タイ

研究内容
「ランパンにおけるHIV/AIDSの臨床疫学」

2003年~タイ全土に国内生産の抗HIV薬(GPOvir®)が普及し、多剤併用療法が無料で受けられるようになるとHIV感染者をめぐる状況は一変した。本コホートではランパン病院における抗HIV薬治療の影響について、主に臨床的なアウトカムに着目し多様な側面から疫学的にアプローチした研究を行っている。抗HIV薬普及前後のHIV感染者生存率の変化、抗HIV薬治療の失敗に影響を与える臨床的・人類学的・社会的因子の解析、抗HIV薬治療普及による日和見感染症の罹患率の変化、HIV/HBV・HCV重複感染が生存率に与える影響、について現在解析が進んでいる。また、質的研究を併せて行い、量的研究では集めにくい患者背景に関する情報も収集している。2007年には患者へのインタビューとグループディスカッションにより、服薬行動に影響を与える因子、患者の感じている抗HIV薬治療後の変化(差別偏見、家族の経済状況など)が明らかになった。ランパン病院で抗HIV薬治療を最初に開始した患者は2008-2009年で治療開始後5年に達する。今後は治療開始5年目の評価として、治療成績とリスク因子解析、副作用や薬剤耐性による治療失敗、薬剤変更など長期的に生じる問題についての研究を進めていく予定である。

海外活動

現地でDr.Panitaが日々患者さんたちと向き合い経験されていることをデータベースにまとめて蓄積し、解析というプロセスを経て形にして送り出す、というのが私達の仕事です。必要時は数カ月現地に滞在し、カルテや質問票、あるいは患者さん達との会話から情報を収集します。日本にいる時も現地スタッフと常に連絡を取り合い、年に数度は現地でデータベースの更新、確認作業を一緒に行います。

ランパン病院

患者さんとのグループディスカッション

現地スタッフと共同でのデータベース作成。カルテや質問票などを参照しながら慎重に進めていきます。

患者さん達をずっと見守ってきたパニタ先生

活動: JICAタイ国立衛生研究所プロジェクトの北タイランパン病院HIVコホート研究
期間: 1999年 ~ 現在 (有吉紅也,吉田レイミント,土屋菜歩,森正彦)

タイにおけるHIVに対する免疫応答のメカニズムの研究

1990年代後半からの抗HIV薬多剤併用療法の普及により、AIDSによる死亡率は改善を認めましたが、同時に一生涯に渡る服薬管理、耐性型の増加、感染者の蓄積による病院・医療制度・医療従事者の受容の限界など新たな問題が生じています。HIVを根治する薬剤・ワクチンの開発が急務です。我々は北タイにおけるコホート研究の一環として、HIV感染者における細胞障害性T細胞を介した免疫応答のメカニズムの解明を研究しています。HIV感染細胞に対する細胞障害性T細胞の免疫応答が疾患の予後を決定することはこれまで動物モデルで広く知られており、ワクチン開発への鍵となります。
また現地スタッフとの研究計画の打ち合わせ・実験手技の指導を通じ、本研究は医学・学問的な貢献だけでなく、人材育成・技術供与など地域への貢献・還元を通じた国際貢献を目指しています。

タイ保健省研究室のスタッフと。黄色のシャツは毎週月曜日、国王への敬意を表し、着用しています
実験室にて
北タイランパン病院にて,毎年新年にHIV
コホート参加者を対象にタイ人スタッフが啓蒙活動を行っている
現地スタッフによるデータ管理チームがコホート参加者のデータを入力している
タイ人看護師がコホート参加者より,定期的に血液サンプルを採取している
タイ人ラボラトリーテクニシャンによる患者血液検体の冷蔵保存を指導
本研究を一緒に運営するタイ国立衛生研究所
カウンターパート(左)とランパン病院カウンターパート(下)
 

詳しい研究内容はこちらへ

活動: DTMH, Faculty of Tropical Medicine, Mahidon University
期間: 2005年4月 ~ 2006年3月で終了 (斎藤 若奈)

2005年4月からマヒドン大学(バンコク)の postgraduate Diploma of Tropical Medicine and Hygieneコースに参加しています.今年は,32名の医者が15カ国より集まりました.文化交流のみならず,いろんな国の医療事情を聞いたりするのは大変面白いです.これまでNGOなどで海外の医療活動の経験がある人も多く,それぞれの経験を発表してもらったりもしています.
DTMHを取得できるコースはロンドンや,ハンブルグにもありますが,Mahidol大学の利点はなんと言っても熱帯地域にあることでしょう.DTMHを取得する期間も6ヶ月と長く,僻地で自分一人でも診断できるようになる!ことを目標に,顕微鏡実習時間などの時間が多くとってあります.また,期間中に3回のフィールドトリップがあり,フィールドでマラリア・便検査などを行ったりする予定です.昆虫学などの細かい暗記などが以前は多かったようですが,毎年の生徒の要望により臨床的な面をより重視するカリキュラムに変わってきているようです.隣には付属病院があり,患者さんを見せてもらうことも出来ます.ちょうど今は雨季が始まってデング熱やマラリアのシーズンに入り,重症患者さんが入院しており,治療経過も見せてもいらっています.

講義,文献のレビューは毎年アップデートしてあります
便虫卵検査実習,一つのサンプルに5種類以上虫卵があることもあります!
病棟でケースディスカッション,マラリアの患者さんはミャンマーとの国境付近からで,ミャンマーのクラスメートが通訳してくれました.問題となる熱帯熱マラリアの薬剤耐性にはコンビネーション治療のトライアルが行われています
国際交流会のときの写真.
出来るだけ各国の服装を着て出席する交流会
でした

齋藤若菜先生の留学体験記はこちら

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