イギリス

活動: ロンドン大学(Queen Mary University of London)医学部在籍
期間: 2007年9月~ (西村 生)

ロンドンから現状報告

熱研の皆さんお元気でしょうか?私がロンドンにきてから早一年が過ぎようとしております。

有吉先生からロンドンでの学生生活についての原稿を書くようにとの依頼を受けました。このような機会を与えてくださった先生の思いやりに深く感謝いたします。私の近況報告と長崎でお世話になりました皆様への感謝の気持ちを込めて思いつくままこの一年間を振り返りたいと思います。

私の住んでいる寮から話を始めたいと思います。私の住でいる(現在は“いた”と過去形になりますが)寮は医学部学生専用の寮で、地下鉄セントラル線のバービカン駅から徒歩数百歩という通学上非常に便利な所に立つ6階建ての風格にあふれた建物です。私の部屋は中庭が見渡せる3階の一番端に位置しております。部屋の広さはロンドンな  日本の8畳ぐらいで、もちろんインターネットは使い放題となっております。寮費は月に換算すると約4万円で、シャワー、トイレ、食堂は共同利用で男女の分離は有りませんので日本人の感覚からはすると少し抵抗感を感じるかもしれません。

寮に入れる資格に関しても日本の学生寮とは大きく異なっております。日本の場合は本人の意思で卒業まで寮におれると思いますが、こちらでは卒業までの2年間に限られております。その2年間のコンビネーションは各学生の選択にまかされます。私は1年目、4年次に在寮を希望するために1年修了の今年は寮を出なければなりません。

寮はロンドン最大の川であるテームズ川のほとりに面しております。まさに歴史と文化を呑み込みがらゆったり流れるテームズ川を眺めると心がいやされます。また皆さまもご存じのチャールズとダイアナが結婚式を挙げたセントポール教会が散歩の途中にあります。二重構造で有名なロンドン橋も目視できる距離にあり、買い物にも便利で立地条件は抜群でした。

私の医学部は約270名の定員で、若干女性が多いクラスとなっております。人種的に言えばインド、パキスタン、バングラデイッシュなど南アジア系の学生が7割ほど占めておりまして、彼らのクラブ活動への参加率は極めて高いのが特徴です。

授業は日本同様9時始まりですが、日本と比べて大きな違いがあります。解剖学実習が無いことが一番驚いた点であり、一番不安な点でした。日本の医学部では考えられないことだと思います。授業形態でも講義内容がsystemな面から進められ、専門的再分化された内容を学ぶことになります。人体の全体的、総合的知識の無いままの講義ですので大変途惑いました。

また授業の一環として、2週間に1回、10人ほどでグループを組み、一般開業医のもとに行き、実際の患者との会話経験をつまされまして。コミニュケーション能力をつける授業があります。これは臨床医としての意識付けを高めるのに有効だと感じました。

もう一つ授業形態の一つにPBL(Problem based learning)法という授業が組み込まれております。これはもともとスコットランドで始まった教育法ですが、8~10人が一グループとして毎週2回、あらゆる疾患を選択して、リーダーを毎回変えて病態、鑑別検査方法、治療法など討論を行います。完全な基礎的・臨床的知識を準備していかなければなりませんので特にリーダーになった場合は大変医学的知識が得られた実感が得られた印象があります。

また試験に関しては、6週間ごとに記述とマークシート式の試験が組まれております。この試験をパスしないと、最大の試験である年度末の全科目試験の受験資格が得られません。

ロンドンは私の最も気に入っている街のひとつです。その第一が歴史をいたるところに感じることでしょうか。町はアメリカのように整然と区画された町並みでなく、曲がりくねった道路が街を走り、どちらかといえば雑多な感じです。人の生活の息吹が身近に感じる大都会でもあります。このあたりは日本と似ているような気がします。無機的景観を生み出し、心理的圧迫感与える高層建築物が市内に見当たらないのもロンドンの特徴です。その事が、多くの日々が雨と曇天が覆う気象現象とあいまってロンドンらしさを引き出しているような気がします。

また何といっても展示している質と量で世界の誇る多くの博物館と美術館に恵まれていることです。しかも全て無料でときているから信じられません。私もよく時間があるときはそこに行き精神的リラクゼーションを得ております。また小さいながら手入れの行き届いた公園も多くあり、いったんそこに入りますと都会の喧騒をシャットダウンした静かな環境が得る事が出来ます。

ロンドンの電車は皆様からみると狭く小さな車両と感じを受けるかもしれません。しかしながら、東京、長崎と同様に市内の至る所に行け大変便利な足となっております。ただ気をつけなければならない点があります。駅で下車した場合、どの駅でも言えることですが、エレベーター無しの階段があることです。特に知らずに重い大きな荷物を持った時には悲劇が起こります。ロンドンのいろいろの穴場についてお話しすることができませんでした。連絡頂ければ、こちらに来た際にお連れします。

いずれにしましても、私の日本での生活は名古屋での十数年以外、長崎の1年しかありませんが、長崎でのこの1年の生活が大きな思い出として私の中で大きな位置を占めております。元気でやっていることと、長崎でお世話になりました御礼を兼ねての報告とさせていただきます。熱研の発展と皆様方の御活躍を遠くロンドンより心からお祈り申し上げております。

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