ベトナム

ベトナム拠点のメンバー
(下段左から)Dr. 吉田(臨床医学部門) Dr. Paul Kilgore(国際ワクチン研究所;IVI), Dr. Duc Anh(ベトナム国立衛生疫学研究所;NIHE), Dr. 有吉(臨床医学部門),(上)Dr. 鈴木(臨床医学部門)、Dr.野内(前ベトナム拠点特任教授)

ハノイにおける活動報告

大学院博士課程 加藤隼悟

2015年3月1日から約4週間ほどベトナム・ハノイに滞在し、現地における研究活動や感染症専門病棟の診療についてを学ぶ機会があったので、以下に報告する。

思えば2009年度に熱研内科から2ヶ月間フィリピンのサンラザロ病院で感染症研修に行かせて頂いたのが、初めての臨床熱帯医学経験でした。あの時は英語でのコミュニケーションの難しさと、貧困と感染症の入り組んだ臨床現場における自分の無知無能さを痛感するばかりでした。その際にプライマリケア能力、総合診療力の重要性を再認識し、2年間北海道の江別市立病院総合内科で勉強させて頂きました。同時に英語の勉強にも苦しみながら挑み続け、去る9月にようやくLSHTMに滑り込むことができました。

今回の滞在は自分にとって始めてのベトナム訪問であり、何もかもが新鮮な経験であった。主な訪問目的は2つあり、ハノイのバックマイ病院感染症科(Infectious Disease Department: IDD)において原因が明らかでない発熱を主訴に受診した患者群(Undifferentiated fever patients)の検討を行う研究に参加することと、長崎大学ベトナム拠点のあるNational Institute of Hygiene and Epidemiology(NIHE)の研究室で前述のUndifferentiated fever patientsの血液検体を用いてbuffy coatからDNA抽出する作業を学び、お手伝いすることであった。いずれも初体験であったため、まずは現地の研究者や臨床医達に対して自分が何者で、今後どういう風にハノイでの研究に関っていけるかをお伝えし、広く人間関係を構築するということも重要な目的の一つであった。

現地での滞在は当科の大学院生であり、バックマイ病院IDDのスタッフでもあったDr. Cuongの紹介で親切なご夫婦のお宅にホームステイさせて頂いた。到着するなりタクシーでおつりをごまかされそうになりつつ、貧乏旅行に慣れていた過去を思い出して必死でおつりをしっかり確保したものの、後になって自分がこだわった金額はたかが百数十円であることに気付き、気恥ずかしくなった。不慣れな土地ではあったものの、NIHEのPneumococcus laboのスタッフや、長崎大学ベトナム拠点の先生方に親切にして頂き、衣食住を充実させていくことができた。更に、バックマイ病院IDDの先生方には非常に良くして頂き、ベトナムの旧正月(テト)明けの初詣ツアーや近郊の伝統的生活様式の村、伝統工芸品(陶磁器)が有名な村など、北部ベトナムの文化にも触れられるように様々な所へ連れて行って頂いた。その国の歴史や文化を知り、人々と近づくことは国際的に活動する上では必須と思っているので、非常に有難い経験であった。

この他にも、ベトナム拠点長の山城先生のお取り計らいで、長崎大学医学部学生のベトナム拠点研修に数日同行させて頂き、幸運にもWHO country officeやJICAプロジェクトでハノイに滞在されている専門家の方々と出会うこともできた。学生と一緒に病院訪問をしつつ、熱帯医学を学ぶ感染症科の医師として学生に多少の知識をひけらかしたり、訪問先の現地医師と興味深いディスカッションをさせて頂いたりして、出会いと経験の幅が一層広がった。皆様の優しさに甘えて贅沢な経験をしたと思う。

