生虫病対策戦略構想構築に資するとともに、途上国へ還元し、地球規模の感染症・寄生虫病対策の推進に貢献する。具体的には、国内外の他機関からの要求に応え得るリサーチコンサルタント業務(与えられた課題に対し実証的研究に裏打ちされた解決方法と方向性を示す)にあずかる施設として機能することを模索する。  

なお、上記の改組に伴い熱帯感染症研究センターには教授(1)、助手(1)の2名の増員が認められた。公募要項の詳細は近日中に公開する。



概念図




センター長(併)
教    授

嶋 田 雅 曉
助 教 授
鈴 木   博
研究支援推進員
小 山 寿 文
研究支援推進員
山 口 千 賀
技能補佐員
須 田 清 美
大学院学生
木 須 友 子
大学院学生
浜 田 芳 樹

 

 

 

 

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