宿主病態解析部門 病変発現機序分野

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本分野は,熱帯地域における感染症,腫瘍性疾患を対象とし,形態学的および分子生物学的検索による疾患の本態および発症機序の解明とともに熱帯地域の多様な自然環境,人類生態が与える影響を地理病理学的に把握し,これらの疾患の予防と制圧に貢献することを目的とする。

研究活動

熱帯性感染症および輸入感染症

各種病原体による熱帯地域の感染症を形態学的に把握するために標本の収集,組織学的検索を行うとともに,外部医療機関からの組織診断依頼に応じている。

熱帯地域における肝疾患

東アフリカ,東南アジアにおけるウイルス肝炎を主とした肝疾患の血清疫学調査を行い,肝炎ウイルスの浸淫率,分布を明らかにし,現在,HIV感染や熱帯性疾患の影響を含めた病変組織像の地域特異性について研究を行っている。

カポシ肉腫

カポシ肉腫,とくにアフリカ風土病型カポシ肉腫の疫学,組織学的研究結果をもとに,その細胞起源,生物学的性状,ヒトへルペスウイルス(HHV)−8との関連性など,カポシ肉腫の本態,および他型のカポシ肉腫との相違を解明するための研究を行っている。

アフリカ風土病型カポシ肉腫

熱帯地域における悪性腫瘍とウイルス発癌

1970年代後半より行っている東アフリカでの悪性腫瘍の疫学,組織学的調査結果をもとに,東南アジア地域での悪性腫瘍を含め,熱帯地域における悪性腫瘍への発癌ウイルスの関与を研究している。

熱帯環境,人類生態が疾患の発現に与える影響

東アフリカでの悪性腫瘍を主な対象とした疫学調査で得た結果をもとに,熱帯性疾患の特異的な地理および民族的分布に,熱帯の自然・風土,住民の社会・生活環境,風俗習慣などが与える影響を学際的に解析している。

当分野では上記の研究活動のほかに,病理学における専門的日常業務として,病理解剖(医学部病理学教室と分担),肝生検組織診断(医学部第一内科との共同研究),一般摘出標本の病理組織診断などをおこなっている。

 助 教 授  鳥 山   寛
 助   手  千 馬 正 敬
 助   手  井 関 充 及
 技能補佐員  福 田 朱 美

カポシ肉腫の全悪性腫瘍における年次頻度の推移