当初の目的以外の事柄も数多く経験した訪問であったが、主たる目的であるバックマイ病院のIDDでは連日カンファレンスに参加し、回診で感染症症例を検討し、しばしば現地医師にアドバイスを求められることもあり、身の引き締まる思いをすることが多かった。好酸球性髄膜炎、トキソプラズマ脳症、マラリア(渡航症例)、ペニシリオーシスなど稀な症例もあったが、多くは肺炎、細菌性髄膜炎、帯状疱疹、HIV関連日和見感染など日本でも見かける疾患であった。しかし、病原体の確定がなかなか徹底できず、経験的治療に終始せざるを得ないこともしばしばあり、院内感染では多剤耐性菌の問題が大きくなってきているという状況もあった。様々な問題点を実際に感じられたことは大きな収穫であったが、実は本来の目的としていたリケッチア、レプトスピラ感染症など、診断されていない発熱性疾患の症例を見るという目的は達成できなかった。季節性があるそうだが、こういった病原体はプライマリケアの現場で経験的抗菌薬治療によって治癒してしまうことが多いとのことであった。このあたりは、当研究チームが収集したデータを綿密に解析していく際に重要な点である。今後の研究を通して、今回現場を見た印象をふまえて検討していきたい。NIHEにおける作業はチームワークを構築して日に日に素早くなり、Pneumococcus laboのメンバーとはとても良い関係が築けた。最終日には日本製電気炊飯器の使用マニュアル作成というミッションを果たし、ようやく何か役に立てたような気がした。

今回のハノイ滞在期間中は当科の病棟業務を離れることになり、ご迷惑をおかけしたことと思う。しかし、快く送り出して頂き、この機会の前後も通して大きなご支援を頂いたことは、熱研内科の皆様に深く感謝申し上げる。家で一人で留守番していてくれた妻にも感謝しつつ、いろいろお土産持って帰ってご機嫌とれただろうと思いたい。はからずも、人のありがたさを改めて実感する良い機会であった。

バクマイ病院感染症科での夫婦間HIV感染に関する研究

  ベトナム国立バクマイ病院感染症科における夫婦間HIV感染に関する研究のレポート (PDF)

島田郁美

No.2
活動: 文科省 新興・再興感染症拠点形成プログラム
     ベトナムにおける長崎大学拠点形成プロジェクト
     カンホア保健プロジェクト
期間: 2005年〜現在 (松林格、鈴木基、吉田レイミント、吉野弘、高橋健介 他)

ベトナム呼吸器感染症調査 その2

2010.1 記 高橋

ベトナムの朝は早い。空がうっすらと白んでくる夜明けから地元の人々がビーチに集い、子供たちが波にもまれて歓声をあげ、ビーチでは老人がゆっくりとした動きで太極拳をしている。やがて空と海が赤みを帯び始め一筋の光が海の上をすべるように差し込み、波を金色に変えていく。白い砂浜に沿ってヤシの並木が静かにたたずんでいる。ビーチ沿いの大通りには外資系のリゾートホテルが立ち並び、建設中のホテルのクレーンが大きな音を立てて動き出す。

1976年ベトナム戦争の終焉以来、社会主義・共産主義国として一切の自由経済を拒んできたベトナムだが、1986年ドイモイ政策を経て国策が大きく変わった。市場経済の導入によって外資系の企業がなだれ込み、国内外の旅行も自由になった。1995年にはASEAN加盟が実現し、アメリカとの国交も回復した。白い砂浜をたたえた閑静な街だったニャチャンは欧米旅行者にとって格好のリゾート地へと生まれ変わり、2008年にはミス・ユニバースが開催されたこともあって、道路が整備され、ホテルは建設ラッシュを迎えている。

夜明けのビーチには地元の人が多く集まる 夜明けのビーチには地元の人が多く集まる

しかし、表向きの顔とは裏腹に一歩表通りを離れればそこには昔ながらの暮らしが息づいている。放し飼いの鶏が往来を我がもの顔で歩き回り、そこここにある駄菓子屋は子供たちのおやつや生活雑貨を売っている。漁師は手漕ぎの船に網を積み海に漕ぎ出していき、年端のいかない娘が天秤をかたに担いで魚を売り歩く。川べりには不法に住居を構える低所得層の家が立ち並び、川の上に板を渡せばそこはお手製のトイレとなり排泄物はそのまま魚の餌になる。男たちは歩道に店を構えるコーヒーショップで将棋によく似たゲームに興じ、周りでギャラリーがあれやこれやと口を出す。街を少し離れれば、青々とした水田が広がり、水牛の群れがのんびりと草を食んでいる。昭和の日本にタイムスリップしたような感覚だ。 昔ながらの生活を続ける者、英語を学び外国の企業で働くもの、観光産業のおこぼれに預かろうとするもの。急成長し続ける小さな街はベトナムを象徴する混沌の中にある。

