最新診療活動情報

感染症

感染症診療

当科の病棟(病床数17)では主に呼吸器診療(勿論感染症症例の入院もあります)を行っていますが、感染症診療については、当院各診療科からの発熱患者、感染症症例のコンサルトを受け、診断、治療(適切な抗菌剤の投与など)を併診という形で行っています。必要に応じて当科に転科してもらい、治療を進めていくこともあります。また当科は輸入感染症の希少薬(オーファンドラッグ)の提供施設の一つであるため、輸入感染症症例について他施設からのコンサルトを受け、検査、治療についての助言や希少薬を提供(主に抗マラリア薬)しています。更に、感染症診療科として旅行外来を設けて、ワクチン接種、渡航先の情報提供、マラリア予防内服(メフロキン)、診断書作成などの業務を火、木曜日の午後から行っています。

今回は特に院内コンサルト症例の診療について説明します。

院内各診療科からの感染症コンサルト症例については、高次臨床実習中の医学科6年生と、後期研修医、医員、教官とチームを組み、当科の伝統として実践している感染臓器からの各種検体のグラム染色、ディフクイック染色、チールニールセン染色などで起炎微生物の推定を行い、当院の細菌検査室から報告されているアンチバイオグラムを参考に抗菌剤を選択するオーソドックスな感染症診療を行っています。また、毎週水曜日夕にはコンサルト症例についてカンファレンスを行い、必要に応じて紹介先の医師にも参加してもらい、診療を進めています。また、毎週木曜日朝8時より各医師持ち回りで10分から15分程度のミニレクチャーを行い、呼吸器疾患、感染症診療に関わることについてブラッシュアップし、各医師と学生のレベルアップを図るようにしています。

当科の2007年度の院内各診療科からのコンサルト症例数は193例で月平均16例の紹介を受けていました。紹介を受けた上位5つの感染症の内訳は、肺炎56例、手術部位感染症14例、皮膚軟部組織感染症12例、尿路感染症11例、カテーテル関連血流感染症8例と圧倒的に肺炎が多くそのほとんどは院内肺炎症例でした。当科は呼吸器診療も携わっているため、人工呼吸器管理(NPPVも含めて)についての助言や気管支鏡による検体採取も行っています。また、梅毒の血清学的検査結果についての相談が7症例あり、其のうち3症例(潜在性梅毒2例、視神経梅毒1例)は当科にて治療を行いました。大学病院という性質上、重症感染症、深部臓器感染症も少なくなく、抗菌剤投与も長期に及び、またその起炎菌としてMRSAや緑膿菌が関与する症例も多いという問題も抱えています。診療を通じて感染対策が不十分と思われる部署については、当科でも往診時に感染対策について説明しますが、当院感染制御教育センターに介入していただくよう進言しています。更に、各診療科には適切な抗菌剤使用、検体採取(血液培養など)について適宜、各診療科主治医に説明しています。それによりほとんど血液培養を実施していなかった診療科でも、発熱時には血液培養を実践してもらうようになって来ました。(しかし、血液培養採取数は月270程度(病床数880)とまだまだ少ないものです。) 

少しずつ感染症診療に興味を持っていただく各診療科の医師(例えば、ICUの先生方自ら顕微鏡を購入されICUに設置し、グラム染色が実践されるようになりました。)、コメディカルを増やし、当科なりに病院全体としての感染症診療の改善を図りつつ、また日々のコンサルト業務から、学生の頃からより臨床に即した感染症教育が非常に重要であることを痛切に感じ、医学生教育の充実も重要な問題として捉え、日々地道な活動を続けています。

外来医長 古本 朗嗣

呼吸器

EBUSの最新機器システムであるコンベックスタイプの超音波走査器一体型の気管支鏡、BF TYPE UC260FWおよび、EBUS-TBNA、EBUS-GSがハイブリットとなった超音波出力装置を導入しました。

2009年3月25日にEBUSの最新機器システムであるコンベックスタイプの超音波走査器一体型の気管支鏡、BF TYPE UC260FWおよび、EBUS-TBNA、EBUS-GSがハイブリットとなった超音波出力装置(EU-ME1:いずれも2009年3月2日発売)が九州ではいち早く、当院に導入されました。もともとEBUS-TBNA用のコンベックス式の気管支鏡は2004年11月に発売されていますが、今回の気管支鏡は、従来のものに比べ、鉗子挿通用管路が0.2mm広く内径2.2mmなっており、吸引生検針の挿入性や吸引性能の向上が図られています。またEU-ME1を用いることで、より高画質な超音波画像を得ることができ、診断率の向上が期待されます。当科ではこれまでEBUS-GSを積極的に用いてきて、2009年3月現在九州では有数の症例数を誇っています。今回はより高画質の機器でのEBUS-GSの実践できることに加え、EBUS-TBNAも導入することができ、この新しい機器を十分に生かせるよう、日々の診療に当たって行きたいと考えています。

