環境医学部門 疾病生態分野


研究スタッフ


 当分野では,昭和52年以降,暑熱環境の生体に及ぼす影響について環境生理学の立場から検討し,その成果の熱帯医学への応用を目指している。温度・湿度が制御可能な2基の人工気候室及び動物用核磁気共鳴装置(MRI)を備えている。平成6年度の改組により,環境医学部門の一研究分野となった。

スキッドマウス移植ヒト皮膚を用いた発汗機序に関する研究

 重症複合免疫不全(SCID)マウスに移植したヒト皮膚にアセチルコリンを投与した発汗誘発に成功した。この神経支配のないヒト汗腺発汗実験,平成7年度導入の動物用MRIを用いて,アセチルコリン・アドレナリン・VIP等の生理活性物質に対するヒト汗腺の反応性を検討している。神経終末から分泌される伝達物質の汗腺への作用および複数の伝達物質間の相互作用の解明など,従来,ヒトでは困難であった汗腺の神経支配機序の解明が期待される。

環境ストレスが自律機能に及ぼす影響に関する研究

 温度や拘束などの物理的・心理的ストレスの体温・循環調節機序への影響を検討し,合わせてこれらの調節機序間の相互干渉の解明を期している。実験動物としては,慢性脊髄ラットや暑熱・寒冷順化ラットや高血圧自然発症ラット(SHR)を使用している。

冬眠動物の暑熱・寒冷耐性に関する研究

 冬眠動物は特有の寒冷耐性をする。その機序解明の目的で,冬眠動物であるハムスターの神経・内分泌・循環機能や寒冷ショック蛋白(CSP)誘導能について,非冬眠動物(ナキウサギ,ラット,家ウサギ)と比較検討している。

フィラリアーDEC発熱機序の研究

 フィラリア症患者にジエチルカルバマヂン(DEC)を投与すると発熱が見られ,集団治療を妨げる一因となっている。この発熱機序をスナネズミ・フィラリアモデルやウサギを用いて検討している。

表面電極筋電図脳波解析装置を用いた瞬発的動作時の主働筋・拮抗筋の協調に関する研究

 瞬発的手指伸展動作には,伸筋群のみならず屈筋群の協調が必要である。瞬発動作を鍛練している運動選手の筋電図解析から伸筋群と屈筋群の協調の意義について検討している。


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1996.01.10作成,1998.10.14更新
新谷千津子 singai@net2.nagasaki-u.ac.jp
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