新竜一郎テニュアトラック助教らの研究成果がNature Medicine誌に掲載されました    

平成2301

 

C:\Users\atarashir\Pictures\2008年11月9日\Atarashir.jpg 本学大学院医歯薬学総合研究科の新竜一郎テニュアトラック助教らと金沢大学,東京医科歯科大学,東北大学,メルボルン大学(オーストラリア)の研究グループは,今回新たにReal-time QUIC法(real-time quaking-induced conversionRT-QUIC)と名付けた,新しい異常型プリオンタンパク(Prion Protein: PrP)増幅アッセイを開発し,このRT-QUIC法によって脳脊髄液中ヒトプリオンの超高感度検出が可能であることを証明しました。

 

<要旨>

研究グループはRT-QUIC法を代表的ヒトプリオン病であるクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob diseases: CJD)に適用し,日本のCJD患者由来の髄液を用いて,異常型PrPの検出を試みたところ,18症例中15例で陽性であった。一方プリオン病以外の疾患由来の髄液35症例ではすべて陰性であった。さらにRT-QUIC法のCJD診断への有用性を検証するためにオーストラリアのメルボルン大学と共同研究として髄液30サンプルを無作為に送付してもらい,盲検試験を行った。その結果,RT-QUIC法の感度は87.5%,特異度は100%であった。これらの試験においてRT-QUIC法の陽性例には現在のプリオン病の髄液診断マーカーである,14-3-3蛋白陰性症例も含まれており,RT-QUIC法は,生存中でのCJD疑い例を評価する高い診断能力が期待できることが示された。

図1,表1 

 

 

 

 

 

 

 


本研究の成果は,「Nature Medicine20112月号に掲載された。

http://www.nature.com/nm/journal/v17/n2/full/nm.2294.html