川の上に板を渡しただけのトイレ 川の上に板を渡しただけのトイレ
林立したビルを背景にしたバラック小屋 林立したビルを背景にしたバラック小屋
中心部から少し離れると田園風景が広がる 中心部から少し離れると田園風景が広がる

ニャチャンで長崎大学熱帯医学研究所の分室が置かれたのは2006年からである。この地域の中心医療機関であるカンホア総合病院や地域のヘルスセンターを拠点に、さまざまな疫学研究が展開されている。

2009年には新型インフルエンザが世界中に猛威を振るった。ベトナムでは5月に国内初の患者が確認されて以来、新型インフルエンザ罹患数は増え続け、重症例・死亡例も報告されている。これを受けて、2009年9月より子供の呼吸器感染症調査として一定の成果をあげてきたmultiplex PCRを成人にも拡大した、成人呼吸器感染症調査が始まった。ベトナム国内のインフルエンザ報告数は10月中旬にピークを迎えているが、今後は持ち帰った検体・臨床経過ならびに背景情報などを解析し、実際の病原体や重症化のリスクファクター、感染経路など解析をする予定である。

もう一つ、ここニャチャンにおける疫学研究の大きな特色は、地域医療のレベルでの調査も同時進行で行っていることである。

インフルエンザをはじめ感染症の流行は病院で調査をするだけでは全体像は見えてこない。この地域で2006年に住民センサス調査を行い、すべての世帯の社会生活背景についてのデータベースを作成している。このデータを基に地域の感染症の流行状況やリスクファクターを調べる地域訪問型感染症調査研究も進行中である。

カンホア総合病院外観 カンホア総合病院外観

私、高橋は2009年8月末からおよそ3ヶ月間、ここニャチャンに滞在して、主に成人呼吸器感染症調査と地域訪問型感染症調査研究の導入を手伝わせてもらった。病院では呼吸器感染症の患者の診察を実際にさせてもらい、重症度の判定やデータフォームの記載方法、さらには診断・治療法などを現地の医師とともにディスカッションした。慣れてきた頃には呼吸器感染症のみならず、日本ではあまりみないデング熱やマラリア、リケッチア、結核などの症例も見せてもらった。

デング熱の患者でみられた皮膚 デング熱の患者でみられた皮膚
病院内での診療風景 病院内での診療風景

地域訪問型調査研究ではカレンダーに家族の健康状態を記入してもらう形での情報収集が始まったが、地域のコミュニティーセンターを訪問してカレンダーを配布した。実際にそのカレンダーを回収するところに同行させてもらい、家の様子を見せてもらうこともできた。先に紹介した、川の上のトイレの写真はこのときに撮ったものである。

収入や立地環境によって家の中の様子はずいぶん違う。郊外の地主農家の家(上)と都市部低~中所得者の家(下) 郊外の地主農家の家
  都市部低~中所得者の家

公衆衛生から臨床経過、病原体遺伝子解析まで、病気の原因をまさにマクロの視点からミクロの視点までさまざまな角度から調べる研究がここニャチャンで行われている。現地のカウンターパートやプロジェクトに関わる病院スタッフやヘルスセンター職員は大変協力的で、仕事もやりやすかったが、こうした人間関係は一朝一夕で成り立つものではない。先人たちが長い年月をかけてここまで築き上げてきた、貴重なフィールドの一つである。

病棟スタッフとのパーティの一こま 病棟スタッフとのパーティの一こま

ベトナム呼吸器感染症調査 その1

2009.9.5 記 高橋

ニャチャンはベトナム南岸に位置するカンホア省の省都で、人口20万人ほどの町です。漁業が盛んで、魚介類を中心とした料理がおいしく、また5kmにわたるロングビーチが白い砂をたたえ、街の対岸にあるビンパール島には2008年に水族館を併設した総合レジャー施設も建設され、観光の街として大きく発展しつつある街です。

