長崎大学医学部生フィールドワークについて

生態疫学分野では、毎年医学部3年生のリサーチセミナーを受け入れています。2019年度のリサーチセミナーでは1名、ケニアで2週間のフィールドワークを体験しました。その体験談をご紹介します。

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『生態疫学教室でのリサーチセミナーを終えて』

こんにちは、医学科4年の荒田です。私は1月から2月末まで3年次リサーチセミナーで生態疫学教室に通わせていただきました。私がこの研究室を選んだ理由はケニアへの渡航ができると聞いていたからです。ケニアへは2月後半の2週間渡航しました。それまでの1ヶ月半は熱研にある研究室に通い、ケニアで研究するスナノミ症や、国際援助について学び、毎日、研究員の宮道一千代さんにフィードバックを頂いていました。

私が研究した、スナノミ症はアフリカ、中南米、インドなどの熱帯に生息するスナノミが、裸足やサンダルで生活する人々の足に寄生して掻痒、疼痛、炎症などの症状をきたす皮膚疾患です。近年、顧みられない熱帯病としてWHOに認められました。 ケニアでは、長崎大学ケニア拠点に通い、現地でしか見られないスナノミを観察しました。渡航前に十分に調べていたため、本物のスナノミを観察すると「予想よりもはるかに小さいな、足は長いな」などと観察を楽しめました。また、スナノミ撲滅プログラムに参加していたケニア人の方にもお話を伺いました。スナノミ症を撲滅するのは難しいが、スナノミ症で苦しむ人々を減らすためには、教育によって正しい治療法や対策を教え、人々が自己管理できるようになることが一番大事であると感じました。

私はケニアに渡航したのが初めてであったため、驚くことばかりでした。ケニアの首都ナイロビは交通量の多く、高層ビルも立ち、活気のある都市でした。田舎町のクワレは沿岸であったため、ものすごく暑かったです。素手で焼き魚を食べるなど私にとって初体験も多くありました。また、現地で食中毒になってしまいましたが、現地の病院で治療を受け、すぐに回復することができました。土日には宮道さん,ケニア拠点で研究していた大学院生の日向さんとビーチやサファリパークに行き、ケニア観光を楽しみました。また、現地でケニア人の友人もできました。今でも、連絡を取り合っています。2週間と短い渡航でしたが、本当に貴重な経験でした。

最後に、このリサーチセミナーを通して、スナノミ症のように「顧みられない熱帯病」で苦しんでいる人々がいることを学び、また、ケニアという国の雰囲気、生活様式や文化を体験できました。素晴らしい経験をさせて頂いた研究室の皆さんとケニアの現地の方々に感謝を述べて終わらせて頂きます。ありがとうございました。

長崎大学医学部医学科4年 荒田昌彦

 

長崎大学 クワレ拠点

 

ケニア拠点ラボ

 

ケニア食事

 

少年たち

 

集合写真

 

ビーチ観光

 

ナイロビ ビル

 

ゴールデンゲストハウス屋上から