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概要

熱帯病・新興感染症の地球規模統合制御戦略

  •  感染症は依然として人類最大の脅威となっています。5歳未満の子供の年間死亡数をみると、今回のプログラムで取り上げている感染症であるエイズで毎年40万人、下痢症で毎年180万人、マラリアで年間80万人、合計300万人が亡くなっています。世界の乳幼児死亡原因の7割は感染症なのです。この現状に対して、2000年9月、国連において、国際社会が達成すべき目標として国連ミレニアム宣言が採択されました。この国際目標として掲げられた8つのミレニアム開発目標の中でも「2015年までにHIV/エイズを始めとする主要な疾病の発生を食い止め、その後発生率を減少させる」と示され、2006年のWHO総会では決議59.24を採択し「先端研究の成果をワクチンや薬剤などの医薬品開発に結びつけ、これを必要とする人々へ速やかに運ぶことが先進国の義務である」と宣言しました。このように感染症対策はその中心的課題となっています。
年間死亡者数

拠点形成の目的

  • 本拠点形成の最終目的は、まさにこれら主要感染症の制御・克服です。
     こうした緊急課題の解決に取組む長崎大学21世紀GCOEプログラムは、卓越した実績を基に世界の活動拠点として高い評価を受けています。過去5年間の実績を基盤に、今後、目的達成に向けて拠点の更なる実質化と国際化を図っていきます。
     感染症の制御・克服は、それ自身、人類の長年に渡る願いであり、そのためには周到な戦略、それを実行する人材、および適切な技術が必要となります。本拠点では、これまで主要な発生源が貧しい開発途上国であったために顧みられることの少なかった「見捨てられた感染症(デング熱、住血吸虫症等)」や、先進国では解決済みとみなされがちな「下痢症」にも焦点をあてています。熱帯病・新興感染症のうち,現在地球規模の課題となっている、あるいは開発の大きな阻害要因となっている感染症に対し、その制御と克服のための新戦略を包括的に構想し、その実行に必要な革新的技術の研究・開発を行うことを目標とします。また、その過程を通して将来の当該領域を支える有為な人材を育成します。