病院からほど近いビーチ沿い 病院からほど近いビーチ沿いにはホテルが立ち並び、朝夕には海水浴をする地元の人や観光客でにぎわう

長崎大学ベトナム拠点では、長崎大学の活動拠点として平成18年7月にニャチャンにあるカンホア省保健局内に長崎大学分室を開設し、入院患者や地域住民を対象とした調査を数多く実施してきました。2007年から2008年にかけては小児の呼吸器感染症の原因についてウイルス、細菌などの病原体を同時に検出できるマルチプレックスPCR法を用いて、街の中心にあるカンホア省総合病院で小児の呼吸器感染症の原因を調べています。

カンホア総合病院外観 カンホア総合病院外観

今回2009年9月から始まったプロジェクトは、ニャチャンにあるカンホア総合病院における成人呼吸器感染症の病原体の同定し、成人における入院を要する重症肺炎の罹患率を算出するものです。

内科、循環器科(老年科)、感染症科において呼吸器感染症で入院してきた患者を対象にして喀痰、鼻咽腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、血液を採取して、培養・マルチプレックスPCRを用いて病原の同定をし、患者の背景や退院時の転帰についてフォローします。入院全体に占める罹患率も調査をし、季節変動やインフルエンザ流行との関連を調べます。

呼吸器感染症は各種の抗生物質やワクチンが開発された今でも途上国においては成人の主要な死亡原因となっており、住民の生活様式や生活習慣も密接にかかわっています。さらに近年世界中でその流行が問題となっているH1N1、H5Nインフルエンザなどの新興病原体による重症呼吸器感染症の流行も危惧されています。

病棟スタッフへの説明会 病棟スタッフへの説明会

そこで、今回のプロジェクトでは、以前から調査をおこなっているニャチャンのフィールドにおいて住民への聞き取り調査を中心とした生活実態調査とインフルエンザの調査も並行して行い、最終的には成人呼吸器感染症及び市中肺炎のニャチャンにおける診療ガイドラインを作成することを目的としています。

まだプロジェクトは始まったばかりでどのように進展していくかわかりませんが、暖かく見守っていただければと思います。

文科省 新興・再興感染症拠点形成プログラム
ベトナムにおける長崎大学拠点形成プロジェクト
カンホア保健プロジェクト

みなさんは、国連ミレニアム開発目標(MDGs)というものをご存じでしょうか。

MDGsとは、2000年に採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられた、国際社会が2015年までに達成すべき8つの開発目標です。

ミレニアム開発目標
目標1 極度の貧困と飢餓の撲滅
目標2 初等教育の完全普及の達成
目標3 ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
目標4 乳幼児死亡率の削減
目標5 妊産婦の健康の改善
目標6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止
目標7 環境の持続可能性の確保
目標8 開発のためのグローバル・パートナーシップ
(日本語訳は外務省による)

これらのうち、とくに私たち医療従事者の仕事と深く関わるのが、「乳幼児死亡率の削減」、「妊産婦の健康の改善」、「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止」の3つでしょう。

 WHOとUNICEFの報告にれば、世界中の5歳未満の小児の主な死因は、肺炎(19%)、下痢症(17%)、新生児感染症(10%)、マラリア(8%)です。そして、これらが原因で死亡する小児の3分の2は、アフリカと南アジア地域で生まれる子供たちです。つまり、MDGsを達成するためには、発展途上地域における感染症対策と周産期医療の整備が鍵となるのです。

そこで、この課題に対して、予防法の開発、簡便な診断方法の開発(IMCI)、政策的・財政的支援、草の根レベルの活動など、さまざまな取り組みが世界中で行われてきました。その結果、『国連ミレニアム開発目標報告2008』では、いくつかの地域で目覚ましい成果が得られていることが報告されています。しかし、世界全体で評価すると、「2015年までに、5歳以下の死亡率を、1990年の時点の3分の1まで削減する」という目標の達成には、ほど遠いのが現実です。

一方で、私たちは、このMDGsではカバーされていな問題にも注意を払わなくてはなりません。そのひとつが、急速な経済的発展による、発展途上国における慢性疾患の増加です。この現象は、疫学的転換(epidemiological transition)とよばれています。国際社会は、感染症のみならず、慢性疾患、そして精神疾患への対策も怠ってはならないのです。