第1回 呼吸器インターベンション動物実技セミナーに参加しました

2009年1月23日、24日の両日神戸医療機器開発センター(MEDDEC)で開催されました、第1回 呼吸器インターベンション動物実技セミナーに当科の石田正之医師が参加してきました。

欧米では以前から実験動物を用いた実技セミナーは盛んに行われ、今回のセミナーの中心となられた、名古屋医療センターの坂先生や、聖マリアンナ医科大学の宮澤先生等は、その様なところで技術を学び、また現在では講師として指導も行っています。今回日本でも同様のセミナーをと言うことで、様々人たちの尽力により、本セミナーが開催されました。

今回のセミナーは私も含めて16人という非常に限られた定員の中で、硬性内視鏡の挿入手技、硬性内視鏡を用いたステント挿入、APC(アルゴンプラズマレーザー凝固)、EWS(Endobronchial Watanabe Spigot)、局所麻酔下胸腔鏡、外科的胸腔鏡、タルク散布、胸膜生検など非常に盛りだくさんの内容を、我が国の最先端で活躍される先生方より直接指導を受けることができるという非常に恵まれた環境の中で実習が行えたことは、非常に貴重な体験であり、有意義な時間を過ごすことができました。

ここ数年呼吸器内視鏡、呼吸器インターベンションは急速に進歩をしています。その様な時流の中で、当科でも患者さんにより先端的で高度かつ有意義な検査・治療をより安全に提供できるよう進歩を続けて行きたいと考えています。

石田正之

第1回 呼吸器インターベンション動物実技セミナー

新しい呼吸器の検査方法の習得

EBUS-TBNAトレーニングコース

EBUS-TBNAトレーニングコース2008年10月18日にオリンパスメディカルシステムズ主催で、東京八王子にありますオリンパスメディカルシステムズ株式会社 技術開発センター石川で行われました、第10回EBUS-TBNAトレーニングコースに、当教室から石田医師、協力病院の近森病院から中間医師が参加しました。EBUS-TBNAはconvex typeの超音波装置が内視鏡の先端に装着された専用の気管支鏡を用い、縦隔・肺門リンパ節を超音波画像下にリアルタイムに生検を行うことが可能な機器で、従来の検査と比較して検査の確実性、安全性が著しく向上した検査法で、現在急速に日本全国に広まってきており、当院でも導入を進め、年内もしくは年明けにも完全導入予定となっています。

本トレーニングコースは、EBUS-TBNAの普及のために、開発に関わりました、千葉大学や聖マリアンナ医科大学のDrの指導の下、ファントム(人体模型)等を用いてEBUS-TBNAによるリンパ節生検を実習すると言ったもので、全国から30名弱の受講者が集まりました。会は非常に熱気にあふれ、この検査ツールが数年後には日本および世界のスタンダードな気管支鏡検査手技になっていくのではないかと強く感じさせられました。本トレーニングコースからの習得内容を生かし、的確かつ、安全な検査の施行、更なる手技の向上に努め、患者様への利益の還元を行いたいと考えています

 

EBUS-GS(ガイドシース併用気管支内腔超音波診断法)による気管支鏡検査の導入

当科では肺野末梢病変に対する診断率の向上を図るために、2008年3月より気管支鏡検査時に最新技術の一つであるEBUS-GSを積極的に導入し検査を行っています。

この方法では、極細径の超音波プローベにガイドシース(GS)を装着して、気管支鏡の鉗子孔から病変部に誘導します。プローベが正しく病巣に到達し、EBUSで病変の画像が得られたら、GSをその位置に固定したまま超音波プローベのみ引き抜き、次にGSを通して細胞診用ブラシ、生検鉗子などを挿入して検体を採取する方法です。X線透視法と比較してより明瞭な画像が得られ、体位交換なしに病変の3次元的位置関係を把握することができ、病変まで誘導できる確率は75~89%といわれています。また径気管支肺生検(TBLB)の際現在まで主流であるX線透視のみの場合とEBUSを併用した場合では、肺癌の診断率は向上し、得られた検体の組織診断の偽陰性率は有意に低いと報告されています。

当科では2008年3月に導入後、同年9月までの間に26例27病変で同検査施行し、病変が描出可能であった症例19病変の13例(約70%)で診断が得られています。

また最近では仮想気管支鏡を気管支鏡のナビゲーションシステムも市販され、EBUS-GSと併用し更なる診断率の向上が期待されています。まだ試験的ではありますが当科でもナビゲーションシステムによる検査も既に数例行っています。更に近く、超音波を内臓した気管支鏡を用いてリンパ節生検を高精度の行う方法(EBUS-TBNA)も導入予定です。

まだ症例数が少なく、診断率も満足できるといえるものではありませんが、これらの検査は九州内でもまだ導入している施設はわずかであり、私たちは症例を増やし、技術・診断率の向上に努めていこうと考えています。

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