平成11年度 長 崎 大 学 公 開 講 座 (熱帯医学研究所)

熱帯病研究はいかに人類に貢献できるか
−いま病原体は熱帯から世界に拡がる−
趣 旨
地域住民の方々に大学開放事業の一つとして開催するものです。

講座の名称及び実施日等
「熱帯病研究はいかに人類に貢献できるか−いま病原体は熱帯から世界に拡がる−」
平成11年7月24日(土) 14:00〜17:00

実施場所(会場)【医学系キャンパス】
長崎大学熱帯医学研究所大会議室
(長崎市坂本1−12−4)

受講対象者一般市民
募集人員30名(先着順に受付、定員を満たした時点で締め切ります)
受講料4,500円(公開講座当日受付で徴収します。)

申込方法
1申込書(住所、氏名、性別、年齢、職業、電話番号を記入したもの。様式自由)
2長形3号封筒(住所、氏名、郵便番号を明記し、90円切手を貼付したもの)
上記1、2を7月21日(水)までに下記9.へ郵送(公開講座申込と封筒に朱書)してください。

申込先
長崎大学熱帯医学研究所庶務係
〒852−8523 長崎市坂本1−12−4
(095)849−7803

修了証書:受講された方に授与します。

講座概要
大学における「研究活動」は市民にとって「ミステリー」である。
一般に市民は「研究」というものを何か自分自身にすぐに直接役立つもの、功利的なものとして期待する(マスコミの取り上げ方はこれに尽きる)。しかし、時に垣間見る大学のえら〜い先生方の仕事は市民にとって「道楽」にしか見えない。
ところが、多くの大学の研究者は心の底では「道楽」にこそ研究活動の醍醐味があると考えている。
現実の社会ですぐに役立つような研究に対して、研究者相互の評価は実は高くはない。
このような研究者と市民のあいだの「研究」に対する認識の大きなギャップが「ミステリー」を産みだす原因となっている。
このギャップを少しでも埋めるため、研究者があまり語りたがらない研究の「道楽」の部分をできるだけ市民に伝えることが、本講座の目的である。
熱帯医学の研究では、直接的に熱帯病の拡大を防御したり感染者の治療、診断に役立つものとして市民からは期待され、もちろん熱帯医学研究所はその期待に応えるべく努力をしている。
しかし研究者は一方で、熱帯医学分野に人類の未来を決めるかもしれない「知的資産」を産み出す未知の領域が拡がっていることを信じており、そこで「道楽」することは人類の「知的資産」を産み出すパワーの源とも考えている。
本講座では、いわゆるジャルゴン(専門家の間でしか通用しない専門用語)をもてあそぶことなく、自らの研究を自らの言葉で語ることを通して研究の醍醐味を市民と共有し、熱帯医学研究所の意義を共に考える。研究者の「道楽」を道楽のまま終わらせないために、市民の「ミステリー」をミステリーのまま終わらせないために。

講師等(各講師の時間は都合により変更することがあります。)

時   間 講義題目 講師
14:00-14:45東南アジアにおける蚊で媒介されるウイルス病−日本脳炎とデングについて−長崎大学熱帯医学研究所 教授 五十嵐 章
14:45-15:30マラリアは発展途上国に、クリプトスポリジウム症は先進国に教授 神原 廣二
15:30-16:15熱帯性寄生中病防圧のための新しい戦略教授 青木 克己
16:15-17:00下痢起因菌の戦術から学ぶもの講師 一瀬 休生