このように、私たちの前に立ちはだかる課題は、あまりにも壮大なものです。これに取り組むためには、さまざまな領域の専門家と市民が力を合わせなくてはならないでしょう。そのなかで、私たち日本の臨床医にできることは何なのでしょうか。

このような問題意識を背景に、私たち長崎大学熱帯医学研究所臨床医学分野は、ひとつの新たな試みを始めました。それが、2005年に国際ワクチン研究所(IVI)とハノイ国立衛生疫学研究所(NIHE)と共同で立ち上げた「ベトナム・カンホア保健プロジェクト」です。

 カンホア保健プロジェクト

35万人の全住人調査
その地域に住む人たちにとって、本当に必要な医療や保健政策とは何か。そう考えるときに重要なのが、病気になる人が、そうなる前にどのような生活をおくっているのかを知ることです。病院の中にいるだけでは、病気のことはほとんど何もわからないのです。

そこで、私たちは2006年に、カンホア省の33コミューンに住む35万人全員を対象とした大規模な住民調査を実施し、さまざまな社会環境に関する情報を集めました。この膨大なデータをもとに、現在、地域の人たちの生活環境や医療機関の受診行動パターンを解明しようとしています。

喫煙
先進諸国における禁煙政策が進められるなか、発展途上国における喫煙の問題が国際的にクローズアップされてきています。私たちは、ベトナムにおける正確な喫煙率、家庭内受動喫煙率を算出し、これが5歳未満の小児の肺炎入院と関係していることを証明しました。

デング感染症
ベトナム中南部では、しばしばデング感染症の大流行がみられます。私たちは、住民の蚊帳の使用状況とデング感染症による入院の関係について調査を行っています。

妊産婦の調査
ベトナムでは、お産を控えた女性たちはどのような生活をおくっているのでしょうか。また、その健康状態が、生まれてくる赤ちゃんにどのような影響を及ぼしているのでしょうか。私たちは、病院やコミューンヘルスセンターの助産師さんたちの協力を得て、妊婦の健康調査を行いました。

小児肺炎サーベイランス
すでに触れたように、世界の子供の死因の第一位は肺炎です。しかし、熱帯地域における肺炎の原因となる病原体が何であるのかについては、詳しいことはまだよく分かっていません。

そこで私たちは、住人調査の情報を活用し、地域中核病院で小児肺炎のサーベイランスを始めました。核酸増幅法(multiplex PCR)という方法を使って、細菌からウイルスまで幅広く病原体を検出し、熱帯地での小児肺炎の原因病原体を解明するとともに、その臨床的意義や流行性パータンを明らかにしつつあります。

地域中核病院での診療援助
ニャチャン市にあるカンホア総合病院で、現地の小児科医とともに診療活動を行い、医学生や若手医師に対する臨床教育活動を行ってきました。また、同院の放射線科医に対するレントゲン写真読影トレーニングコースや、細菌検査技師に対する培養技術の指導を行っています。

今後の計画
間もなく、地域で生まれるすべての赤ちゃんの健康状態を追跡する調査(バースコホート)が始まります。新生児感染症のリスク因子の解析、母子感染の研究、小児期呼吸器感染症のリスク因子の解析をはじめ、様々な研究が行われる予定です。また、ワクチン投与の効果を調べる研究の計画、また高い喫煙率を背景として、成人の慢性閉塞性肺疾患について調査を行うことも検討しています。

このような大規模なプロジェクトは、多領域の専門家が、継続的にその力を結集させなければ成り立ちません。当研究室では、これからの熱帯医学・国際保健を担う若い臨床医を、積極的にこのカンホア保健プロジェクトに参加させたいと考えています。

No.1
活動: ベトナムにおける小児の急性呼吸器感染症の診断に関する研究
期間: 2001年 ~ 2006年で終了

ナチャンの病院の細菌検査室での技術指導
(当研究所,細菌検査技師との細菌培養同定)
今年もベトナムより研究者が来室され、実験やディスカッションを行いながら研究を遂行している。

現地の放射線技師との胸部レントゲン写真
の読影



現地医師による小児呼吸器感染症患者の
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